森のかけら | 大五木材


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わが社に久しぶり『ヒッコリー』がやって来ました。クルミ一族最強の戦士とも呼ばれる(非常に硬い)ヒッコリーが最後に弊社を訪れたのはもう4,5年ぐらい前の話。硬いの強いの言ったところで、クルミ一族の中では老若男女あらゆる世代から支持され絶大な人気を誇るカリスマ『ブラックウォールナット』や、しなやかさと色気を合わせ持ち女性ファンの多い『オニグルミ』などに比べると知名度も低くて、派手なんだか地味なんだかよく分からない木柄や色合いも万人受けしない理由かも。

偏屈材木屋としてはまさにど真ん中のストライクなのですが、一般敵には木の名前というよりも、食べるナッツとしての知名度の方が高いと思われます。材木屋や工務店さんでも、よほど自分から積極的に手当てしようと思わない限り巡り合うことも少ない木の1つです。年配の材木屋さんでも扱った事が無いという人は結構多かったりします。誰が扱ってもその価値が揺るぎないブラックウォールナットの最上級品よりも、扱い方によって価値が生まれる、高まるヒッコリーのような木を扱う事こそ偏屈材木屋の本懐

4,5年前入ったヒッコリーの梱包をバラシてチビチビ売ってきましたがそれも底を尽きました。在庫が少なくなった頃から商社や問屋に対して次のオファーを出していたものの、日本への輸入量自体が少ないので、弊社の希望するサイズ、ボリューム、グレード、プライスに合致するものがなかなか現れず、あれからずっと首を長くして待っていました。今はヒッコリーを使って家具を作っている家具屋もほとんど居なくなってしまい、売れるものしか買わない風潮の中では優先席には座らしてもらえず・・・

ともかく久しぶりにまとまった量のヒッコリーを見ることが出来たので嬉しくなって早速中身も吟味しようと梱包をバラシて倉庫内に立て掛け。長さ3300~3600もののヒッコリー120余枚。この作業は必ず自分一人でやります。作業しながらサイズや木柄で仕分けしたり、自分の目で品質を確認。そして何よりも最初に愛でるひとになりたいのです。久しぶりに担いで立てたら二日ぐらい遅れて全身が筋肉痛・・・。さすがは一族最強最重量を誇る戦士、愛でるにも相応の対価を求められる。




昨日のテレビ愛媛の番組収録の話からのスピンオフ。ディテクターの松岡英治さんが、『エヴァンゲリオン』の庵野秀明さんと同じ大阪芸大卒で、学生時代に8㎜映画を撮っていたという話を聞いて「!」と感じたのは、ちょっと引き寄せ感があったから。私はオタキングこと岡田斗司夫さんが好きで、Youtubeで岡田斗司夫ゼミというチャネルをよく観ているのですが、若き日に岡田さんは庵野さんと出会い自主製作映画を撮ることになっていくのですが、その中で生まれたのが帰ってきたウルトラマン  マットアロー1号発進命令』!

自主制作映画の大傑作として今でも熱く語り継がれています。情熱さえあれば、人間たいていの事は出来るということを私に教えてくれたバイブルのような作品です。収録前にもたまたまそれを観ていたので、松岡さんとの話の中で独り興奮を隠せなかったのです。この映画は岡田さんたちが中心となって作った自主映画の同人制作集団DAICON FILMが作った作品で、主演の帰ってきたウルトラマンを庵野秀明さんがノーマスクで演じられています!

この映画は勝手にウルトラマンを使ったということで円谷プロからお叱りを受けるのですが、全編に溢れるウルトラマン愛と自主映画とは思えない圧倒的なレベルの高さかを評価され、後にビデオ化までされるという伝説の作品です。その時代に志ある映画青年たちが注ぎ込んだ情熱がフィルムからほとばしっています。8㎜フィルムなんて知らない若い世代が見れば失笑するかもしれませんが、大学時代に映画研究部で自主制作の8㎜映画を撮っていた身としては涙モノ。長髪にメガネ(ウルトラアイの見立て)の庵野さんが怪獣と戦う姿はひたすらに美しく尊い。その庵野さんが数十年の思いを込めて、正式に円谷プロ製作の『シン・ウルトラマン』を撮られて、この8㎜フィルムもにわかに再注目されています。

お金さえかければいいものが出来るのではないということは、『森のかけら』作りにも参考にさせてもらっています。そのDAICON FILMが1984年に制作した16㎜フィルムの特撮映画『八岐之大蛇の逆襲』の存在は四国の田舎の映画学生たちの耳にも届いていて、とんでもない自主映画があると噂になっていました。テレビの収録から思わぬ形で、青春時代の甘い思い出が蘇ってきました。あれから30余年、コロナの影響で公開が延期されている『シン・ウルトラマン』を楽しみにしていますが、キャッチコピーの『そんなに人間が好きになったのか、ウルトラマン』を見るだけで熱い思いがこみ上げてくるのは私だけではないはず。今の子どもたちには、その昔われわれがウルトラマンに萌えた思いを理解できないでしょうが。ひとが何かに熱中するのはそこにどれだけの作り手の熱量が注ぎ込まれているか次第




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