森のかけら | 大五木材


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20120409 1新学期が始まってしまいましたが、春休みの間は子供たちも少しだけ仕事のお手伝いをしてくれました。後から貰えるお小遣いが目当てではありますが、親の仕事に直接触れることが出来るのは自営業の特権。私も子供の頃はよく兄と一緒に現場に連れていかれました。現場といっても実家は土木業なので建築現場ではなくて、道路などを作る工事現場です。当然ほとんど戦力にもなりませんでしたが、山中で土と汗にまみれて初めて「労働」というものをリアルに体感しました。

 

20120409 2母も事務をしていましたが、プライベートと仕事の境界など無い時代でしたので、どうしても家に居る母の姿ばかりが目に入り、幼き眼に映る父は早朝に家を出て、夕方泥に汚れて帰ってくる人という印象でした。なのでついつい母の肩ばかり持っていましたが、中学ぐらいになって兄と現場に連れて行かれるようになると、現場の厳しさ、ハードワークに驚き一気に父を見直すようになりました。とはいえあくまでアルバイト感覚の「労働」ですから、叱責される事もありませんでした。

 

133238701917713105160_kurobe003むしろ帰ってから親子でビールを飲んだりして(!)「働く」という事が苦痛ではありませんでした。私は長男ではありませんでしたので、昔から後を継ぐという感覚はありませんでしたが、それでも土木屋の息子として生まれて「現場に出る」という事は、一種の通過儀礼のようなもので、夏休みなどは、母が兄と私の弁当も用意してくれて、いっぱしに「行ってきま~す」と家を出て行くのですが、これが「男の仕事なのだ!」とちょっとだけ大人になったような何か背中がくすぐったいような感覚でした。

 

20120409 4母方も客商売をしていた血筋でしたので、そういうDNAが受け継がれていたのかもしれませんが、いつの間にやら私も材木屋の親父となり、その娘や息子は当たり前のようにその仕事のお手伝いをしています。彼らにとって「材木屋」とは、木の玉プールの数を数えたり、森のかけらを並べたり、出張で木のおもちゃを持って行ったり、テーブルや家具のモデルになったりするのが「仕事」だと思っているかもしれません。それも事実ですし、数年後には「材木屋」なんて呼称は使われていないかもしれません。

 

20120409 5木の玉を数えることが堂々と本業の業務になっているかもしれませんし、その経験からインスパイアされて何か面白い物を生み出すかもしれません。何がどうなるやら分からないから未来はオモシロいのです!単純作業に「もう飽きた~!」と逃走する息子、それを愚痴りながらも最後までしっかり働く娘。君たちが数えているそれはただの木の玉にあらず。そこに未来があるかもしれない。かつて少年が振りかざしたツルハシに、労働の楽しみが打ち響いたように!楽しみは自分で見つけるものだから。




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