森のかけら | 大五木材


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本日は、北米産の『サザンイエローパイン』の板を加工をしました。くっきりした冬目とキャラメル色の木味が特徴です。240㎜の幅の板を幅剥ぎに加工して広い板にします。これは廻り階段の部材になります。この辺りでは『サザンイエローパイン』は決して使い慣れている木とは言えず、工務店さん、大工さん共に馴染みの薄い方の木に分類されると思います。むしろ知っている方の方が少ないかも知れません。材としては有用で用途も広いのですが、認知度が低いのはPR不足だとしか考えられません。右の画像は幅剥ぎしてサンダーで磨いて仕上がった無塗装の状態なので、色合いが薄めです

このサザンイエローパインが濡れ色になると、鮮やかな黄身色に変身します!より黄色の深みが増してきます。加工すると油分をたっぷり含んだ黄色い木粉が出ますが、この油分が在中に行き渡って松独特の光沢と艶が生まれるのです。触った時に脂っぽさの原因がこれです。以前にもブログで紹介しましたが、サザンイエローパインに関わらず、松の木は表面の板目に割れが発生しやすい性質があります。よ~く乾燥させたと思っていても、削るとピシィ!とヘアークラックのような割れが出てくる事しばしば。慌てて下手にサンダーで強く磨くと、柔らかい夏目がすぐに削れて、硬い冬目との磨耗差で凹凸になってしまいます。しかし、なかなか手間の掛かるところが可愛いところでもあります。今回は階段材と玄関の框、造作材などをご注文いただきましたが、全体のイメージは和風。

和風で階段というと一昔前は『』が主流でしたが、『桧以外で』という条件がつくと、あまり高額になってもいけませんから残る選択肢は『』か『』あたりでしょう。今回は『松』のイメージでしたので、サザンイエローパインをご提示させていただきました。玄関框には丁度『中国松』のよく乾燥した無節の平材がありましたのでそちらを。造作材には、薄くしても狂いが出にくく素性の良い『オウシュウアカマツ』を。クロスで隠れてしまう階段の側板には、『メルクシパイン』をそれぞれの用途に合わせてご提案しました。

結果4種類の松が混在する『松尽くし』の組み合わせになりました。画像の左側2枚が『サザンイエローパイン』で、右端が『中国松』。やはりサザンイエローの方が見た目にも硬質ですが、それほど違和感は感じられないと思います。1つの樹種で全てがカバーできるように、あらかじめいろいろなサイズに挽いておけばいいのにと思われるかもしれませんが、松にもそれぞれに特徴が異なります。硬めのサザンイエローの框サイズだと、保管中に無数の割れが発生してしまうでしょう。木が硬い分、癖も強いのでねじれも出てしまいそうです。

逆にオウシュウアカマツだと階段材に使うには柔らか過ぎて躊躇します。やはり階段に使うような材には、ある程度の粘りと強度が求められますから。また、メルクシパインはそのほとんど多数が積層のフリー板として輸入され、カウンターや枠材などに再割して利用されています。メルクシパインの丸太は見たことがないのですが、それほど大きな材が取れるのでしょうか?こちらも軽軟な木ですから、階段に使うには勇気が要ります。個人的にはカウンターでもちょっと怖いぐらいです。『中国松』は、日本のいわゆる『地松』(アカマツ)に性質がよく似ています。乾いていてもそこそこ重量感があり、木目はサザンイエローほど明瞭で軽快な印象はありません。黄色とうよりは文字通り赤味が差しています。それぞれに特徴は違うもののまとめて見ると一体感があるのは、『マツ科』という出自のなせる業でしょうか。仕上がりが楽しみです!

 




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