森のかけら | 大五木材


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レジン用木材ありますか」という問い合わせがこの数ヶ月で急増!レジン(RESIN)とは植物から生じた「天然樹脂」の事です。水に溶けにくいという特性を生かして、古来よりニスとして使われてきました。天然樹脂の仲間としては、野球でピッチャーが使う滑り止めのロジンバックに使われるロジン(松脂)とか、映画「ジュラシックパーク」で恐竜復活のトリガーとなった琥珀、日本古来の柿渋などがあります。人工的に作った液体状のレジン(合成樹脂)による、いわゆるレジン工芸が人気なのです。

レジンと木材との相性がいいみたいで、割裂した木材の間に青いレジンを流し込んで固めて河のように見立てる作品などが、インスタグラムで投稿され人気を博しています。アートとして販売されているものから、個人が趣味として作っているものまださまざまな作品がSNSに氾濫しています。ナチュラルな木の耳の部分を活かした作品も多く、その材料を求めて全国各地から問い合わせをいただいております。そこで求めれているのは、なるべく変わった形のナチュラルな耳があるもの。変化が激しければ激しいほどいい。

最終的にはレジンで固めてしまうので、少々割れがあったり、節や傷、虫穴、腐朽菌による腐り、変色、青染みなども問題なし!つまり弊社の土場に積み上げれて、いまだ出口が定まらず迷走している木々たちが求められている時代がやって来たのです!まあその中でも画になるカタチが重要なので、なんでもかんでもいいというわけではありません。しかしこの「画になるカタチ」というのがミソでひとそれぞれ感覚が異なるので、レジン作家が増えれば増えるだけストライクゾーンの端も広がっていきます。

そうしたらソフトバンク・ホークスの柳田選手のような「変態打ち」をする人も出てきて、今まで日の目の当たらなかった耳付きの変形端材が急に人気者になる日がやって来るかも?!こういった耳付きに変形は、形のいびつな丸太を挽けば端の部分で生じてくるものですが、建築や家具の世界では用無しとされ、流通市場ではほぼ黙殺されます。しかしそれでも何かに使える道はなかろうかと、ずっと貯めてきたものがこういう形で人様に求められるというのモッタイナイ神様のお導き!端材に神宿る。




少しずつですがモザイクボードにもリピートの注文が入ってくるようになり、時間を見つけては原材料の加工をしています。意匠的にもなるべく身近な材で繋ぎたいのですが、両端をフィンガージョイント加工する関係であまり極端には短くできません。身近な材の加工の危うさは、昔に右手の人差し指の先端を怪我して痛いほど分かっています。ただし、多少は長さを整えたり梱包の関係でどうしても切り落としが発生してしまいます。それを集めて作ったのが、『モザイク(ボード)のかけら

森のかけら』のB品から生まれた『夢のかけら』やんか、と思われるかもしれませんが、『夢のかけら』はあくまでも『森のかけら』になる事が叶わなかった『かけら』たちの見果てぬ夢の結晶。対してこちらは『モザイクボード』の製作工程生まれなので、出生の事情が違うのです。更に微妙ですが、35㎜キューブの『夢のかけら』に対して、こちらは少しだけ小さな33㎜キューブ。オイル塗装は施してあるものの、樹種名シールが無いの木もあるのでシールは貼りません。樹種名は不問です

角の面取りも甘めです。キャリーに2箱ぐらい出来たので、本日から店頭で販売します。ちょうど35個詰めに出来るビニール袋があるので、どの樹種でも(かぶってもOK)好きなモノを35個選んでもらって¥2,000+消費税=¥2,200です。『夢のかけら』のように異なる木を30種とかセレクト出来ないので、ご来店いただいて自分で選べる方のみが対象です。オンラインショップでの販売予定はありません。様子を見て反応がよければまた作りますが、鈍ければ別のモノに生まれ変わらせるかも。

自分が多樹種マニアコレクターなので、これに興味を示す方の気持ちは痛いほど分かっていて、恐らく「これで樹種が分かれば(買うのに)!」という方が絶対いるはずです。気持ちは分かるんですが、さすがにそこまでもう手が回りません。出来てくるモノと出るモノとのバランスでみると、とりあえず回転させる商品も必要です。樹種が知りたい方はぜひ『森のかけら』を買って自分で確識別てみて下さい。樹種もどんどん増えてきたので、「自分で調べる楽しみ」もあっていいかなと。




このシリーズ、思いがけず長編になってしまっていますが、最後はブラジル産のブラッドウッドこと『サッチーネ』。もともとはその強靭で並外れた耐久性を有するという特性を活かして外部のウッドデッキに使うつもりだったものの、実際に手にしてみると人工的に作ったとしか思えないような鮮烈な赤色に魅せられて、ウッドデッキにしてその色を太陽に捧げるのは耐えられず、結局今まで一度もウッドデッキに使ったことはありません。それで今までは主にクラフト細工象嵌細工などの装飾的な用途に使ってきていただきました。

今もその端材は少しずつオンラインショップで販売しているのですが、その大鋸屑さえもモッタイナくて商品化した『森の砂』にも最近ようやくお声がかかってくるようになりました。オンラインショップで買っていただく場合は、用途まで確認できていませんが、恐らく草木染めが主な用途だと思いますが、アロマなど木から香りを抽出した商品を作られている業者の方が、いろいろな木の匂いを調査するのにご購入いただいた事もあります。先日、そんなサッチーネに意外な分野からお問い合わせがありました。

それは北信越の方でを製造している会社からで、今まではインド産のマメ科の紅木という木が定番で使っていたのだけど、良質な紅木が少なくなったうえに価格が高騰してしまい、それに代わる代替材としてサッチーネにお問合せしていただいたのです。その何がシンクロニシティなのかというと、その問い合わせがあったのが、ちょうどこのブログで以前に書いた『キリ(桐』の項目を再編集している最中でして、キリの用途の1つとしての琴について調べているところだったのです。あまりのタイミングに驚きました!

そもそも琴は中国が起源で、空から龍が舞い降りて来た寝そべった姿をイメージしているとされていて、龍頭とか龍尾、龍眼、龍腹とか部位に龍の名前が付けられています。今回、探されていてのは、弦を支えている龍角などの部位だったみたいで、見た目の装飾性としての赤味だけでなく、優れた摩耗性も求められます。そこで鮮血のように赤くて堅牢なサッチーネに目をつけられたので、端材を購入していただき実物で確認していただいたのですが、どうやらお眼鏡にかなったようで、




昔、ある雑誌で「無人島に1本だけ映画のDVDを持って行ったもいいとしたら何の作品を持って行くか?という企画があって、私より少し上の世代の1位は圧倒的に『燃えよドラゴン』でした。無人島に電気があるのかなどという野暮な事は言いっこなしで、あくまでも擦り切れるほどその作品を観続けたいという純粋な映画愛(偏執狂的な)を競うランキングです。それぐらい熱狂的なファンに支持されたのが『燃えよドラゴン』という作品で、主演の李小龍(ブルース・リー)はこの1作で一気にスーパースターとなったのです。

ブルース・リーが格闘の際に発する「アチョー」という独特の叫び声は「怪鳥音」(かいちょうおん)と呼ばれ、ブルース・リーの代名詞となりました。その怪鳥音と華麗なるヌンチャクさばきに魅せられた少年たちは誰もがそれを真似たものです。棒っきれを紐でつないで簡易ヌンチャクを作って、あちこちにぶつけながら自己流の奥義に酔いしれたあの日・・・。ヌンチャクは少年にとって絶対的な強さの象徴であったのです。そう、ヌンチャクさえ手にしてアチョーと叫びさえすれば誰もがリーになれたのです。

そんな遠い少年の日のヌンチャクが突然持ち込まれた来たのは数日前のこと。『燃えよドラゴン』でヌンチャクの存在を知ったので、てっきり香港か中国発祥の武器だとばっかり思っていましたが、実はこれ沖縄の琉球古武術などで用いられる武器だったのです。弊社に持ち込まれたのは、悪と戦うための武器としての売り込みではなくて、近くにある沖縄空手・古武術の道場の方が、補修というか長さの切断加工の依頼に持って来られたのでした。ヌンチャク以外にも木製の武具がズラリ。一見すると映画の撮影の小道具のようでした。

警察官が使う警棒が昔は木製(今は強化プラスチックなど)でカシが使われていたのは知っていましたが、ヌンチャクが何の木なのかについては考えたこともありませんでした。なぜだかヌンチャクはヌンチャクという事で完結していて、その素材まで考えた事もなかったので、その素材がカシと聞かされると、材の特性から考えればそれはもっともながら、改めてそういう出口もあった事を認識しました。一般的にはシラカシアカガシが使われているそうですが、使っているうちに先端が凹んだりささくれたりするので、少しだけカットして面を取って欲しいとのご依頼でした。

年末には同様の補修依頼で、餅つきの杵がよく持ち込まれるのですが、ヌンチャクは初めてでした。太鼓の撥(バチ)にもするぐらいですからヌンチャクなどの武具にも最適な素材なのでしょうが、一緒に持って来られた武具の中にはシラカシ以外のモノとしてはビワ(枇杷)がありました。高級なモノにはビワも使われるそうですが、大きなサイズのモノは相当に高額らしいです。現在準備中の【森のかけら400】にもビワを入れようと考えていたのですが、よもやこういう出会いがあるとは!シラカシ、ビワの出口にヌンチャクもしっかり覚えておきたいと思います。




火縄銃を直しているんだけど樫の木ってありますか?」ちょうどテレビで『麒麟がくる』を放送していたので、NHK関係者から?などと勘繰ってしまいましたが、全然関係なくて松山市内で火縄銃の補修作業をされている方からのお問合せでした。堅牢で耐久性があって粘りがあるので、銃床に使うと言われれば納得なのですが、不意に『火縄銃』という言葉が出て来たのでビックリしました。図鑑などにはその用途に書かれているのを見たことがありませんが、『火縄銃の銃床』というのも立派なカシの出口です。

よくよく訊いてみると、火縄銃の新品を作っているというわけではなくて、昔の火縄銃を修理されているとの事。東京の美術館とか愛蔵家から修理を頼まれるそうなのですが、今は銃刀法で管理が厳しく規制されていて、当時と同じ素材で修復しないといけないそうで、その方はカシの木を求められていたのです。いくらか在庫は持ったいたもののそれが心細くなってきたので、サイトで見つけた近場の弊社に声をかけていただいたのでした。火縄銃って、歴史の教科書で種子島から伝来しましたと習った遠い存在でしたが、まさかこういう形で邂逅するとは。

火縄銃というと昔の小柄な日本人が使っていたのだから小さな銃というイメージがあったのですが、実際は銃床がパーツになっていないので長さも1500㎜必要という事で弊社の在庫では対応できず。しかも柾目の素性のよいもので乾いていないと駄目ということで、九州の樫専門店さんから分けていただきました。銃床の場合は、意匠的に好まれる虎斑(とらふ)は強度が落ちるのでNGだそうです。また材種も仕様によって、アカガシ、シラカシ、アラガシなどを適材適所に使い分けられるみたいなのですが、今回はシラガシでした。

こういう風にその方たちにとっては昔から普通にカシの木を使っていた出口であったのに、その存在自体がマイナーな事から一般的に知られていない事も沢山あると思います。特にインターネットで全国と情報が繋がるようになった昨今では、今までは知らなったような出口と不意に繋がることがあって面白い。しかもその出口が案外身近なところにあったりすると、今まで知らなかった事がモッタイなく思えてしまう。さすがに火縄銃は今後広がっていく可能性は高くないでしょうが、その木ではなければならない出口は大切!




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