森のかけら | 大五木材


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不思議なもので、それまでなかなか入手できなかった木が、なにかの拍子に堰が切れたかのように集まってくることがあるのですが、それがカキ(柿)の木。つい数日前にも戦前生まれのカキを紹介したところですが、今回のカキもそれと同等、いやもっと高齢かもしれない立派な木です。数年前には在庫にあったカキが底を尽いて、しばらくの間『森のかけら』でも欠品状態が続いていたのが嘘のようにカキが集まってきていて、もうこれで当分の間はカキで心配することはなさそうです。

今回のカキは形が面白そうだったので、その一部を輪切りに挽いてもらいました。そしたら予想以上にいいものが取れて大満足!ただしこの時期、樹皮をつけたままにしておくとすぐに虫や腐朽菌の発生原因となるので早めに剥がしておく必要があります。伐採してすぐに製材したため、樹皮にきっかけさえ作ってやれば簡単に樹皮を剥くことができます。とはいえ表面の凹凸が激しく思っていた以上に時間がかかったのですが、やり始めたら止まらなくなるのがこの樹皮剥がし。2時間かけて全部剥がし終わりました。

これはなかなかイイものが出来たぞ~と独り悦に入ってしばしの間撮影タイム。『都市林業』で手に入ったこれぐらいサイズの木を輪切りにしたり、変形した形や棘を生かすように樹皮を剥ぐことって多いのですが、その先の「出口」とうまく連携できておらず、できあっがって楽しい、の自己満足で終わっているのが現状。それからこれをどういう形で「商品」に昇華させていくのか試案しているところです。そしてなによりも問題はこれをどうやってうまく乾かせられるかという事。

時には芯を抜いたり樹皮のあった部分をボンドで固めたりいろいろやってはみるものの、その時々で樹種も異なれば木のコンディションも変わるのでこれならベストというやり方が分かりません。当たって砕けろで、砕け散ってしまう方が多いのが現実です。折角手に入れた珍品なのでうまく乾かしてひとの目を楽しませるものに仕上げたいのですが、さあうまく乾いてくれますかどうか。出来ることならこの瑞々しい色も水分をたっぷり含んだ木肌の滑らかな触感も永遠に閉じ込めておきたい気分。




今日のかけら番外篇・E051ヒマラヤ杉Himalayan Cedar   マツ科・針葉樹

週刊誌やテレビのワイドショーの芸能人のゴシップにはほとんど興味が無いのですが、たまたまだとは思うのですがちょっとだけ気になる話がありました。それは先日亡くなられた俳優の田村正和さんの話。訃報が伝えられたのは死去から1カ月半後だったそうですが、自宅で療養中に奥様と近所の公園を散歩される姿が目撃されていたそうです。その公園には大きな『ヒマラヤ杉』が植えてあって、その前に立ち止まり二人で灌漑深くヒマラヤ杉を眺められていたのです。

ヒマラヤ杉の花言葉は『あなたのために生きる』である、という内容の記事でした。ご夫婦がヒマラヤ杉の花言葉をご存じだったか、どういう思いで眺められていたのかを知る由はありませんが、ちょっと胸にグッと来る話でした。このエピソードが気になったのは、その木が『ヒマラヤ杉』だからというだけではないのです。実はその日の午後に初めてご来店された中年のご夫婦が倉庫内を巡られて、数日前から発売を始めたばかりの『ヒマラヤ杉の小枝の輪切り』をお買い求めいただいたのです。

その夫婦はその記事を読まれて『ヒマラヤ杉』を探されていて、たまたまSNSか何かで弊社の『ヒマラヤ杉の小枝の輪切り』を見つけて、それ目的でご来店されたのか、あるいはたまたま偶然で田村正和さんの事はご存じなかったのかもしれませんが、小枝の輪切りの他にも数ある中でヒマラヤ杉の端材も合わせてご購入されたので、偶然にしてもヒマラヤ杉がとりもってくれたご縁です。そのヒマラヤ杉も次の『森のかけら400』には加える予定です。原産地はアフガニスタンからネパール西部にかけてのヒマラヤ山麓地域です。

景観植栽の樹木として人気で世界中に広がり、コウヤマキ、ナンヨウスギとともに世界三大庭園木とも呼ばれ、町の中の公園などにも結構植栽されているので、用材として見たことは無くても立木としては見たことがある人は多いと思います。スギの名前がついていますが、植物学的にはマツ科ヒマラヤスギで、スギよりは末の仲間に分類されます。日本には明治初年に渡来しましたが、その後急速に全国に広がりました。それだけあるのだから多少は用材として流通してもいいと思うのですが、典型的な『町の木』なので『都市林業ルート』でないと得にくい木です。この木の学名はdeodara(ディーアダー)と言いますが、これは「神々の木」を意味するサンスクリット語のデヴァダールに由来しています。これからヒマラヤ杉を見るたびに名優・田村正和さんの事を思い浮かべそうです、合掌。

 




先日の『都市林業』でうちにやって来てくれたのは、戦前生まれのカキ(柿)の木。松山市内の個人にお宅の庭にあったのですが、事情があって伐採したものの一部です。持ち主の方は90歳を越える高齢の方なのですが、その方が生まれた時にさる方からお祝いにいただいた苗木を大切に育てられたもの。庭木なので几帳面に剪定を繰り返して大きくなり過ぎないように管理してきたので、直径は300㎜にも満たないものの小口を見れば恐ろしいほどの密度!90年の月日が凝縮されています!

木の大きさと時間は比例すると思い込みが強くて、直径の小さな木は若いと考えがちですが、木の大きくなるスピードは樹種や環境によって大いに異なります。学校や公園などによく植えられているメタセコイアはブクブクと太るので、見かけは大きいものの年輪幅は非常に粗くて、以前作った『森のかけら』だと35㎜の幅の中に年輪が1本しか入らないなんてこともありました。寒冷地で育つ木は太くなくても中身がギュッと締まっていてよく目の詰まった材が得やすい傾向にあります。

このカキは、高齢のカキの木にありがちな洞や腐りもほとんどなくて、余程大切に手入れされてきたのだろうという事が伺えます。近くの農家の方からも伐採したカキの木を分けてもらう事が増えて、昔はなかなか手に入れる事が出来ずに苦労していましたが、今はお蔭様で『森のかけら』用の素材としては充分な量が集まりました。ただしカキの場合は、そこから先の歩留まりが極端に悪いので安心は出来ません。手に入ったら早めに小割角に製材して、桟をいれて天然乾燥させます。

しかしカキはねじれやすい傾向があるのと、そもそもそれほど大きく通直な材が得れるわけではないので、乾燥中にねじれや反りが出てしまいます。折角タンニンが浸出してていい感じに黒くなっている部分が割れたり、フルーツウッドの宿命である虫による食害も少なくありません。最終的に乾燥して使える部分は僅かになる事が多いのですが、この戦前生まれのカキに木の素性もよくて食害は見られません。このままうまく乾燥すれば、念願だった『(90年ものの)カキのりんご』が作れるかも!




少し前にたまたま縁があって弊社にやって来てくれてボンデロッサパインの平板の梱包。結構なボリュームがあって、あまりにポピュラー過ぎて得意ではないのでどうやって売ろうかと思案していました。しばらくは提案してもなかなか話がまとまりませんでしたが、そのうちパラパラと売れていきました。大きめの節はあったものの、訳ありだった事もあり廉価で汎用性も高いので、住宅の造作材から店舗の内装などいろいろな用途でお使いいただきました。その出口の1つが書アート

昨年出会ったデザイン書道家の書Art・美結(みゆう)さんは、書道に和モダンを取り入れて企業のロゴや商品ロゴ、看板などを手掛けられています。弊社に来店された際に、山積みされた端材を見られて「宝が眠っている!」と目をキラキラと輝かされていていました。こちらも同族(ビーバー)の匂いを感じ取りました。試しに端材に筆を走らせてもらうと、それまでただの「素材」としか映らなかった端材が途端に「昨品」に仕上がってではないですか!それから私の中では、書も端材の新たな「出口」となってのです。

美結さんの書アートは、クライアントの要望を聞きだして、墨汁だけでなく特殊な墨も使ってその人なりの、その商品なりのデザイン文字を創造し描かれます。いろいろな木で試してもらったのですが、墨や筆との相性もあり、数ある木の中で、軽量で値段も安く、描きやすく、筆のノリもよく、文字映えもするということで選んでもらったのがポンデロッサパイン。黄白色であっさりした杢がほどよく文字を浮き立たせます。パインの中でも比較的ヤニが少ないのも選ばれた理由のひとつ。

表札のサンプルを数枚描かれたのですが、その中に「高橋姓」も描かれていたので、まんまと釣り糸に喰いつかせていただき、我が家用に購入させてもらいました。これはサンプルですが、実際にお願いすると、2~3枚の異なるデザインの書から選ばせてもらい、決まった書はデータ化してさまざまな展開も出来るようです。なのでこの「高橋」もこの1枚限り。1文字ずつが唯一無二という点では木材にも相通ずるところがあって、1点限りの木と書のコラボ。ビーバー隊にまたひとり、書アートビーバーが加わりました。




 

およそ数百個のイチョウ小枝の輪切りが出来ましたが、これが出来るという事は当然同時に発生するのがおが(おが屑という呼び方は極力したくない)。もちろんこれもしっかり採集して乾燥させてます。イチョウのおが粉はほとんど真っ白で、色だけで言えばパンチがありません。しかしいろいろな種類のおが粉を集めて来たコレクター視点から見れば、これほど白いおが粉って案外珍しいのです。枝の樹皮の状態や時期にもよりますが、黄味色を帯びていたり茶褐色だったりと多少色がついているもの。

樹皮ごと切断するので、どうしても多少は樹皮の粉も取り込んでしまい、白っぽいおが粉の中にも茶色いツブツブが混じってしまう事が多いのですが、イチョウはまそれがあまり多くなかった事もあり、白っぽく見えるのかもしれません。それはともかくこうして都市林業で得た小枝はカットして小枝の輪切りとおが粉『森の砂』を作っているわけですが、それも結構溜まってきました。色もカラフルになって種類が増してくるとコレクターの魂の琴線にも触れようというもの。なのでもっと種類は増やしたい。

しかしこれが30種類も越えてくると在庫の保管場所に頭を悩ませることになります。作っていたら自分の方が先に魅入られてしまい(ほぼいつものパターン)、もっともっと種類を増やさねばという強迫観念に支配され、売れるかどうかなど関係なしに増産体制に入ってしまいます。確かに種類が増えれば(しかも極端に)シンプルなモノでも『集合体としての魔力』が生まれる事は『森のかけら』で実証済ではあるものの、そういう論理で『森のりんご』も『森のたまご』も『森のしるし』も『円い森』も『円き箱』も増やしてきてしまい、ストックヤードは満杯に・・・。

本来は、作りながら売れる、売れるから作る、理想なんですがいろいろな木がズラリと並んだ壮観な姿こそが、コレクターの魂に火をつける着火剤だと信じている(自分ならその姿を見て買いたいとなるから、他人もきっとそうだと思うという勝手な決めつけ)ので、まずは揃えようとなってしまうのです。しかしそうやって多くの商品を作ってきたため、コレクターの魂の導火線に火がつく前にストックヤードのスペースが無くなってしまいそう!売れ始めるのが先か、保管する場所が無くなるのが先か!?




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