森のかけら | 大五木材


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ビワ(枇杷)のおいしい季節となりました。愛媛県の伊予市唐川は、ビワの産地として有名です。この近所にも、田舎の実家にもビワの木があり、この季節になると当たり前のようにビワを食べていました。ビワはとても身近な食べ物です。この数日は、頂き物のビワをたらふく食しています。甘味があってとても美味しいのですが、ビワには複雑な思いがあります。そもそも食用目的なので、材の事には目を向けたことはありませんでした。それが、幹の大きさや樹形を気にするようになったのは、そう森のかけらの影響に他なりません。

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それはまだ、【森のかけら240】リストが完成する前の事でした。【日本のかけら】も110種類を越えたあたりでしょうか、それから先は未知の領域でした。つまり、一般的に流通している材はほぼ揃ったので、滅多に見ることのない木を探さねばならないという事です。日本の木の種類はまだまだいくらでもあるのですが、建築・家具・クラフト材としての需要がないとなると、材としての流通は激減します。それを探すのが面白いのでもあるのですが、手に入れることが前提ですから楽しんでばかりも入られません。山奥にある木を伐採に行くことも現実的ではありませんし、あまりにも高価なきを購入することも出来ません。何でもかんでも揃うわけではありません。諸般の事情で泣く泣くあきらめた樹種も多いのです。まあ、永久にあきらめたわけではありませんが・・・とりあえず今回は断念したという事ですが!

20090621e38080e6a191efbc92今回断念した樹種のひとつが【ビワ】です。ビワの巨木を見たことがないので、中には大きな物もあるのかもしれませんが、私が目にするビワの木はどれも径が細く極端に曲がっています。直径が小さいと、芯をかんでしまい割れたりねじれの原因になります。芯をずらして木取りするためには、最低でも150㎜ぐらいの直径は欲しいところです。杉や桧のような通直材なら100㎜でも充分ですが、曲がったり凹凸があると、効率的に取るために水平に加工して割っていきますので、丸太の時の印象よりもかなり小さくなってしまいます。そういう意味では果樹の木は全般的に【森のかけら】には難しい木だといえます。しかし、ごく身近な所にあり、その実を食していながら、【かけら】を作れないというのは悔しいものです。

 

 

いろいろな果樹に挑戦しました。その結果が今の240種のリストですから、それに含まれていないという事は、①材そのものが【かけら】に適さなかった・・・径が小さく曲がりや反りなどで木取りできなかった、加工したが使えなかった ②その時どうしても手に入らなかった・・・無念! のいずれかの理由です。あまり知られていない事ですが、愛媛県は【キウイ】の生産量日本一で、勿論【キウイ】の木も削ってみました。しかし、これが削ってみると、木がねじれ芯から放射状にバキバキに割れてしまいました。何本削っても駄目でした。【ミカン】と並んで、愛媛発のオリジナル商品の「売り」にしたかったのですが・・・。どなたか大きなビワの剪定材お持ちの方いましたら分けて下さい!他にも、【サルスベリ】や【ナツメ】などもリストに加えたかったのですが、いろいろあって今回は断念しました。思うようにはいかないところが、『天然素材』の所以でしょう。

それともうひとつ、リストに載せなかった理由があるのですが、それはまたいずれ別の機会にお話します。【ビワ】も【サルスベリ】も【ナツメ】も決してあきらめたわけではありません!




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