森のかけら | 大五木材


当ブログに記載の商品の料金、デザインは掲載当時のものであり、
予告無く変更になる場合がございます。
現在の商品に関しまして、お電話、又はオンラインショップをご覧ください。

20121102 1木は決して人間のためだけにあるのではありません』。それでも人は多くの木を伐採し暮らしに利用してきました。人が木を伐採し使ってきた量は、かつて地上に存在したどの生物よりも多いことでしょう。しかし一方で木を植林し育てられるの人間だけです。木を仕事とし、木に携わって生きてきたひと誰もが、決して遊びで原木の皮を剥ぎ、虫をしに至らしめているわけではありません。その先には家族や従業員やお客さんがいらして、生きる糧となっています。

 

20121102 2でもその代償に失われる小さな命があることも忘れてはならなないと思います。耳付板を手入れする時、硬い鬼皮を鉈で剥ぎ取ると、皮と一緒に数十匹の幼虫もボトボトと落ちてきます。いい気持ちがしないのは見た目のせいではなく、いわれなく奪ってしまう小さな命に対して。虫も殺さぬ聖人のような人間ではありませんし、偽善者のような事を言うつもりもありませんが、「作業」として慣れてしまうことにためらいを感じなくなると感受性が麻痺してしまいます。

 

20121102 3せめて心の中で虫たちにも申し訳ないという気持ちぐらいは持っておきたいと思うのです・・・。さてこの幼虫の正体は「ウスバカミキリ」。右が成虫の姿。成虫になっても体長はせいぜい20~30mmほどの大きさですが、顎の力は半端ではありません。以前この虫については触れさせていただきましたが、長い触覚が牛の角のように見えることから別名を「天牛(てんぎゅう」と言います。成虫になると薄皮を穿孔して外に飛び出しあちこちを徘徊。耳付き材を扱う材木屋の倉庫では見慣れた光景です。

 

20121102 4同じ虫でもヒラタキクイムシのように小さくて発見も難しく、気がついた頃には骨の髄まで喰われているというような始末の悪い虫ではありませんので、なるべく幼虫の頃に強制退去してもらえば、被害も最小限に食い止められます。基本的には辺材の白太部分を中心に食べるので、材が入荷して早い段階で鬼皮を剥ぎ落としておけば心配はありません。幼虫がいたとしても穿孔穴が直径4~5㎜ぐらいの大きさなので発見も容易。徐々に皮を剥ぎ取っていく工程はこういう感じです。

 

20121102 3

穿孔穴も浅いものはグラインダーで磨けば問題ありませんし、深い穴とて使い方次第。虫穴があるから使い物にならないなんて考えずに、使えるものに使えばいいのです。せめてそれぐらあいの心がけがなければ、虫たちの住処や命を奪った者としては申し訳が立ちません。ちなみにクルミの木言葉は「英知」、「知性」、「知恵」です。『木言葉書』では、引越しの挨拶にご提案。リスが隠して掘り起こし忘れたクルミがやがて芽を出しますが、それは偶然ではなく、英知の実を食べたリスが森と交わした約束なのです




オンラインショップ お問い合わせ

Archive

Calendar

2024年5月
 12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
2728293031  
Scroll Up