森のかけら | 大五木材


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20110511 雨の色、木の色、材木屋万流①この数日、松山には久し振りの大雨が降っています。黄砂ですっかり汚れた車体を雨が綺麗に洗い流してくれました。それまで、このままでは夏の水不足が心配される状況でしたが、この雨で幾分回復したのでしょうか。いくら街に雨が降っても、ダムの周辺・上流に降ってくれないと、水が貯まりません。降りそうで降らない雨雲の中から光が差し込んで来たかと思えば、一転にわかに曇りスコールのようなどしゃ降りになったりと、配達にもシートが欠かせません。が、シートでの防水にも限界があります。

 

20110511 雨の色、木の色、材木屋万流②一度使ったシートは内側も結構濡れていますし、長尺材になるとシートもすっぽり被せられません。水不足の解消や農作物にはありがたい雨も、建築・木材関係者には恨めしくもあります。梁や桁、柱などの構造材のほとんどは、人工乾燥させたKD材が主流となっておりますが、コストの面も考慮して弊社では小物材や羽柄材は天然乾燥させています。バラ板(下地板)は、1枚1枚、桟を積み直して裏の資材置き場で乾燥させています。こうすればその隙間にも風が通って短期間で乾燥できます。

 

20110511 雨の色、木の色、材木屋万流③こちらはある程度乾燥が進んで半坪単位でまとめた状態です。厚みが12mmの板であれば、2週間も置いておけばかなり水分が抜けます。念のため3週間ほど寝かせて、それから加工をしています。今は、1面加工して厚みを揃えた下地板の注文がほとんどになっています。以前は、弊社で大工さんが加工されていたのですが、余計な加工はなるべく省いて現場を進めなければならないほど住宅建築のスピード化が進んでいます。更に施工の簡素化が進み、下地板から合板(コンパネなど)に転換されました。

 

20110511 雨の色、木の色、材木屋万流④それがこの震災の影響で合板不足問題が露呈して、にわかに下地板が脚光を浴びるようになったのですが、だからといって工業資材のように増産が出来るというわけではありません。たちまち下地板が逼迫してきて、今度は下地板まで不足するような事態に陥りつつあります。こういう時、我が社にはこれこれこれくらいの在庫があります!と自慢げに在庫をアッピールされる方もいらっしゃいます。資金に余裕のある会社はこういう時こそスケールメリットが生かせるチャンスなのかもしれませんが、建材と違って木材の場合、買い占めたからといってその分利益が増幅される商売でもないように感じます。その辺りは私の甘いところかもしれませんが、商品そのものの価値ではなく、相場で儲ける仕事は苦手です。相場がどうこいという問題ではなく、買ったモノに自分なりの色や味をつけて売りたいというただそれだけの事です。

 

20110511 雨の色、木の色、材木屋万流⑤相場だけで売ると、自分が自動販売機になってしまったようで、何かモッタイナイ気がしてしまうのです。こちらの方が欲深いのでしょうが・・・。安く買ったモノは結局安くしか売れない、長期在庫により品質劣化が発生するのでボロ儲けは出来ない、というような言葉が心に引っかかっていて、経営者としては烙印を押されても仕方がないのですが、『酒屋万流』同様に『材木屋万流』があってもいいと思っています。こういう時代だからこそ、今までのセオリーで計り切れない新たなビジネスモデルが必要なのかもしれません。

20110511 雨の色、木の色、材木屋万流⑥日たまたま偶然テレビで、東北大震災で被災して倉庫や流通システムが崩壊した水産卸の会社の方が、船上にカメラを持ち込みそこから漁を中継し、市場を介在させずに消費者に直接販売する取り組みを取材した番組を目にしました。その手法が今後どれだけ有効で確立できるシステムなのかかどうかは私には分かりませんが、志ある新たな取り組みを机の上で評価するだけの批評家にはなりたくありません。山に降る雨にも、海に降る雨にも色はついていません。その色を分析する賢者になるよりも、雨に濡れる者になりたいと思うのです。




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