森のかけら | 大五木材


当ブログに記載の商品の料金、デザインは掲載当時のものであり、
予告無く変更になる場合がございます。
現在の商品に関しまして、お電話、又はオンラインショップをご覧ください。

20100703 護摩木という需要①これ、何だと思われますか?15X15mmのの小角材で、長さは270mmです。4面プレーナー加工してあります。わずかに小さな節が混ざっていますが、ほとんどが無節です。特に変わった加工をしてあったり、産地にこだわった「特別な桧」でもありません。弊社の在庫にあった普通の桧を単純に加工しただけの物ですが、これで完成品。もったいをつけましたが、実はこれ『護摩木(ごまぎ)』なのです。今まで護摩木という木材需要を考えた事もありませんでしたが、近くの神社からお問い合わせいただいたのがご縁で作らせていただきました。それまでは近くの製材工場で端材を分けてもらって、ご自分で割られたりされていたようですが、製材工場の廃業は様々な所に影響を及ぼしています。適当な木が簡単に手に入らなくなったという事で弊社にお問い合わせいただきました。

 

 

 

20100703 護摩木という需要②それで初めて『護摩木』という木材需要が存在するという事を理解しました。そもそも護摩とは、真言密教に伝わる密教で、供物を火に投げ入れて祈願するという儀礼の神事です。密教では、護摩木を煩悩、火を智慧の表示とし、智慧の火で煩悩の護摩木を焼き尽くすことで願い事の達成を祈念するという事ですが、具体的には護摩木に「家内安全」とか「商売繁盛」など願い事を書き入れ、火に投げ入れます。つまり、最終的には願をかけて燃やしてしまうわけですから、当然燃えやすい木がいいという事になります。

 

 

 

20100703 護摩木という需要③先方のご希望は米松という事でしたが、米松はヤニが出るので出来れば桧というご要望。最初にサイズを聞いた時、これぐらいのサイズなら倉庫に眠っている端材を利用出来るので軽くお受けしました。帯鋸で簡単に割ったぐらいの物でいいですよ、と言われたのですが、弊社の旧式の帯鋸では挽きムラがひどいので、あえてプレーナーで削り直しさせてもらいました。こういうご注文があって、護摩木を販売されている会社があることも知りました。通販などで販売も盛んなようです。とかスプルースなどが多いようです。

 

 

 

20100703 護摩木という需要④今回いただいた護摩木が700本でしたが、この需要って全国でどれくらいあるものなのでしょうか?ご注文先では、これで1年分ぐらいはあるとの事でしたが、10あれば7,000本、100あれば70,000本!これだとおよそ5m3 になります!まあ、こういうのを捕らぬ狸の皮算用というのでしょうが・・・。しかし全国で確実にこの数十倍、数百倍の需要があるということですから侮れません。しかもこれぐらいのサイズだと、わざわざ挽かなくとも在庫の端材を有効に使えますので、弊社としてもありがたいです。いろいろな出口を持っていれば需要も広がります。

 

 

 

20100703 護摩木という需要⑤改めて木の需要の広さに感心するとともに、もっと掘り起こせば弊社が関わることの出来る供給先がたくさんある事も実感できました。つい大きな需要先である建築材や燃料、梱包などにばかり目が行ってしまいますが、森が多様な樹種を育むように、社会も多様な需要を孕(はら)んでいます。小さな需要を無視しては社会の多様性は維持できません。ひとつのサイズにまとめることで、今まで見えなかった用途が見えてくるかも?という事で、調子に乗ってこんな物も作ってみました。護摩木というわけではありませんが、エルム(:ニレ)の端材で、300X27X27㎜が100本あります。何かの目的で作ったわけではありませんが、内装材を木取りする時に発生した挽き落とし材を加工してサイズを統一したものです。ご興味のある方は、是非【ちょこっと端材】をご覧下さい。新たな用途を教えていただければ幸いです。




オンラインショップ お問い合わせ

Archive

Calendar

2024年4月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930  
Scroll Up