森のかけら | 大五木材


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毎月5日は大五の日』と銘打って毎月5日に、一般の方向けに端材や木工品を特別価格で販売させていただいています。『木のもの屋・森羅』で一般の方とのやり取りの多い家内の発案で、今年の1月から初めて早半年。最初のうちは材木屋が何をやっているのかと訝しく見られていたのですが、少しずつ定着してきて次回の開催を楽しみにしてくださるリピーターも増えてきました。今後は継続していきながら、どう新機軸を打ち出していけるかが課題ですが、この企画の元ネタになっているものがあります。

このブログでも何度か登場していただいる石川県金沢市(株)ムラモトの『銘木市』がそれです。全国各地の木材市場などに出向いては、国内外の木を買い集めている村本喜義社長は、集めてきた木材を大工さんや工務店さんなどを対象に販促会を開くことを決意。『毎月22日は銘木の日』と銘打って『銘木市』を開催されてきました。根気強く回数を重ねてきた結果、まだ北陸で広葉樹の市場を根づかせたのです。請求書にいつも『銘木市』のチラシが同封されてくるのですが、月日を重ねて通算で130回を突破!

まさしく継続は力!最近は銘木市のライブ配信にも取り組まれています。動画の配信のついては賛否あったようですが、新たな取り組みに反発があるのはつきもの。村本さんはリスクや批判も承知でやってて、言いたい奴には言わせとけスタイル。この業界、自分では動かないくせにひとの批判にばかり長けた奴が多過ぎる!新しいことや目立ったことをするひとを叩くのは、いつまでも昔の成功体験から抜け出せない保身のベテラン連中。村本さんは私より6,7歳年上(確か?)ですが、いつまでもチャレンジャー!

うちには仕入れた木材を一堂にズラリと並べられる大きな倉庫もそんな在庫もありません。でもこういう継続的な企画は大事だという事は、手書き通信紙『適材適所』を20数年書いてきてよく分かっています。なのでうちは毎月特定の日に必ず開催するという形を真似させていただき、普段は入りにくい材木屋の倉庫を一般の方にも開放して覗いていただこうという趣旨で『大五の日』を始めたのです。えっ?近所にイオンのマックスバリュー店があるから、『毎月〇日は〇の日』をパクったのでは?と、と、とんでもないっ💦




倉庫内の「端材コーナー」を整理して2年ぐらい経ちますが、そのお陰で端材を求めてご来店される常連さんも増えてきていて、中には遠方から定期的にやって来られる方もいらっしゃいます。そういう方のためにも、本当は展示品をもっと入れ替えたいのですが、ストックヤードの問題もありましてなかなかそれが出来てなくてご迷惑をおかけしています。いろいろとやりたい企画はあるのですが、価格シールを貼るのも追いついていない有様。せめてものお詫びにと、毎週特価品を用意してご来店いただけるお客様向けのサービスを始めてみました。

端材コーナーを作って感じるのは、この周辺にもこれほど多くのアマチュア木工家がいたのかという事。隣の町内だったり、ごく身近なところで木を使ったものづくりをされている方がこれほど沢山いたのかという事に驚いています。その多くは趣味で作っている方がほとんどですが、中にはSNSで販売までされているセミプロのような方もいます。その中で、もう技術はアマチュアではなくてプロフェッショナルレベルに達しているのが、SNS でのビジネスネームが『木工雑貨 Dee』さんこと門屋さん。

本職は畳職人だったのですが、木工好きが高じて華麗に木工作家に転じられました。誰かに師事したり、専門学校に教わりに行ったというわけではなくてすべて自己流。ブローチやアクセサリーなどの精緻な小物から始まり、今では家具なども作られており、もうすっかりプロ。それだけで飯が食えればそれはプロという事です。ご自宅は近所なのですが、工場として使われている建物が少し離れたところにあって、時々ご来店されて必要な量だけ購入してもらっているのですが、その間隔がどんどん短くなってきているので順調に仕事が入ってきているんだと思います。

とにかく仕事が丁寧で、材も余すとこなくキッチリ使われます。まだ使われている樹種数は少ないので、これから樹種の底なし沼に引きずりこんでさしあげようと思っています!そんなDeeさんの商品が、近所の本屋さん「明屋書店MEGA平田店」内で『わたしのてしごと』展として、いろいろな素材でものづくりをされている地域のアマチュア作家さんと一緒に展示販売されています。期間限定で1ヶ月ごとにメンバーも入れ替わるようなので、ご興味のある方はぜひ今月末までに行ってみてください!




コロナ禍の影響が大きいと思うのですが、最近やたらと自分でウッドデッキを作りたいという方がお見えになります。中には拙ブログを読み込んでいただいて、「お薦めのハードウッドで作りたい!」という猛者もいらっしゃって、小説「坊ちゃん」の主人公のような親譲りの無鉄砲な方は全面的に応援させていただきます。いかにハードウッドが重たく、硬く、痛く、インパクトのビットは折れるわ、粉塵で喉はやられるわ、あなたが挑もうとしているのはそんな強大な相手なんだと警告します。それでも果敢に戦おうとする勇者が大好き!

勇者よ、ならばともに戦おうぞ!と畏敬の念を込めてハードウッドの説明をさせていただきます。一方で、雑誌やテレビで観たんだけど、私でも作れるかしら?なんて軽い気持ちで地雷原に踏み込んで来られる無謀な方もいらっしゃいます。ウッドデッキがどういうものなのか理解されているのか尋ねると、すべての部材が㎜単位で加工、カット、穴あけ、塗装までされていて、印刷された施工手順書を読みながら、あたかも通販で買った本棚を作るがごとくの作業で組み立てられると思っていらっしゃる。ええ、世の中にはそういうウッド風デッキもあるのかもしれません。

ただ、うちにはそういうものはございません。ひと汗かきながら、汗を拭ったタオルや腕にハードウッドの木粉がびっしり付着して、何度か材も落として指には血豆が出来、時に鋸が食いこんだり、ビスの頭がバカになったりしながらも、完成の暁にはゴロリと寝転がらずにはいられない満足感と多幸感に包まれるようなそんなやんちゃで手間がかかるけれども愛さずにはいられないような個性溢れるハードウッドしかございません!先日もそんな苦難にあえて飛び込みたいという勇者が名乗りをあげました。

勇者の名前は林豊さん。数年前にひと癖もふた癖もある愛媛のものづくり師たちが期間限定で集まった奇跡のプロジェクト『えひめのあるくらし』のメンバーです!林さんは愛媛県今治市大三島という風光明媚な場所で一棟貸コテージや自家栽培のみかんや柑橘を使ったジュースや蜂蜜の販売などをされています(海sora&花結)。高台の自宅からは瀬戸内の海が眺められ抜群のロケーションです。そこウッドデッキを改修するにあたって、潮風にも強く長持ちできるウッドデッキを作りたいと果敢にハードウッドに挑まれたのです。そして見事に完成!この写真だと伝わりにくいかもしれませんが、奥行きこそ1m程度(掃き出し部分は2m)ですが、長さは延べにして11mもあるのです!ウッドデッキの施工面積として15㎡(およそ5坪)もあるのです!

ハードウッド初心者にしてはかなりの難関ですが、勇者はそんな事でたじろぎません。とはいえ少しでも施工しやすい材をという事で、床材には『ムイラカチアラ』を選択(大阪出身の林さんに対して、タイガーウッドの別名を持つこの木を選ぶという私なりの隠しテーマ)。大引はマニルカラアマゾンジャラ)。足元部分だけは大工さんが施工しましたが、床材は林さんが単独施工!インパクトビットを15~16本も折るなどかなりの労苦があったようですが、得られた満足感はこの笑顔が物語っておられます。




前回、幅1m超えの『イエローポプラ』の一枚板をアップしたところ予想以上に反響がありまして、購入を考えているので他の板も見たいというリクエトまでいただきました。やはりこういうサイズの一枚板は気持ちがたかぶったまま見に行くと勢いで買ってしまいかねないので、落ち着いてよく検討したいという事で、弊社としては手の内を見透かされてしまっているのですが(笑)。いずれにせよしっかり納得してかっていただくのが一番なので、このシリーズはお見せできるビックサイズがある間は続けていくつもりです。

という事で本日ご紹介するのは『トチ(栃)』の耳付きの一枚板。形がなかなか個性的なのが共木で5枚揃っていたのと、サイズ感に惚れてまとめて買ってしまいました。木との出会いも一期一会ですので、見た瞬間にビビッときたものは、後から後悔しないように買うことにしてます。長さは2500㎜、形は極端なテーパーで狭いほうは900㎜前後ですが、広いほうは1200とか1300㎜あります。普通の感覚だと、こんなサイズのテーブル置く部屋なんかないわい!と思われるでしょうがそうでもないのです。

間仕切りの無い大きな空間を作って、そこに大きなテーブルをド~ンと置いて、食事だけでなく家族みんながそこに集まり、お父さんのパソコンからお母さんの裁縫から子どもの勉強から全部大きなテーブルを使ってやりたいという方が多いのです。そういう場合だとこれぐらいのサイズでちょうどいいのです。ただしあまりに高額なものは・・・勿論承知してます!生地が白黄色なので分かりにくいかもしれませんが、よく見ればこの栃には全身に小さな黒い点があります。これは、ピンホールといって小さな虫が穿孔した跡なのです。

更に辺材の白太部分には、腐朽菌によって出来た黒い筋状の模様(スポルテッドも見受けられます。普通の材木屋だと形やサイズはよくても、このコンディションだとスルーするような木なのでしょうが、私にはピンホールもスポルテッドも、この木が懸命に森で生きた履歴書に見えて愛おしくてたまりません!杢が整っていて無節で傷や虫穴ひとつ無い無欠点の『銘木』は、有名ブランドのオシャレな服のようで私などには似合わいもしないしどうにも窮屈で落ち着かない💦。そもそも弊社のような零細材木屋が扱うようなものではありません。

荒材の時には誰にも見向きもされなかった木を、ビシッと仕上げて皆が惚れ惚れすつような家具にして世に出したい。そう、いわばオードリー・ヘップバーンの名作映画「マイ・フェア・レディ(My Fair Lady)」の木材版です!下町生まれの粗野で下品な言葉遣いの花売り娘イライザ(オードリー)をレディに仕立て上げるかどうかをめぐって繰り広げられるロマンティック・コメディですが、この例えってもしかして若い人には伝わらないのかも・・・。まあ何はともあれこの栃の『森の履歴』に共感し、末永く愛でてくれる人との邂逅を気長に待ちます。




先日の日曜日に広島からお客様がご来店いただきました。その数日前に会社に電話がかかってきていたのですが、家内が電話で話させていただいていたので、私はその日に来客があるという事しか知りませんでした。私はてっきり、日曜日なので観光かあるいはなにか用事があって愛媛に来るので、それならついでに前から気になっていた材木屋にでも寄ってみようか程度のノリだろうと勝手に思い込んでいました。遠方から『木のもの屋・森羅』で扱っているクラフト商品を求めてご来店される方も少なくないからです。

ところが約束に時間にやって来たのは、大工道具を積んだ仕事仕様の一台のワゴン車。中から出てこられたのは広島市内で建築の仕事に携わっておられるKさん。SNSで『森のかけら』の事を知って一目惚れして、どうしても現物が見たくなったので、そのためだけにわざわざ広島からご来店いただいたのでした。東日本の方とかは、広島と愛媛というと瀬戸内海を挟んで対峙している地図のイメージからなんとなく「近い」と思われている人が多いようですが、実は意外と遠いのです。

広島県庁から愛媛県庁までだと、しまなみ海道を通っておよそ200キロ弱。高速道路を使っても3時間はかかります。往復6時間かけて、『森のかけら』のためだけにやって来られたのです。しかもよく話を伺うと、今年はお勤めの建築会社の業績が良くて会社から臨時ボーナスを貰ったので、そのお礼に会社の社長に『森のかけら36』をプレゼントしたい、と仰るのです・・・号泣!ご本人も仕事ではそれほど多くの樹種を使うわけではないけど、知識・情報として知っておきたいので自分の分も買いたいと。

しかも、社長に贈るものと同じ樹種で揃えたい!初めてお会いしたので実態は存じ上げませんが、さぞかし雰囲気がよくて社員からの人望厚い社長が経営されていらっしゃるのでしょう。それでいつも以上に熱量を込めて木の話をさせていただき、二人でどれを入れる、どれを外すと36種のセレクトに喧々諤々。新広島市民球場の外野テラス席に使ってあるピンカドは外せませんぞ!厳島神社クスノキは必須などと作り手冥利に尽きる楽しい時間を過ごさせていただきました。頑張れ、カープ!




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