森のかけら | 大五木材


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20111227 1家内と双子が東京に演劇鑑賞に行っている間に、中1の娘とふたりで久し振りに映画に行きました。まだ双子が幼稚園にも行かない頃には、無謀にもよく私1人+子供3人というメンバーで映画に行ったりもしていました。当然ながら幼い子どもは1時間もすれば、「出たい」、「おしっこ」、「(暗いので)怖い」と大騒ぎ(もはやパニック!)になるのですが、それでも再び同じ面子でチャレンジするのは、少しは成長してくれているのでは・・・というほのかな思いか学習能力の欠如か。では、少し映画の話。

 

20111227 2昔、『モンスターズ・インク』というディズニー・アニメを観に行った時には、ラストの感動的な場面で娘が大泣きして、その感受性の豊かさには嬉しく思ったものの、エンドロールになっても大声の嗚咽が止まず、それどころか益々声が大きくなるものですから、さすがに周囲の視線が気になって、逃げるように映画館を出ました。それでも親としては、その感性に感動すら覚えて、どこがそんなに悲しかったの?と訊くと、感動したのではなく、おしっこが我慢出来なくなったのだと・・・。

 

20111227 3そういえば、映画館を出ると速攻でトイレに駆け込んでいました・・・。私の生まれ故郷の町には映画館は無く、自由に映画を観に行けるようになったのは中学生になってから。遅い銀幕(鑑賞)デビューでしたが、その反動もあって、そこから大学を卒業するまでの間に映画館で観た本数、実に1000本以上!暗い青春時代でもありましたが、その蓄積が今こうして仕事の役に立っているわけですから、人生まさに塞翁が馬です。人の才能や好奇心は、自由である事の中からよりも、多少制約や締め付けがある中からの方がより発揮されたり膨らんだりするものではないでしょうか。

 

20111227 4家造りもそうですが、長年構想があって諸所の事情があって、なかなか建てられなかったけれど、ようやく念願が叶って、という方は打ち合わせをさせていただいても、ディティールにも相応のこだわりが垣間見れます。映画館で映画を観れなかった分、映画の本を穴が開くほど読んでタイトルや俳優を記憶して、勝手に作品の妄想を膨らませ楽しんでいたように、家造りも建てるまでの期間が長ければ長いほど、妄想が膨らみ自分なりのコンセプト・デザインが確立してくるのだと思います

 

20111227 5お話をさせていただいても、その樹種に対する並々ならぬこだわりをお聴きすると、その精度や色調、価格なんていう程度の要因で待ったをかけるなんて事は許されない事のように思えてしまうのです。もしも私がその樹種以上に適した材を提案したとしても、その樹種が施主さんの長年のこだわり以上の満足感を与える事は難しいと思うのです。なぜなら、どれほど素晴らしい映画も、映画を観る前に僅かな予備知識でパンパンに膨らませてしまった誇大妄想を越える事が(私には)出来ないからです。予算も俳優もロケもセットも湯水のように使い放題の、頭の中のイマジネーション劇場に勝てる映画などありません。それは、映画を映画館で自由に観れなかった不遇の少年時代の欲求が作り出した妄想マシーンが紡ぐ光と影のマジック楽しみを待つ時間こそが、本来の目的である楽しみ以上の楽しみを作リ出してしまうというパラドックスは、遠足でも修学旅行でも映画でも、当然家造りでも通ずる黄金法則だと思うのです。




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