森のかけら | 大五木材


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木を使う場合、『乾燥』は絶対必須条件ではありますが、その方法には2通りあって、ひたすら自然にその身を任せて自然に乾燥させる天然乾燥』と、乾燥窯に入れて短期間で強制的に乾燥させる人工乾燥』があります。こういう風に書くと、どう考えたって自然乾燥の方がいいじゃないかと思われるかもしれませんが、そこは一長一短。それぞれにプラス面、マイナス面があります。マイナス面というと誤解があるかもしれませんが、天然乾燥における最大のネックはそれに要する期間。

 

20160516 2かつては主流であった天然乾燥から人工乾燥に大きく切り替わってきたのは、建築現場の工期短縮に伴う納期の短縮化。今日発注して明日納品してくれ、というようなスピーディでジャスト・イン・タイムの納材が求められるようになると、のんびりお日様と根競べしながら木を乾かしましょう的な手法では追いつかなくなります。本当は、それでも間に合うぐらいのローテーションで回せる潤沢な在庫を材木屋が持っていればいいのかもしれません(零細弱小材木屋にとっては死活問題)。

 

201605163自然乾燥と天然乾燥の事についてはまたいずれ改めて取り上げますが、本日はその乾燥も乾けば乾くほどいいのかという問題。樹種にもよりますが、乾燥し過ぎると問題が生じるケースもあります。例えばヒノキですが、こちらは鴨居・敷居サイズに挽いてから天然乾燥で10年近く乾かしていたもの。それを再割りして球に加工したのですが、長期間にわたる乾燥の結果内部にもヤニ(脂)が滲み出てきてしまっています。ヒノキにヤニって出るの?と思われるかもしれませんが、出ます。

 

201605164こういう球に関わらず、縁甲板などの製品になったものだと特に出やすいようで、私の感覚だとやはり10年ぐらいそのままだとヤニが発生することもよくあるようです。強度的に劣化していることはないと思いますが、問題は見た目と触感。触ると少しザラッとして、指にねとつきを感じます。今よりもっと高く売れるのではと、欲の皮が突っ張って、売り時の判断を見誤り長期在庫となってしまった愚か結果。多少のヤニであればシンナーで拭けば取れたりしますが、これは難しそう。

 

201605165なのでいくらでも乾燥させればいいというわけではなくて、何事にもタイミングと旬があるという事。それは分かっていても、回転寿司のように、もう少し待っていればもっと新鮮な、もっと美味しいネタが来るのではと思っていたら閉店の時間になってしまったようなもの。モッタイナイも度が過ぎてしまうと、折角の旬を台無しにしてしまう目利かずの人になってしまいます。だからといってこのヒノキ球だって無駄にはしません。ほら、よく言うでしょう、肉は腐る前が一番美味しいって!




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