森のかけら | 大五木材


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明日からの仕事始めを前に一人で映画『アバター』を観て来ました。まだ上映後間もないので、マナーに従い詳しいストーリーには触れませんが、期待の高い超話題作ですから既に多くのメディアでかなり露出されています。設定が設定ですから、ネタばれ云々というタイプの映画ではありませんが、まああまり予備知識はない方がいいと思います。多少は内容にも触れますので、これから観ようという方はこの後はご覧にならない方が良いと思います。

20100105 アバター3大まかな設定は、地球から5光年も離れたパンドラと呼ばれる星で、貴重な鉱物資源を廻って対立する地球の資源開発連合と先住民ナヴィとの戦いです。完璧主義者ジェームズ・キャメロン監督が徹底的にこだわって作り上げた惑星パンドラの設定は圧倒的で、到底これが全て無から作り上げたとは信じられません。3Dで3時間に迫ろうという大長編だったのですが、そのディテールへの執着ぶりは、後半になると実際にある星で本当に撮影したとしか思えないほどにリアリティに溢れていて、CGやSFXなどの特殊技術が全く気になりませんでした。鳥や動物に対する造形はどうしてもイマジネーションの増幅に限界がありそうですが、森や木々、植物、鉱物など自然への描写は素晴らしすぎます!先住民ナヴィたちの棲む超巨大な老木とそこに息づく鳥や虫、様々な植物達、複雑で多様な命の躍動感は、まるで本物の生態系を作り上げたとしか思えないほど饒舌です。

 

DSCF0377先住民のナヴィたちは、自然や祖先の魂に強い畏敬の念を抱き心の拠り所にして暮らしています。そこへ欲望の塊である地球の資源開発連合が最新鋭のメカで暴力的に乗り込んできて豊かな自然を破壊していくのですが、その姿はまさにかつてアメリカ大陸に乗り込んで来て、自分達の正義を振りかざし先住民を駆逐した白人の構図そのままです。ミサイルやロケット弾に対抗するのは、弓矢や槍などの原始的なもので、その姿に拳銃に弓矢で戦ったインディアンの姿がオーバーラップします。湾岸戦争やテロを経験して、アメリカ映画界が先住民の視点でこれだけの超大作を受け入れるようになったのは大きな成長だと思います。

20100105 アバター4以前なら、舞台は地球で、外敵であるエイリアンが豊かな緑の星・地球の資源を奪うために到来し、アメリカを代表とする世界中の人間が協力して凶暴なエイリアンと戦い、勝利を得るという設定が定番でしたが、それを逆の視点で描いたのは、アメリカ人が少しは謙虚になった証拠でしょうか。それとももはや地球はエイリアンからすらも狙うほど魅力がなくなってしまったという環境破壊に対する警鐘でしょうか。

20100105 アバター8かつて、映画『マッドマックス2』が公開されたときに、その凄まじい迫力とシンプルなストーリーから『車輪をつけた西部劇』とも評されましたが、そういう意味では『アバター』は、先住民視点で考えれば、翼をつけた野蛮な蛮族の攻撃に対して、勇敢にも立ち向かった勇者達の逆襲と呼べるのではないでしょうか。ナヴィたちの信仰の対象に、『神』ではなく『自然』や『先祖』が選ばれた事は、人間の最終的な心も置き所の在り方は、世界共通なのかもしれません。こういう映画、しかも監督がキャメロンですからあまり哲学的に考えずに、見たままを純粋に感じた方がいいと思います。

20100105 アバターその凄まじいばかりの映像表現をただの技法としてだけではなく、人間を描こうとする志のための技として大きく昇華させたにキャメロンに、S・キューブリックから完璧主義者の称号を移譲してもよいのではないでしょうか。その巨匠キャメロンの超大作のもうひとつの主役が『』だという事の方が、映像革命よりももっと、革新的なことかもしれません!

20100105 アバター2余談ながら、こういう映画には欠かせない女戦士ミシェル・ロドリゲス、いつもながらいい役演じてます!まだまだ暴走しておりますな!彼女はもうこういうキャラを演じさせたらピカイチ。戦う事を止めすっかり老いたシガニー〔エイリアン〕ウィーバーと、本作にて完全にその座を世代交代。といっても主役にはなりきれないところがミシェルの奥ゆかしさなのです。上映中にあと2回は観ておきたい後世にその名をとどめる傑作だと思います!ただ3Dの眼鏡が、ダブル眼鏡で辛いっ!もう少し何とかならんものでしょうか?




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