森のかけら | 大五木材


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10数年前にたまたまご縁があって、廃業される木工所から10トン車10数台分の木材がうちにやって来ました。積み上げられた膨大な量を目にした時には、果たして全部売り切れるのだろうかと不安にもなりました。先方が昔から在庫していたもので、古いものだと30数年前に仕入れたものもあるなどかなり年季が入っていて乾燥状態は完璧。しかも丁寧に桟積みしてあったので品質も良好。今では入手するのも難しいと思われる長尺幅広の一枚板のラワン類や南洋材、アフリカ材、北米材などなど。コンディションがよかったので意外に足も早く売れていきました。

その中には幅が600を超えるような無節のブビンガも沢山あったのですが、当時は大事に置いておこうという気持ちよりも、どうにかしてこの山のような木材を少しでも早く減らしていかなければ作業も出来ないという、倉庫のスペース事情もあったのであまり迷うこともなく、話があればホイホイと使っていました。そして気がつけば、下手するとこの仕事を止めるまで売り残すと社員にまで陰口を叩かれた大量の木材もすっかり消え失せてしまい、残すところ10枚足らず。今にして思えば、あの時のブビンガ何枚かでも残しておけばよかったと・・・。

今更言っても仕方ないのですが、当時はブビンガがまだ普通に流通していて、乾燥しているのは貴重ではあったもののブビンガというだけでそこまで珍重されたわけではありませんでした。その後ブビンガもワシントン条約の付属書IIに指定(2017年の1月)され新規の輸入が出来なくなりました。それでもまだ国内で保有している製材、材木屋も多くてしばらくの間はそれなりに市場にも出ていましたが、やがてその姿も名前も聞かなくなっていきました。そんな折りに舞い込んだブビンガの注文。半ば諦めかけていたのですが、探せばまだあるところにはある。

5m超の片耳付きの板や40㎜厚の平板など希望していたサイズのブビンガが集まりました。その後人工乾燥させるなどして現在職人さんが加工中で、どうにかお施主さんの要望を叶えられそうです。それにしても新規に輸入は出来ないブビンガですが、国内にどれほどの量が残っているのでしょうか。かなり乾燥して経年変化した材も見受けられるので、随分前に挽いて保管しておいたものだと思うのですが、売れずに残っていたのか、我慢してずっと持ち続けていたのか。声がかかった時がベストな売り時とも思える一方で「かけら屋」としては保全の狭間で葛藤。




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