当ブログに記載の商品の料金、デザインは掲載当時のものであり、
予告無く変更になる場合がございます。
現在の商品に関しまして、お電話、又はオンラインショップをご覧ください。
『木は決して人間のためだけにあるのではありません』。それでも人は多くの木を伐採し暮らしに利用してきました。人が木を伐採し使ってきた量は、かつて地上に存在したどの生物よりも多いことでしょう。しかし一方で木を植林し育てられるの人間だけです。木を仕事とし、木に携わって生きてきたひと誰もが、決して遊びで原木の皮を剥ぎ、虫をしに至らしめているわけではありません。その先には家族や従業員やお客さんがいらして、生きる糧となっています。
でもその代償に失われる小さな命があることも忘れてはならなないと思います。耳付板を手入れする時、硬い鬼皮を鉈で剥ぎ取ると、皮と一緒に数十匹の幼虫もボトボトと落ちてきます。いい気持ちがしないのは見た目のせいではなく、いわれなく奪ってしまう小さな命に対して。虫も殺さぬ聖人のような人間ではありませんし、偽善者のような事を言うつもりもありませんが、「作業」として慣れてしまうことにためらいを感じなくなると感受性が麻痺してしまいます。
せめて心の中で虫たちにも申し訳ないという気持ちぐらいは持っておきたいと思うのです・・・。さてこの幼虫の正体は「ウスバカミキリ」。右が成虫の姿。成虫になっても体長はせいぜい20~30mmほどの大きさですが、顎の力は半端ではありません。以前この虫については触れさせていただきましたが、長い触覚が牛の角のように見えることから別名を「天牛(てんぎゅう)」と言います。成虫になると薄皮を穿孔して外に飛び出しあちこちを徘徊。耳付き材を扱う材木屋の倉庫では見慣れた光景です。
同じ虫でもヒラタキクイムシのように小さくて発見も難しく、気がついた頃には骨の髄まで喰われているというような始末の悪い虫ではありませんので、なるべく幼虫の頃に強制退去してもらえば、被害も最小限に食い止められます。基本的には辺材の白太部分を中心に食べるので、材が入荷して早い段階で鬼皮を剥ぎ落としておけば心配はありません。幼虫がいたとしても穿孔穴が直径4~5㎜ぐらいの大きさなので発見も容易。徐々に皮を剥ぎ取っていく工程はこういう感じです。
穿孔穴も浅いものはグラインダーで磨けば問題ありませんし、深い穴とて使い方次第。虫穴があるから使い物にならないなんて考えずに、使えるものに使えばいいのです。せめてそれぐらあいの心がけがなければ、虫たちの住処や命を奪った者としては申し訳が立ちません。ちなみにクルミの木言葉は「英知」、「知性」、「知恵」です。『木言葉書』では、引越しの挨拶にご提案。リスが隠して掘り起こし忘れたクルミがやがて芽を出しますが、それは偶然ではなく、英知の実を食べたリスが森と交わした約束なのです。
Category
- 1. 今日のかけら
- 2. 木のはなし・森のはなし
- 3. 木の仕事
- 4. 草と虫と鳥と獣と人と
- 5. 木と映画と舞台とテレビ
- 6. ひと・人
- 7. イベント・講演会
- 8. 気になるお店
- 9. ちょこっと端材
- WOODENTAG& 日本百樹札
- 「森のかけら」舞台裏
- えひめイズム
- おとなの部活動
- お酒にまつわる話
- かけら世界紀行
- かけら日本紀行
- アート&デザインのかけら
- オフセット・クレジット
- オンラインショップ
- キッズデザイン&ウッドデザイン
- スポーツと木
- ハードウッドとウッドデッキ
- パプアニューギニアL.M.H
- フルーツウッド
- メディアあれこれ
- モクコレ WOOD COLLECTION
- モザイクタイル
- モザイクボード
- 一枚板を見せていこう!
- 円い森・円き箱・木言葉書
- 媛すぎ・媛ひのき
- 愛媛のこと
- 愛媛木青協のこと
- 木と本
- 木のものあれこれ
- 木のものづくり+α
- 木のもの屋・森羅
- 木の家具
- 木の玉プール
- 木育のこと
- 未分類
- 森と生きものたちの記録
- 森のかけら玉
- 森のかけら36・森のかけら100
- 森のこだま/森のたまご
- 森のしるし
- 森のめぐみ
- 森のりんご
- 森の出口
- 森の砂・森の粉・森の羽
- 森の5かけら
- 無垢の家具
- 異業種&産官学
- 端材のこと
- 誕生木・12の樹の物語
- 道後温泉とかけら屋
- 都市林業とビーバー雑木隊
- Loopto in Ehime
Archive
Calendar
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | ||
6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
13 | 14 | 15 | 16 | 17 | 18 | 19 |
20 | 21 | 22 | 23 | 24 | 25 | 26 |
27 | 28 | 29 | 30 | 31 |