森のかけら | 大五木材


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先日ご紹介したモザイクボードのテーブルですが、改造中だったミセスホームさんの打ち合わせ室が完成したので納品させていただきました。モザイクボードの基本スペックは、2000×500×30㎜と、3000×600×30㎜の2タイプなのですが、モザイク柄の利点として、幅を剥ぎ足しても違和感が少ないので(1枚ごとに使用している素材が違うので、どうしても多少の雰囲気の違いは出てきます)、ご希望サイズに加工することが出来ます。今回も幅は850㎜がご希望だったので、500㎜に350㎜分剥ぎ足しています。

モザイクボードの素材は広葉樹に限定していますが、それは強度の問題がひとつ。製作するにあたって、スギやヒノキ、ベイツガ、ベイマツなどの針葉樹のみ、針葉樹+広葉樹の混合などでも作ってみて、林業試験場に持ち込んで破壊試験などもしてもらいましたが、広葉樹に比べるとかなり劣る結果になりました。まあそれは最初から想定していた事で、念のため検証しただけで、最初からいろいろな広葉樹を使った商品として作るつもりでした。もともとのスタートは、出口の見えない倉庫に眠るさまざまな広葉樹の活路を作り出すという事でした。

広葉樹に限定した理由の2つ目としてはさまざまな商品が作られたり、行政等からも手厚いバックアップのあるスギやヒノキに比べて、ほとんど顧みられることも無く放置された広葉樹の復権ということもありました。こんなに美しく表情豊かな広葉樹をもっと知ってほしい、使ってほしいという切なる思いもあったのです。そんなモザイクボードですが、当初は圧倒的に県外からの注文が多くて、原版サイズのまま宅急便発送となると、傷つかないように厳重に梱包して出荷していましたが、今は長物の配送は制限が多いこともあって、短くカットして発送する事が増えました。

それと県内からの問い合わせも少しずつ増えて来て、今ではその比率が逆転しました。特に今月・来月は出荷が多く、店舗でも使っていただく予定なので、また完成したらご紹介させていただくつもりです。そういう流れもありまして、3月は製作過程で発生してモザイクボードの端材もまとめて特価で販売する事にしました。端材コーナーにてオリーブの板材との共演。期間中、端材コーナーのモザイク商品に関しては値札の20%OFF です。まだモザイクボード未体験の方は、この機会に端材から『華麗なるモザイクの世界』に足を踏み入れてみて下さい!




先月と今月の2ヶ月間で、大五木材としては珍しく幅1m級の大きな耳付板が6枚も売れました!もともといわゆる銘木と呼ばれるような高級な木材とは縁遠い材木屋ですので、サイズは大きいとはいえ、バリバリの無節で上品で雅趣溢れる杢のあるA級品というわけではありません。その表情には、森の中で長年にわたって豪雨や防風に耐え、虫や鳥たちに住処を与えたり、わが身を蝕まれた痕跡が深く刻みつけられた味があって、癖が強い脇役のような板ばかり。昔の俳優で例えれば、アーネスト・ボーグナイン、今ならロン・パールマン

決して主役は張れなくても、登場すれば完全に主役を食ってしまうほどの圧倒的な存在感を放つ個性派。昔からこういう役者が好きなんです。木も同じでこういう木にはわけもなく惹かれてしまうのです。大体こういう木って、「大トロ」を狙って大きな原木を挽いた時に、不本意に挽けてしまう「中落ち」みたいなもので、製材業者にとっても決して歓迎されるものではありません。なので木材市場でも本命の大トロの前に、これから大きなサイズが出てきますよ~といった露払い的な意味合いで並べられます。

そのサイズ感は目を引くものの、「サイズはいいけど節がね~、こんな大きな割れがあっちゃね~」なんて、大トロ狙いの銘木屋さんは歯牙にもかけません。多くの良識ある材木屋からも軽くスルーされてしまいます。そうなればそうなるほど、私の中の天邪鬼が騒ぎ出す。「そうそう、表面の美しさしか追わないあんたらにはこの木の良さなんて分らないだろうよ。こいつを生かして、世に出してあげられるのはこの偏屈材木屋だけよ!」高級銘木を買わない(買えない)自己弁解が私に「買う理由」を与えてくれるのです

お蔭様でそんな嗜好の材木屋には、そういう木にシンパシーを感じる木フェチがどんどん集まって来るようになって、更にこちらも増長して、いつの間にやら倉庫はそんな木ばかりで溢れかえっております。意外にもそういうそういう嗜好の若い人の方が多くて、小さな頃から本物の木に囲まれてきた経験が少ない若い世代だからこそ、割れや虫食いなどの上っ面の見栄えだけでない、本物だけが持つ迫力や質感に惹かれるのかもしれません。木だけの話ではなくて、モノに対する価値観が大転換期を迎えつつあるのを強く実感します




今回のダイニングテーブルとTVボードを晴作してくれたのも勿論、大五木材の懐刀である善家雅智君(ZEN FURNITURE)。無垢の家具が作れる家具職人って松山だと、一般の方が想像されている以上に少なくて、善家君は貴重なその中の一人です。住宅着工数が減少した、無垢の家具を求める人が減ったとはいえ、やはり無垢の家具にこだわれる一定のコアなファンはいらっしゃいます。無垢の家具は木取りから始まって製作にそれなりの時間もかかるうえ、善家君のような個人の職人さんだとこなせる台数にも限りがあって、ファンの需要に供給が追い付かない状態。

全国的な傾向とかそんなマクロな話はどうでもいいのであくまで弊社周辺の話ですが、特に春先から初夏まではかなり混雑していて、中には数ヶ月待っていただいていらっしゃる方もいるほど。どうしても腕のいい職人さんに仕事が集中するのは致し方ないところ。そういう状況でしたが、この数年前から愛媛で家具職人として起業する、したいという若い人が急増。そんな人たちが今後の材料の供給先として弊社を訪ねて来られるのですが、その数がもうすぐ二桁に。何が何を導いているのか、何の巡りあわせなのか分かりませんが、愛媛で無垢の家具造りの花が咲きそうな気配。

話を戻しますが、今回はダイニングテーブルとニコイチのTVボード、そして椅子を4脚納品させていただきました。椅子については、独自のノウハウやそれなりの設備が要るため、オリジナルを作るのではなくて柏木工さんや飛騨産業さんなどの大手のメーカー品を仲介させていただいていました。しかし近年それらの主原料となるブラック・ウォールナットタモ材などの高騰により製品単価も跳ね上がり、テーブルなどとセットで提案しづらい状況(価格)になっていました。1脚が6万だと4脚で24万と、他のテーブルなどと組み合わせるとかなりの金額になります。

無垢の家具だからテーブルとかも高額なんだろうと思われるかもしれませんが、無垢の家具は必ずしも高いわけではありません。勿論合板などと比べれば高額になりますが、私としてはビシビシの銘木や高級材よりも、節や小割れや虫穴など一般的には欠点とされるモノでも、それを『木の個性』として尊重したいし、それを受け入れてもらえれば、木の選択肢も広がるし価格も抑えられます。寿司でいえば大トロのような家具が取り上げらる事が多いため無垢の家具は高価というイメージになっています。

しかし実際には無垢の家具にもいろいろな入り口があります。そこさえ間違わなければ、あとは魚心あれば水心です(^^♪その方が求めるイメージに近い材の物語を共に紡げる家具造りが出来たら楽しいし、そもそもそういう部分でしか弊社の存在価値も意義もありませんから。そういう意味で、もう少し値段を抑えらる木の椅子があれば、テーブルなどとセットで提案できるのにと思っていたら、たまたまこの椅子との出会いがありました。フレームはタモ材ですが、座面がペーパーコードになっているので驚くぐらい軽くて、商品が入荷した際に間違って空箱が届いたのかと思ったほど。今回お買い上げいただいたのは座面が黒のペーパーコードしたが、他にもナチュラル色やポリウレタン、アームチェアーなど数タイプ揃っています。これからはテーブルと椅子セットでご提案していきます!

 




木のファンを増やす』というのが材木屋の社会的な使命だなどと、生意気な十字架を勝手に背負い込んでおりますが、永年そんな事を考えていると、その考えにも共鳴してくださる方も触れてきて、ファンが新たなファンを呼び込み、私の知らないところでも徐々に木のファンが増えてきています。それは工務店さんであったり、設計士さんであったり、はたまた木の仕事とは無関係の一般の方であったりさまざまですが、本日ご紹介するのは、新たな木のファン拡大活動に熱心な宇和島市の、『住むほどに発見、暮らすほどに感動。』をテーマに掲げるアンカーホームデザインさん(以下アンカー)。

アンカーの赤松社長とはもう古いつきあいなのですが、ご自宅を建築される際にフローリングや家具などで関わらせていただきました。そのあたりから気づかれぬように少しずつ、木のファンになるべく『洗脳』を開始して10数年。今ではすっかりと立派な木の虜となり、日々木の面白さ、素晴らしさ、楽しさ、快適さなど木の魅力を伝える伝道師として啓蒙活動に邁進されています。そんな赤松伝道師に導かれて弊社にやって来られる人は、既に木のファンになられている方なので、打ち合わせも『共通言語』が使えてスムーズだし、なにより話していても楽しい!

その話の途中にも、更に木への愛情を深める媚薬を少しずつ混ぜ込みながら、脱線と複線を繰り返しつつ長い打ち合わせを経てようやく仕様が決定。作らせていただいたのはダイニングテーブルとTVボード。弊社が納めさせていただいた75㎜の小幅のナラのラスティック・フローリングの床と合わせて、重硬なホワイトオークを選択(されてからご来店)。樹種の選定というのは家具造りの中でも、私にとってもっとも楽しく、腕の見せ所な場面なのですが、伝道師が増えたお陰で美味しいところをすっかり持っていかれてしまっているのが寂しい(笑)

木のファンとして覚醒されると、もうひとつ深い話ができるのが楽しいところで、木の話(幹)から始まり、やがて枝葉へと広がり、生まれや家族、人生なんてとこまで掘り下がっていくと、もう売り手と客とかの関係性は超越。木を愛する同じチームの仲間です♪ところで、ホワイトオークはウイスキー樽の木として有名ですが、比重も0.75とかなり重たい。TVボードは分離式のニコイチで、1台のサイズはL1000×W400×H700㎜で、決して大きなモノではありませんが、これでも棚が入るとおとなひとりでは一台を持ち上げられないほどの重量!明日に続く・・・

 




昨年までは、数年に1回通るかどうかだった淡路島ですが、今年は1ヶ月で既にもう3回目。この春から神戸で仕事に就く長女の引っ越しの関係なのですが、落ち着くまではまだしばらく渦潮の上を走ることになりそう。折角神戸に行くのなら、ついでに神戸に仕事も作っちゃおうという事で、現在作戦を練っているところ。仕事があるので行かねばならないという錦の御旗を掲げれば、堂々と神戸に行けて、ついでに娘のところにも立ち寄る口実になるので、神戸方面でどうにか拠点を築きたい。ただしトラックで走るのはしんどいので、あくまで乗用車で行けるトーク営業先募集~!

まあそんな不純な気持ちでは繋がるモノも繋がらないかもしれませんが、今までみたいに建築関係のところにガチガチの営業をかけようなんて気持ちはサラサラなくて、むしろ神戸であれば異業種の方と繋がりたい。もちろん建築や家具業界でのご縁が広がるならそれに越したことはないものの、関西方面から弊社に来られる木材関係の営業マンの話を聞いていると、関西方面も状況は相当厳しそう。まあ、弊社のようなスーパーニッチはそういう状況の方がむしろ生きる道があるのかもしれませんが。いずれにせよ普通の事をしていればスタートラインにすら立てる隙は無い。

さて、長女の部屋の家具は、一部は松山から運んだのですが、足りないモノは神戸で買おうということで、新居の近くにあるIKEYA神戸に行くことに。気にはなっていたものの、実は今まで一度も行った事が無かったのです。IKEYAどころか、松山にもあるニトリにすら行ったことが無い。合板だから毛嫌いしているとかアレルギーがあるとかいうわけではなくて、ただ行く必要が無かったというだけです。多分、娘の家具を買うという必要が無ければ松山にあっても行ってないかもしれません。まあ話のネタにでもと、行ってみましたが規格外のスケールに圧倒させられました。これが実際売れているのか?!

凝ったディズプレイも凄いな~とは思うものの、娘も見るだけみたけどあまり欲しいモノが無いという事で、買ったのは会社の仕事で使う備品の雑貨を幾つかのみ。周囲を見渡しても、お客さんこそ多いものの、カート山盛りの荷物を積んだような客はほとんどいませんでした。昨年のイケア・ジャパンの業績は、売上高840億9100万円(前年同期比13.5%増)、営業損失9億6200万円(前期は14億4600万円の営業損失)、経常損失8億2400万円(12億7900万円の経常損失)、当期損失30億3400万円(9億7800万円の当期損失)

売上800億で足踏みして遂に赤字に転落。一方で同業のニトリは31年連続の増収増益!売上高5720億6000万円(前年同期比11.5%増)、営業利益933億7800万円(8.9%増)、経常利益948億6000万円(8.3%増)、当期利益642億1900万円(7.0%増。IKETAとの差はいろいろな経済紙等で解説されていますが、あれだけの大きな空間で1個数百円の雑貨がいくら売れてもそりゃあ利益は出ないだろうと実感。大きくモノを売るって事がもう限界が来ている。ひとの意識や暮らし方は間違いなくスモールライフに移行しています。変革期の中で仕事の質も劇的に変わっていきます。

 




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