森のかけら | 大五木材


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昨日の続き・・・すっかり皮も取れて耳が綺麗に露出しました。それらを丁寧に1枚ずつ桟を切って並べて乾かせます。それほど大きな丸太ではありませんでしたが、うまく製材していただいたので予想以上に大きな板も幾つか取れました。幅が150㎜未満の狭い板は、乾燥後に小割りして【森のかけら】や【円い森】に使う予定です。幅の広い物は、カウンターや幅 剥ぎにして家具などに使えそうです。当然節も出ていますが、やはり愛媛県産の榧とう出自がこの木の売りですから、そういう方向に目を向けられている方に勧めさせていただきます。

乾燥をより進めるためにも両小口を再度カットします。小口には乾燥させ始めた時の日付も書き込みます。この後は風通しの良い日陰でひたすら日を重ねていくのです。挽き立ちで水分も多く含んでいるので、画面では白っぽく映っていますが、乾燥して水分が抜けてくるともう少し黄色くなります。小口を見てもらえれば幅が300㎜ぐらいでも結構年輪が詰まっているのが分かると思います。榧は成長が遅く、耐陰性の強い木でかなり暗い場所でも育つので、小さな木でも目が詰まっている物が多いです。

さて、この榧の代表的な用途といえば『将棋盤』や『碁盤』が思い浮かぶと思いますが、水にもよく耐えるので風呂桶などにも使われる事があります。木目が緻密であるという事と適度な弾性があるという事から将棋盤に好まれるのですが、特に将棋盤においては『天地柾といって上下に柾目が出ている物は最高級品とされますが、上下に柾目が出るという事は直径が1m級の原木が必要という事になりますので、素材としても相当に貴重で、取れたとしたら将棋盤1台で数百万の価値があるとも言われます。

また榧の葉は対生で先端が鋭く尖っているのが特徴で、葉を握るとかなり痛いです。似た名前で【イヌガヤ】という木がりますが、カヤがイチイ科カヤ属であるのに対して、イヌガヤはイヌガヤ科イヌガヤ属で、こちらは葉を握っても痛くありません。どちらも古くから山村では庭先に植えられたりして、実から油を採る油料(ゆりょう)植物ですが、主にカヤは食用油イヌガヤは灯油に用いられたようです。またカヤの実は灰汁に1週間ほど漬けて、炒って食べる事も出来ます。

榧の名前の語源については、『和名抄』という古い書物で、の感じを当て、和名を万葉仮名で加倍(かへ)と書き表されていて、この古名のカヤに転じたものであるとされています。そのカへも、古い時代の朝鮮語から転訛したということですが、カヤの油が重要視されそれが日本に伝わった事に由来しているとか、かつてこの葉を燻(いぶ)して、蚊を追い払う『蚊遣(や)り』に使われた事に因(ちな)んでいるなど諸説あるようです。弊社に材を観に来られた方には『バニラの甘い香り』と紹介していますが、その葉は蚊を追い払う効果もあるのですから、匂いの良し悪しも紙一重蚊もしれません。




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