森のかけら | 大五木材


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今回入荷した『イロコ』は、長さは3m以内で幅は込み込みで厚みが50~75㎜程度の厚物の平板。耳の無いストレートで、ほぼ白身はありません。心材部はシロアリやヒラタキクイムシなどに対して強い抵抗性を持つ一方で、辺材部の白太は抵抗性が劣り虫害を受けやすいというのは身を持って経験しました。辺材の脆弱性はイロコに限ったことではないのですが、それでもイロコやモンキーポッドなどのように心材と辺材の色調にコントラストがある木は白太も使ってしまいたくなるものです。

白太があることで心材の色合いがより引き立つという側面もあります、実際イロコの心材部の赤身だけで写真を撮っても、いまひとつ魅力的には見えないのと、チーク感があまり感じられないのではないでしょうか。それが辺材部まで含めて写真を撮ると、その対比で黄茶色の色合いが際立ちます。見る角度によってはチークのような黄金色に見えたりして、なるほどチークの代用品として求められるのも納得。ただし見る角度によってはチークとはまったく異質のように見えたりもする不思議な木。

今回入荷したものは材木屋が長期間在庫していたもので、よく乾燥していて表面はすっかり退色してはいますが、表面をひと削りすれば新鮮な表情が現れます。触ると独特の脂質感があります。チークに似ているといっても、インドネシアなどの植林チークではなくて、ミャンマーの天然チークに近いような趣きがあります。チークの代用品として仕入れたわけではないので、『アフリカンチーク』なんて借り物の名前でなくて、堂々と『イロコ』として売っていくつもりです。そういえば市場でも「イロコ」として売られているのあまり聞かないです。

商業名って材の特徴を端的に言い表していることが多く、頭ごなしに全否定する気はありません。ただし、その際には本名もきちんと伝えて欲しいと思います。本家のチークに比べると価格的にはかなり安いのですが、供給の安定性に不安があるので、家具や小物向けで少量ずつ販売していく予定。問題は、品質に比べると圧倒的に知名度が低いこと。高ければ高いで文句を言われますが、安ければ安いで何か問題があるのではと疑われ。知名度が無い木を売るのは難しい。この機会に名前だけでも憶えて下さい。アフリカ生まれの『イロコ』!




‎★今日のかけら・#134【イロコ】Iroko クワ科・広葉樹・アフリカ産

世界三大銘木』の1つとしても名高いチーク(Teak)に対する人気は高く、よくチークの問い合わせを受けるのですが、最大のネックはかなり価格が高騰していること。良質なミャンマー産のチークは入手も容易ではなく価格が高くなるのも仕方ないのですが、それでもチークへのあこがれは強くて、「チークがダメならせめてチークに似たような木」という要望は尽きません。そういう時に提案しているのがアフリカ産のクワ科の広葉樹『イロコ(Iroko)』です。

勘違いしてもらうと困るのですが、イロコはチークの仲間というわけではありません。チークはシソ科(ちなみにしいAGP植物分類体系では、クマツヅラ科の多くがシソ科に移動になったようで、チークもシソ科に分類されているようです)。なので植物学的に近縁というわけではなくて、質感がよく似ているという事です。そのためイロコは産地にちなんで「アフリカンチーク」とか「ナイジェリアンチーク」などの別名で市場取引されることもあり、本名のイロコよりも有名なほど。

一般的には『イロコ』ですが、各地でさまざまな呼び名があって、ガーナや象牙海岸ではオドム(Odum)中央アフリカ、コンゴではカンバラ(kambala)、東アフリカではムブル(Mvule)イロコの名前はガボン、カメルーン、ナイジェリアなどで使われています。オドム(Odum)の名前はガーナ語で「燃えない木」という意味があって、チークと同じく油脂分をたっぷり含んでいて耐火性、耐水性に優れているところが名前の由来となっています。その特性から船舶やボート、橋梁などチークと同様の用途に利用されています。

削るとまさに見た目はチークのような質感ですが、触感も油脂感があって表面が日焼けでもしていればチークと見まがうほど。材中にストーンと呼ばれる炭酸石灰の硬い推石物を含んでいる事があり、その影響で刃先を痛めやすいという特徴もチークに似ています。また導管にはホワイトオークと同じチロースという成分が含まれていたり、ゴムの原料となる天然のラテックスの成分が含まれていたりもします。そんな特徴を持つイロコですが、在庫としては数枚しか持っていなかったのですが、ご縁があって大量に入手しました。




もらえるものは何でももらって来てしまうのがビーバーの悲しきサガ。目的はなくとも「とりあえず」集めてしまうことからビーバーの巣はどんどん膨張を繰り返し、気がつけば倉庫が土場がどうにもならない状態になってしまい、結局どうにもならなくなって処分してしまうのに懲りない・・・。という心なき反省の原因がこちら。学校や公園、庭園などに広く植えられている『ヒマラヤスギ』の枝。これどうするの?なんて考えてもらってきたわけじゃありません。ただただ見た目の面白さのみ!

これで全部葉が落ちたら面白そう、なんて思ってしまったらもうダメで、軽トラに積めるだけいただいて来ました。そもそもはヒマラヤスギの幹をいただきに来たのですが、ついでにこちらもいただくことになったのですが、もしかして面白いと思うのは私だけ?いやいや、きっとこういう嗜好の方もいるはず。このまましばらく置いといて葉が落ちたら枝先を整えて綺麗に洗って仕上げたら面白いオブジェになるはず!こういう部分って簡単に手に入るようで案外手に入りにくいもの。ある時に集めておくのが基本。

そもそもヒマラヤスギは、その名前が示す通りヒマラヤ西部からアフガニスタン周辺が原産とされ、日本には明治12年頃に伝わったそうです。大きく成長した樹形がいかにも西洋の雰囲気があり、当時は洋館の庭などによく植栽されたようです。海外でも景観植栽のために公園などにもよく植えられていますが、成長すると30mをも超える大木になるので気軽な気持ちで植えると大変なことになります。ヒマラヤでは信仰の対象にもなっていてもっと大きな大木になるものもあるようです。

ヒマラヤスギは、マツ科なのですが英語名はHimalayan Cedarで、マツ科なのにスギを現わすCedar(シーダー)がついています。これは植物学的な分類というわけではなくて、香りに強い木につけられる名称という意味合いでウエスタンレッドシーダーイエローシーダーのようにヒノキ科にCedarがついている事例も多くあります。こんな事書いてたら我慢できなくなって枝先を刈り込んで1本だけ仕上げてみました。自分的には十分満足していますが、果たして共感してくれる人がいるか!?「いいね」の次の「買った」を目指します(^^♪




 

以前にブログでチラ見せしたと思うのですが、地元で産された『クスノキ』の形のオモシロイトコロ。伐採後、製材してたまたま取れた気になるカタチを集めて、桟積みして上から圧をかけてじっくり乾燥させていましたが、どうやら無事に上手く乾いたみたいです。何に使うの?なんて野暮なことは訊きっこなしで、ファーストインプレッションでひらめいた方にご購入いただきたい。いつも悩むのはこういうモノをオンラインショップでアップするかどうかという事。

変わったモノほど多くのひとの目に触れるところに露出させて、想像力の豊かな変わり者(失礼、いい意味で)に見出してもらうのがいいと思うのですが、果たしてこの木の魅力を4枚程度の写真と私の拙い言葉で伝えられるのかが不安。いろいろ角度を変えたりして写真は撮ってみるものの、実物のインパクトが写真からはどうしても伝わらない。それと質感や凸凹のサイズを伝えるのも簡単ではなく、あまり言葉を盛りすぎて失望させるのも悪いかなと・・・。

それで店頭売りに回すことが多いのですが、来店されるひとも減退されるので『運命の出会い』には長い歳月を要することが多いのです。以前にも変わった形の木をオンラインショップでアップしたところすぐに売れたのですが、発送する段になって「これって部分的に朽ちてスポンジ状になってることとかちゃんと伝わってるんかしら?どの程度の解釈がずれていないかしら?」と不安になりました。その際は問題なかったのですが、常にそういう不安はあります。

とりわけ弊社のようなマニア度の強い店でわざわざ買っていただくものですから、商品が届いてガッカリさせることだけは極力避けたいと思っているので、なるべく実態が伝わる表現を使って説明したいと思っていますが、これが難しい!物語を語るだけなら盛りに盛って話せますが、木の実像を言葉で写実的に表現することの難しさよ。今のところこれらのクスノキの実像を上手く表現できる言葉が見つからないので店頭売りとします。そんなの気にしないというチャレンジャーも求めています!





1~12月のそれぞれの月に関わりのある木を『誕生木』として設定したのが「 誕生木・12の樹の物語」ですが、このエッセンスを『森のかけら』にふりかけたのが『誕生木のかけら』。それぞれの樹種名をレーザーで彫っています。これはお客様からの注文で特別に作らせていただいたのですが、子ども向けということで樹種名はあえて平仮名にしています。商品化はしていませんが、こういうご依頼は結構多くて今までにも何度か作らせていただきました。樹種名を1~12の数字にしてレーザー彫りしたり、森のかけら240の3ケタのリスト番号にしたりと仕様はそれぞれ。『誕生木』という切り口を活かせる別の出口の1つとして、『誕生木ストラップ』と共に商品化する予定でした。12種を1つにまとめてパッケージすれば簡単に作ることが出来ます。

しかしそれでも今に至るまで商品化していないのは、ただ12種のキューブが揃っただけでは「インパクトが弱い」と感じたから。『森のかけら』の場合は、240種を図鑑的な感覚で考えているので、その中では価値が低いと思われている木(価値を見いだせていない人間の勝手な思い込みに過ぎないのですが)も、高額で取引される木(出口が明確化され経済価値が高いと思われている木)も図鑑のAtoZの1つとしては絶対必要な存在で同等の価値を持つと思っています。まあこれも私の勝手な解釈に過ぎませんが。

そこから12個だけ取り出して『誕生木のかけら』としてみた場合、図鑑的な意味合いが消えてただのキューブ感が強くなってしまって不安でもあったのです。それなら『森の5かけら』はどうなの?と思われるかもしれませんが、あれはもともと興味はあるけど経済的に『森のかけら100』や『森のかけら36』が買いづらいという学生さん向けに作ったものでコンセプトが違います。そんな理由なんて後付けでどうでもなるのかもしれませんが、そのあたりがややこしい性格で納得出来ないものは作れない(笑)。

ただ誕生月の木を12個集めただけというのではなく、それに何か別の意味合いが持たせられたら商品化したいのですが、なかなかそれが思いつきませんでした。それでサンプルまでは作ったものの永らく放置していました。それが今回、ご依頼があって久しぶりに誕生木のかけらを12個並べてじっくり観察していたら、あるひらめきが!もう少しひねって味付けできれば近いうちに商品化出来るかも?まあそれが売れるかどうかは別の話で、自分が納得できるかどうかだけの自己満足な世界ですが(笑)。




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