森のかけら | 大五木材


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20090810 桂3先日の愛媛木材青年協議会の『木工広場』の件でアップしていましたが、辻総合電機さんの『桂のストラップ』が大変好評のようです。大量注文をいただき、慌てて製作しているところです。まだ少し早いですが、西条や新居浜の祭りを睨んでの営業に余念がありません。いろいろな木で試してみましたが、の均質さがもっともレーザーと相性が良いみたいです。などの針葉樹のように柔らかいとどうしても緻密な小文字が鮮明に打てません。また、などの広葉樹でも環剤孔材は、硬軟の差がありレーザーの焼きムラが出やすいようです。

20090609 maruimori②レーザーの精密な美しさを表現するには、なるべく夏目・冬目の差が鮮明でなく、全体的に材が均質な物、なおかつ価格的にもリーズナブルで安定供給が可能な物が必要とないます。試行錯誤の結果、他のレーザーを扱っている会社でも馴染みの【】、【ブナ】、【メープル】あたりに落ち着く事になりました。改めて定番と呼ばれる物には理由があるなと思いました。その中から、辻さんのところのストラップには色目や肌触りなどの理由で【】が採用されました。

 

 

 

 

弊社が用意しているのは、北海道産の桂です。もともと家具材として購入した物で、長さも2100~2700㎜で、幅は150~250㎜程度の片耳付き、厚み45㎜のよく乾燥した立派な物が100数枚あります。桂は日本固有の木で、カツラ科カツラ属、英語名も『カツラツリー』です。以前、【適材適所】にも書いた事がありますが、私が耳付の大きな1枚板を扱うようになったきっかけがカツラの巨木との出会いです。巨木といっても既に伐採され板に挽かれていた物ですが、岩手産の桂の木で、長さ2400㎜、幅は1000を超える堂々とした巨木でした。

今から10数年前に、ある木材市場にその桂の耳付の1枚板が、共木(1本の原木から挽いた物)で5,6枚並んでいました。当時はまだそういう大きな1枚板は扱う技量も、販売するルートも持っていなかったので、お客さんから注文をいただければ仕入れてくるというレベルでした。当然それだけの材になれば、かなりの高額になりますので売れるかどうかも分からない物に高額なお金を出せる度胸もありませんでした。また何より、いくらぐらいで買って、いくらぐらいで売ればいいのやら想像もつきませんでした。こういう物になると相場はあるようでない、売り子と買い手の腹の探りあいです。何を血迷ったか、誰に頼まれていたわけでもないのに、その桂に吸い寄せられるようにフラフラと近寄り、売り子と交渉を初めてしまいました!

今は市場での交渉も割合ドライになっていて、散々説明を聞いて下交渉しても平気で「いらない!」と袖にする光景もよく見かけますが、当時はそういう類の商品に一度声を掛ければ、買うのは必定。冷やかしなどであれば、こちらの暖簾が低く見られるというような職人気質的雰囲気が市場には残っていました。当然そういう事も分かっていたのに、私は何かに憑かれたように、「その桂全部で幾ら?」と決して口に出してはいけない悪魔のフレーズを舌の上に乗せてしまったのです・・・!

この話長くなりそうなので明日に続く!




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