森のかけら | 大五木材


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今日で会社は仕事納めで、最後にみんで大掃除です。少し前から事務所の前に鼠が棲みついていて、夜事務所が無人になるとあちこちで悪さをしていて、その悪行(?)が次々と発見されました。事務所にはカットサンプルや端材が所狭しと置かれているのですが、その隙間に食料を引っ張り込んで食い荒らしています。以前、その姿を目撃したのですがかなりのチビ鼠でした。とても奴一匹の仕業には思えない量です・・・。別に事務所にたくさんの食料を保管しているわけでもないので、お腹をすかした鼠はななんと!木をかじります!特に被害がひどいのは、シュロの木です。

えっ、シュロ?と思われるでしょうが、これは「森のかけら」を作るための物で、既に完成した物もあったのですが、無残にもそれもかじられています!おいしいのか、歯がかゆいのか?すさまじいかじり方でキューブの面影もありません・・・ショック!画像はちょいかじられた状態の物です。

鼠と木の関係で有名なのは地栂(ジツガ)です。つまり国産の栂です。かつては城や武家屋敷にも多く使われていたほど粘りがあり強度や耐久性にも優れた良材です。松山城にも一部使われており、最近の改修工事でも栂の木が指定になっていました。とはいえ、いまや幻となりつつある木でもあります。栂の高齢木には洞(うろ)も多く、腐りや藍(アイ)染みなども出やすい特徴がああります。丸太を製材してみないと分からないので、リスクが高いのというのもあります。

また、高地にしか生育せず公害に弱いため、林業の対象にはなりません。原木はほとんど国有地からの出材ですし、出材量が圧倒的に少ないので必然的に丸太の値段も上がります。それでも栂の素晴らしさは微動だにしませんが。その栂に惚れ、栂にこだわり続ける製材所があるのですが、それはまたいずれ別の機会で。画像は地栂のフローリングです。

話は戻ります。なぜ鼠と栂に関係があるかというと、栂にはフロコソイドという有機物質が含まれていて、それが原因で鼠は栂をかじらないといわれているのです。栂を削るとたまに、白い粉がふいたような物が見えることがあります。これがフロコソイドです。しかし先人の智恵は素晴らしいと感心するばかりです。よく木を観察し、その特徴を見事に生かして使っています。いろいろな木を置いていましたが、確かに栂は無傷でした。それに比べシュロは・・・。半年以上も前に伐採し再割してよーく乾燥させておいたのですが、芯の方まで乾いていなかったのか甘い成分がにじみ出るのか不明ですが。数ある木の中でシュロだけを選んで噛んでいるという事は確信犯でしょう。いろんな罠も仕掛けてはいるのですが、敵も頭がいいもので罠もすべて見破ります。この年末年始は何とか新しい罠で捕まえたいのですが・・・『おい、鼠!今夜は震えて眠れ!』




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