森のかけら | 大五木材


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神戸大学大学院農学研究科教授黒田慶子先生御一行が先日ご来店いただきました。直接一度もお会いしたことの無い人とも気軽に日々やり取り出来るSNSのお陰で、全国の多くの木材ファン、木フェチとも楽しく交流させていただいていますが、黒田先生もそのうちのおひとりで、私にとっては直接お会いできるその日を夢描いておりましたが、その日は突然やって来ました。強く願うことはいつか実現するってヤツ。香川県で里山林管理に関するセミナーに来られるついでに弊社にまで足を延ばしていただけることになったのです。

黒田先生とゼミ生とOBの合計5名のかなりもの好きと思われる(わざわざここまでやって来られるわけですから相当でしょう!)皆さんがご来店。黒田先生は既に【森のかけら】をコンプリートされていて、授業でも学生たちに触らせたり観察させるなどしてご活用いただいています。黒田先生の専門は、森林病理学,樹木組織学で、ワークショップでは樹木組織を顕微鏡観察されたりするのですが、その際に【森のかけら】もしっかりと観察されています。こうなると【森のかけら】にも一気にアカデミックな色合いが!

黒田先生は神戸大学の前は森林総合研究所にお勤めで、以前に『才の木』でお世話になった京都大学の高部圭司先生とは京都大学の先輩後輩の関係。そのこともあってかねがねお噂はお聞きしていたのですが、それとは別にビーバー雑木隊武田製材(三重県多気郡)の武田隊長ルートから入った話が直接メールをやり取りすることになったきっかけです。それが『六甲山の森の毒りんご』!詳細については以前にその経緯について書かせていただきましたが、黒田先生は里山のスペシャリストでもあられます。

最近いろいろな方が全国各地からお越しになられるようになりましたが、今回のように目的がはっきりしている(マニアの巣窟探検!?)場合は話も早いので早速ご案内。と、思ったのですが、偏屈材木屋の「多様性」を知っていただくために『木のもの屋・森羅』にて木の玩具などを見ていただきました。皆さん木の事を真摯に学ばれる研究者ですが、無垢な木の玩具にあっという惹き込まれます。研究者すらも瞬時に虜にするのが木の魅力、いや魔力!明日に続く・・・




りんごの病気?

カタツムリが這うような歩みながら少しずつ、1個ずつ手元から消えていく『森のりんご』。売れてこその商品ではありながらも、多樹種収集フェチとしては、レアな木が「消失」していくことはとても辛くて悲しかったりもするもの。売りたいのか、売りたくないか!?非常に珍しくて鮮やかな木を見ていると、自分でもよく分からなくなることがあります。せめてもの救いはそれが原料たる木そのものせはなく、そこから派生して出来た木のモノであるということ。五十歩百歩・・・。

 

そのアンビバレントな衝動は【森のかけら】についてだって同じように起こるのですが、結構な量のストックがあり、まだサイズ的にも補充がききやすく、700セット(総個数で考えれば5万個を越える)もの「かけら」が私の(気持の)中を通過したことで、それなりの耐性が身についたため、さすがに売れることの喜びや感謝の気持ちの方が大きいものの、かけらよりもひと回り大きなサイズが必要となり、それなりに珍しい木を使って作っている『森のりんご』についてはまだ抗体が出来ず。

 

あくまでも私目線ながら、比較的硬質で世界中のレアな木を集めたプレミアのかけらの新しい出口として作り始めた『森のりんご』なのですが、加工が出来て事務所に届いて箱を開封するときのドキドキする気持ちはいまも変わらず。形が球体ということもあって、杢目の表情も1個1個実に個性的で、自分で材を用意しておきながら言うのも何なんですが、出来上がったりんごの形に生まれ変わったそれらは、素材の段階よりもはるかに鮮烈で美しいばかりの輝きを放っているのです。

20160324 4嗚呼、これにオイルを垂らしたら一体どれほど美しくなるのだろうか・・・硬質で滑らかなりのごを掌で転がせながら私の妄想は膨らむばかり。もともと個性軍団の集まりであるプレミアウッドですが、緋色やピンク、まっ黄色、漆黒、縞柄など綺羅星のごとき派手なスターたちが集いし箱は、童謡の世界の中に舞い込んだがごとく私を魅了します。自分の商品をそこまで恥ずかしくもなく褒めるものかと思われるでしょうが、褒めているのではない、惚れてしまっているのです・・・病気!




20160312 1しばらくの間欠品していてマニアの方々にご迷惑をお掛けしていた『リグナムバイタのりんご』がようやく入荷致しました。硬質で重みのある世界の広葉樹を選んで加工している『森のりんご』ですが、その中でもっとも人気のあるのが「世界でいちばん重たい木・リグナムバイタ」です。チューリップウッドボコーテ、キングウッド、ゼブラウッドウェンジなどかなり個性的な木を選んで作っている『森のりんご』ですが、やはり特徴の際立つ木が惹かれるようでは人気は圧倒的。

 

在庫の様子を見ながら不定期で加工している『森のりんご』ですが、リグナムバイタに関しては完成した端から売れていく状況です。だったらいくらでも作ればいいじゃないかと思われるかもしれませんが、材そのものが高価な上に希少で簡単には入手することが出来ず、作りたくても作れないという裏事情もありました。それがたまたま木材市場に出ていたリグナムバイタを少しだけまとめて仕入れることができましたので、今回2ダースぐらいのりんごを作ることが出来たのです。

 

世界で一番重たい木として知られるリグナムバイタですが、以前『今日のかけら』でご紹介したように特徴のよく似た近縁の3種の木を、商業流通上まとめて『リグナムバイタ』の総称で呼んでいます。なので、図鑑やネットで見るリグナムバイタとは若干色合いや雰囲気が違っているかもしれませんがご了承ください。18世紀に西インド諸島で発見されて、リグナムバイタという名前には「生命の木」の意味があり、ヨーロッパなどでは古くからその樹脂の薬効が知られていました。

 

日本には明治時代頃に『グアヤック』の名前で輸入されていましたが、『ユソウボク癒蒼木』の名前でも紹介されています。瘡は「きず、できもの、梅毒」のことで、昔は梅毒のことを「瘡っ気(カサッケ)」と言っていたらしく、この木から取れる「グアヤック脂」が梅毒の治療に使われていたことから、瘡(梅毒)を癒す木という意味で、中国でも『癒蒼木』の名がつけられていました。それが日本に伝わり、癒蒼木の音読み(ユソウボク)が和名となったと言われています。

 

また、癒蒼木の脂は万病に効くともされ大変重宝されたそうで、乱伐もされたようです。またこの木自体成長が遅いことから大きな材が得られにくいこともあり、流通量も圧倒的に少ないのです。まあ、材木屋が扱う木というよりは、数珠や仏壇などの工芸屋さんとかが扱われる木なので、そちらのルートで流通していると思われます。空気に触れると化学反応を起こして艶やかで深い緑に染まっていきます。世界で一番重たくて、生命の木の名を持つリグナムバイタのりんごいかがでしょうか?

※  リグナムバイタのりんご ¥5,000(税別)⇒ 申し込みはこちらから




20151126 1愛媛大学のある講義で、『学生プレゼンバトル』というものがあり、私にもお声がかかり参加させていただく事になりました。大学に関わらず現在いろいろな職種、分野で開催されているそうですが、学生プレゼンバトルとは、『学群生や院生が自らの専攻している学問、または研究していることがらを魅力をわかりやく伝えるスキルを競う企画』という事で、要は研究成果をいかに他人に分かりやすく魅力的に伝えるかというものです。そんな授業になぜ一介の材木屋が招かれたかというと・・・

 

20151126 2今回のプレゼンバトルは予選と本選があって、『モノの売り方を考える』というのがテーマになっていて、予選では何の変哲もないゴム手袋、手帳、クリップが素材となっています。それらが本当はとんでもない機能や技術を持ったモノだという体で審査員にプレゼンするというもの。いかに相手を感心させるような上手な嘘をついて相手を得心させられるかという提案力を競い合います。本選に進んだチームは、弊社の『森の毒りんご』についてその売り方をプレゼンします。

 

20151126 3審査員には地元の銀行や行政の方が選出されていて、折角なので地元で作られているモノを題材にしようという事なり、弊社の『森の毒りんご』に白羽の矢が立ったのです。素材や商品の背景(毒性があるため利用されることの少ない材を使っている云々)が面白いのに、どこにどういう風に売り出していくんのか、いまだ販売先が定まっていないという点が評価(?)されたようです。まあ私的には、マニアの目に留まって少しずつ口コミで売れればいいと思っているところでしたが。

 

20151126 4それでも、こちらとしてもこんなモノづくりをしている馬鹿な材木屋がいるという事をPRできるありがたい機会ですので喜んで参加させていただきました。ひと通り商品説明をした後は、チームに分かれた学生たちがそれぞれ2分の持ち時間を使って、『森の毒りんご』がどういうモノで、これからどこに売っていくつもりなのかをプレゼンしてくれます。中にはプロの営業マン顔負けなぐらい、まさに自分が作った商品のように立て板に水の口調でプレゼンする学生もいて感心。

 

限られた時間の中で若い感性が考えた『森の毒りんご』の出口、さすがにそのまま使えるようなものではありませんでしたが、私が考えていたことにかなり近いモノもあって、こちらとしてはその方向性が若い方にも受け入れられる土壌はあるのだと確信出来て大きな成果でした。モノづくりの過程や背景に強いこだわりがあればあるほど、そこに執着して視野が狭くなってしまうこともあるので、第三者の目で商品を見てもらうというのも大切な事だと得心させられた一日でした。

 

森のりんご&森の毒りんご・・・こちらで販売中




20150520 1私にとって『毒のある木』というのは、日本におよそ1500もあるといわれる木の中でも非常に強く自己主張を発揮する個性に思えます。ならばその毒を否定して商品開発をするのではなく、堂々と毒性を押し出した商品を作ろう!という事で、作り上げたのが『森の毒りんご』です。スペックは従来の『森のりんご』と同じなのですが、毒性植物であるという事を全面に押し出すためにパッケージも一新。森のめぐみがいつも優しいなんて思ったら大間違いあなたの知らないもうひとつの森。

 

20150520 2毒があるといっても触る事すらNGというわけではありません。あのハゼノキだって、その『かけら』すら触るのを躊躇する人がいますが、それで肌がかぶれるのなら私はとんでもない事になっています。しっかり乾かせば触っても問題ありません。アセビの毒を含む部位は、全株、葉、樹皮、花枝葉に含まれるという事ですが、いくら触ってもこのりんごを食べたり齧ったりしなければ問題ありません。ですが敢えて毒性を強くアピールするために、『R-18』と表示。

 

20150520 3『R-18』というレーティングは、映画ファンなら残酷描写の激しいホラー映画などでお馴染みでしょうが、『18歳未満の未成年者が購入するには不適切』という意味です。実際には18歳未満の木材マニアにも販売しますが、森は決して人間が完璧にコントロール出来て安心・安全なものだけではなく、取り扱いを誤れば大怪我したり痛い目にもあうぞという戒めを含め、大人だろうと購入するならばその覚悟を持ってほしいという思いを込めたものです。台紙も少女漫画ホラー風に。

 

これらは、『森のりんご』からスピンオフした『森の毒りんご』として、今後『ハゼノキ』や『イチョウ』、『キョウチクトウ』など毒の成分を含む樹も登場させてシリーズ化していくつもりです。これが売れて原料となるアセビの伐採が進むようにとの思いも込めてなるべく安く抑えてみました。¥3,240(本体¥3,000+税)です。世の中、毒にも薬にもならない存在なんてつまんないなんて考えていて遊び心と毒っ気のあるおとなの方、お待ちしています!ひひひ・・・

 




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