森のかけら | 大五木材


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ブラック・ウォールナットの耳付きの変形一枚板テーブルを納品させていただきました。ご覧の通り中央部にバックリと大穴が開いています。穴は生かしたままでテーブルの形に切り出したガラスを載せて使用されます。以前ならテーブルを検討する際に俎上にも載らなかったであろう大穴ありの板ですが、弊社ではこういう木に興味を持っていただくコアなお客さんが沢山いらっしゃって、無傷の板なんて出したら「そんなどこでも売ってるようなモノを探しに来たんじゃないっ!」とお叱りを受ける事もしばしば。

意外と思われるかもしれませんが、マニアックな木にはまるのは若い世代で、細かい説明などなくても見た時のファーストインプレッションで気に入ってしまい、他の木には目が向かなくなる若いご夫婦も大勢いらっしゃいます。今の傾向がそうなのか、弊社に来られる方がそういう嗜好の人ばかりなのか分かりませんが、どの木にするのかを決める際の決断材料として木についての蘊蓄(うんちく)を披露する時間は明らかに短くなりました。私の長話が盛り上がる前に決まってしまう事が多いのです。

大きな節があったり、バックリ割れが入っていたり、無数の虫穴があったりする木を前にして、「一見すると使いものにならないように見えるこれらの木も森の中では・・・」などと話始めると、「ホームページ観てきているんで大丈夫です(^^♪」とにこやかに機先を制され、何のたじろぎもなくそういう材を選んでいかれるのです。商売が早くてありがたいのですが、私的には話したりない・・・。常にそういう方ばかりではなくて、高齢の方の場合は悩まれる事も多いのでそこで話足りずのストレスは解消させてもらっています(笑)。

このブラック・ウォールナットも市場で同じような穴のあいた木を数枚仕入れました。近くに居た材木屋から、こんなの買ってどうするんやって陰口叩かれましたが、こういう木だからこそうちのような店で売るにふさわしい。現にこうして売れていっているわけです。傷のひとつもない、節や虫も見当たらない、そんな銘木には心奪われることが少なくなってきました。それよりも風や雪や虫、腐朽菌たちとの壮絶な戦いを繰り広げて生き抜いてきた歴戦のつわものに惹かれてしまうのです!断言しよう、そなたこそが真の勇者であると!




森のかけら』は現在、日本の木が120種、世界の木が120種の合計240種があり、その中からお好きなモノを100あるいは36種選んで専用の桐箱に入れて、240種の解説書付で販売しています。価格は100入りで¥44,000(税込)、36入りで¥17,600(税込)で販売しています。『森のかけら』は、世界の森の縮図だと考えているのでバラ売りはしません。安い木でもAtoZの中においては高い木とも同価値になります。ただしそれでは学生とか購入しにくいので、1つのテーマに即し5種ずつセレトしたのが『森5のかけら』。

大昔から暮らしに木を上手く取り入れて来た日本人にとって木は身近な存在だったので、多少頭をひねれば大概1つのテーマに5個ぐらいは木と絡んできます。それで作った『5かけら』の中のいくつかをご紹介。まずは、最近急に問い合わせが増えて来た「音楽と木」。ギターやバイオリンなどの弦楽器がよく知られていますが、大なり小なり多くの楽器には木が重要なパーツとして活用されています。パドック(木琴)、キリ(琴)、オバンコール(高級オルゴール)、ケヤキ(太鼓)、スプルース(ピアノ)の5つで『音色の5かけら』。

続いてのテーマは「薬と木」。若い頃は気にもしませんでしたが、50歳も越えると健康や薬の事にも関心が向かざるを得ません。葉や実が漢方薬や生薬に使われている西洋事例は多く、医学が取り入れられるまで日本人の健康を陰で支えてきました。ピーター・コンウェイ著『TREE MEDICINE(ツリーメディシン)・くすりになる木』という本に出合ってから更に関心が高まりました。あまりお世話にはなりたくないですが、知識として知っておきたい。キハダ、クスノキ、ニガキ、イチョウ、トウネズミモチで『薬になる木の5かけら』。

次はストレートな木の活用方法である『木彫りの5かけら』。やわらかくて彫刻や版画に使われるホオ、大径木になるので大作の彫刻などに向いているクスノキ、能面などに利用される木曽ヒノキ、刃物の切れがよくて初心者でも楽に彫れるカツラ、浮世絵の版木として有名なヤマザクラの5つ。『森の5かけら』シリーズは既に30ほどあって各¥2,750(税込)でオンラインショップで販売しています。結構いろいろなシチュエーションで考えてみましたが、かけらも400種になればまだまだバリエーションが増えてしまいそう(笑)




時々ですが、幅が1mぐらいある大きなサイズの一枚板のテーブルが欲しいという方が現われます。さすがにこのサイズになると国産材だと樹種がある程度限定されますし、節も無いような立派な一枚板ともなると、価格もそれなりに立派なものになっていきます。こう言っては材木屋としてどうなの?と思われるかもしれませんが、1枚で50万円するような木があるとしたら、私は1万円の木をいろいろ50枚買いたいという性分なので、1mサイズの銘木はありませんがこういう割れのある木ならあります。

アフリカ生まれの大木,ラボア(学名 Lovoa trichilioide)学名がそのまま名前になっていますが、まだまだ認知度は高くありません。この木については以前にブログでアップしましたが、生乾きの匂いに特徴があります。生木が徐々に乾いていくときの生乾きの時に匂いってこの木に限らず刺激的なのですが、その中でもラボアはゼブラウッドと同じくらい強烈!それもあってしばらくは放置していましたが、しっかり乾いてしまえば匂いはすっかり無くなりました。

この写真のラボアで、サイズが2200×1000×80㎜。耳付ですがほぼ寸胴です。1枚目の写真が仕入れた時の状態。かなりこげ茶色に見えますが、少なくとも製材してから3年以上経過しています。割れ止めのボンドが全身に塗られているので、その影響も多少あると思いますが、経年変化では最終的にこれぐらいの色に落ち着くと考えられます。とりあえず一旦ボンドを剥がして素顔を拝見したのが2枚目の写真。真ん中に大きく『アフリカの森の履歴』が残っていますが、これもこの木の個性なので尊重します。この時点で割れをしっかり埋めて、オイル塗装を施しらのがこちら→

濡れ色になって本来のラボア表情が蘇ってきました。ラボアは『アフリカン・ウォールナット』とも呼ばれますが、他にも『ストライプ・ウォールナット』の別名もありますが、その由来となる黒褐色の縞が確認できます。この見た目でかなり重たい木だと思われるかもしれませんが、実は意外なほど軽くて、試しに持たれた方は皆驚かれます。これはどなたかの注文ではなくて、仕上がり具合を見てもらうために加工しているのですが、このまま仕上げますので受け入れ先も募集中です!




今回の都市林業愛媛県今治市玉川町産のイチョウです。某工房の敷地に生えていたイチョウを伐採することになり、その一部をもらい受けました。直径は600㎜前後で、イチョウとしては大きなサイズではありませんが、思っていた以上に重たくて製材所と現場を4トン車で2往復。あんまり葉っぱが落ちて掃除が大変なので庭のイチョウを伐ったんですが引き取ってもらえたりしますか、という話はよくあるのですが、庭木のイチョウって大木にならない割に枝が多くて用材としてはなかなか用途を見つけにく事が多いのです。

 

あまり期待せずに製材してみたら予想以上にいいものが取れました!都市林業で手に入る木って、大木や通直な木は少なく、こちらも『森のかけら』などのレアな種類をカバーしたいという思惑があるので、材そのものに大きな期待はしていないので、思わずいいものが挽けるとテンションが上がります。イチョウは収縮が少なく割れにくいうえに比較的乾燥も早いので、この材の出番も早そうです。これで全体のおよそ半分ぐらいですから、当分は『愛媛県産イチョウ』で困る事はなさそう。

今回は、伐採してすぐに引き取り製材しましたが、4月になってだんだん暖かくなってきましたのでこれからはスピード感が大事になってきます。雨の多くなってくるので、伐採後速やかに引き取り製材しないと、虫や腐朽菌のご馳走になってしまいます。今回は理想的な速さで挽き終えたのでまだ水分をたっぷり含み瑞々しく、樹皮も簡単に剥げます。うまくいけば長いままツルンと剥けて、可愛いエクボとご対面。綺麗に剥けると次々やってしまいなかなか終われない。気がつけば足元に剥かれた樹皮の山。

弊社では基本的に40㎜とか45㎜に厚みを決めて、すべて耳付きの板に挽くのですが、最初と最後にはこんなものが残ります。普通ならチップ行きなのでしょうが、うちではこれだってしっかり木として生かします。樹皮を剥がしてしまえば、木肌が白くて形が面白いので看板やオブジェにも使えます。最近ではいろいろなバリエーションのものづくり人がご来店されるようになってきたので、従来の用途以外の出口が広がってきていて、こちらで用途想定するのも意味が無くなってきています。さあ、ご自由に料理ください!




数年前から弊社の倉庫にセキレイ(鶺鴒)がやって来るようになりました。詳しいいきさつについては以前にブログに書きましたが、私が入社した30数年前は棲みついているということはなく、時々野鳩が倉庫に侵入してきて商品の上に糞を落とすので追い払うという程度でした。特別鳥に関心があったというわけではないので、そこまで細かく観察していたわけではありませんが、その頃やって来る鳥と言えばノバトカラス、ツバメ、スズメぐらいだったと思います。それらも巣まで作って棲みつくというような事は無く、ひと時の訪問者レベルでした。だからその存在も強く意識する事もありませんでした。

それがこの10年ぐらい前からノバトやツバメが減って小型のよく分らない鳥が多くやって来るようになった気がします。鳥もすばしっこいので、写真まで撮って何という鳥か調べようなんて気も起りませんでした。それでも違う鳥が来たというのは鳴き声が変わってきたのでなんとなく分かったりします。この数年はセキレイが完全に定宿に定めてしまったようで、恐らくもう何世代も更新していると思います。ただ糞攻撃されるのも癪なので、ブログネタにしようと鳥の事を調べてるうちに、セキレイにも興味を持つようになりました。

ここの宿主は餌などくれはしないケチだが、雛が孵ったら飛び立つまではどこに巣を作っても見逃してくれる心の広い人だという事がDNAレベルで伝わっているのか、最近ではこの距離まで近づいても逃げなくなりました。そんなセキレイの中に、ボディがブルーとオレンジの鮮やかな色にまとわれた見慣れない鳥の姿を見かけるようになりました。調べたらイソヒヨドリという鳥で、鳴き声に特徴があって透明感のある高音なので、ご来店がすぐに分ります。イソというのが気になって調べてみたら、やはり本来は磯場(岩場)の多い海岸地帯の崖地に生息する野鳥。

それが20世紀末ごろから都市・内陸に続々と進出するようになってきて、特に近年は渋谷駅でも目撃されるほど「都市の鳥」になりつつあるのだとか。学名のMonticola solitariusとは、『山の孤独者』という意味らしく、ユーラシア大陸の広域に分布する亜種は、高山地帯に単独生活をするそうです。先客のセキレイとどういう風にテリトリーを分け合ったのか分りませんが、こちらの心配をよそにセキレイは今年も木の隙間にガッチリ巣を建造。餌をねだる雛の可愛い鳴き声はすっかり大五木材の春の風物詩。朝も鳥たちのさえずりから始まる。鳥王国になる日も近い・・・




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