森のかけら | 大五木材


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昨今のウッドショックで入手が難しくなっている北米材。その中でも大きな比重を占めているのがダグラスファー、いわゆるベイマツ(米松)です。今更ですが、簡単に説明すると米松という名前からいかにもアメリカのマツというイメージがありますが、厳密に言うとマツ科トガサワラ属に分類されます。日本のアカマツやクロマツはマツ科マツ属で、正しく言えば「アメリカトガサワラ」という事になります。しかし現在はこの本家のトガサワラの方がほぼ見かけることの出来ない希少材となってしまったので非常に説明がしづらい💦

トガサワラについては改めてご紹介しますが本日はベイマツについて。産地はカナダからワシントン、オレゴン州にかけての太平洋岸の丘陵地帯で、昔から植林がされて計画的に伐採が行われています。現在日本に輸入されているのはその多くがセカンドグロス(2次林)といって植林されたものです。恐らく若い人はそれだけしか見たことがないと思うので、ベイマツというと温暖なところでブクブク太った目荒な木というイメージがあるかもしれません。

しかしかつてはオールドグロスと呼ばれる原生林の高齢木が流通していて、その木目の美しさには惚れ惚れしたものです。オールドグロスのベイマツは、バンクーバー島およびカナダ本土のカスケード山脈の太平洋沿岸から、ワシントン州のタコマ周辺に及ぶ限られた一帯から産出されます。この一帯は気温が低く、目の詰まった良質な木材が生育するには最適な環境なのです。その山脈の名前にちなんで『カスケード』とも呼ばれます。それよりもやや目の粗いものを『セミカスケード(セミカス)』と呼んで区別もされていました。

 

そのカスケード材の中で杢の整ったものは化粧合板に利用されました。その製造方法が料理にリンゴの皮むき器(ピーラー)に似ていることから、化粧合板にも使えるような良質材のカスケード材を『ピーラー』として分類していました。私が若い頃は松山市内にもそんなピーラー材を専門に挽く製材工場もあって、化粧桁や化粧梁、化粧垂木など「木を現(あらわ)しで使う」家には欠かせないものでした。今やそんなピーラーも死語に近い存在になりつつあるようで、若い設計士さんの中にはピーラーの実物を見たことがない方も・・・続く➡

 




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