森のかけら | 大五木材


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20120320 1少し前まで、弊社の屋根の無い土場で保管してある木材の上に朝霜が降りていたのが嘘のように日々温かくなってきました。今や建築用木材は『KD材』(人工乾燥材)が主流で、屋根の無い土場で材を保管するのは珍しい光景?。『KD材』とは「dried in a kiln」(窯で乾燥する)という意味で、大きな乾燥機に入れて材の含水率を20%以下にまで強制乾燥させます。梁や桁などの横架材や柱についてはKD材が常識となっていますが、どうしても木肌の光沢や艶も失われますので今でも『天然乾燥材』にこだわられる工務店さん、大工さんはいらっしゃいます。

20120320 2私が業界に入った頃は、まだ天然乾燥が主流で(プレカットそのものが定着していませんでしたから)、大工さんも数ヶ月前に木材を発注して、刻みまで乾かせるというのが「常識」だと思っていました。プレカットの台頭とともに工期の短縮化が進められ、いちいち材の素性や癖を気にしないで済む「乾燥材」がすぐに調達出来ることが求められるようになり、一気に時代はKD材へとシフトチェンジする事となります。それが悪いわけではありませんが個人的には「天然乾燥」支持派です。

 

20120320 3乾燥材の必要性は充分理解していますが、短期間の人工乾燥によって木材本来のみずみずしさや光沢や艶が失われていくのも事実。特に化粧材の場合は、それが「美しさの重要なファクター」でもありますから、出来ることなら引き換えにはしたくないのですが、現場がそれを待ってはくれないのも事実。 高度化した全国的な宅配システムによって、木材も『アスクル化』が進行。昔なら考えられないようなスピードで、全国から木材が届くことももはや当たり前。その大河に竿を差すのが現在の天然乾燥。

 

20120320 4しかし理想だけでは、未乾燥材が引き起こす悲劇(就職やねじれ、反り、カビの発生など)に対抗しきれません。バランスを睨みながら使い分けていくしかないのだと思います。弊社で天然乾燥させるのは、理想の実現という高邁な目的だけでなく、現実的なコストの問題も当然あります。本来の乾燥に必要な「時間」を「お金」に換える訳ですから、その分コストは増えます。1年かけてじっくり家づくり、なんて時代では無い事は百も承知で、時代と逆行するこんな材木屋を受け入れていただく人も居たりするから世間は面白い。




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