森のかけら | 大五木材


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Exif_JPEG_PICTURE 実家で迎えた雪の正月、白銀の世界に一変した故郷の風景を見ながら頭に浮かんだのは、道なき道を歩く高倉健さんの姿!昨年末にご逝去されて、自宅でひっそりとひとり追悼DVD鑑賞会を開いていて、その間に何本もの健さんの映画を観ていました。世代的には、任侠映画の唐獅子牡丹の渡世人・花田秀次郎ではなく、元ヤクザで今は堅気として暮らしている無口でタフな初老の親父キャラとして受け入れてきました。主演映画で言えば『幸福の黄色いハンカチ』や『冬の華』、『動乱』、『野生の証明』などなど。

 

20150103 3中でも私が一番好きな「高倉健」は、『駅STATION』と『居酒屋兆治』。かつて高校野球のエースとしてならした男が、栄光の青春時代と挫折を経て小さな居酒屋を夫婦で営んでいます。周辺からはお人よしとからかわれれもいつも頭を下げるだけ。学生時代の先輩(伊丹十三)に絡まれても耐えていた兆治の堪忍袋の緒が切れる瞬間のカタストロフィイたるや、まさに花田秀次郎の殴り込み!しかし何かに兆治に難癖をつけて悪態をつく伊丹十三の嫌なクズっぷりは、同県人として申し訳なくなるほどの名演。

 

20150103 2人が人を思うことは誰にも止められない」というキャッチコピーもよかったですが、舞台が場末の居酒屋という事で派手さはないものの出演者の顔ぶれを見ると豪華絢爛。人生いろいろありまして、それでも男は黙って生きていく的なお話と、そんな健さんに迷いなくついていく奥さん(加藤登紀子)。まあ今にして思えば、随分と男目線の都合のいい話ではあるのですが(兆治の元恋人が大原麗子で、火事騒動もあったり、警察沙汰にもなるものの)、それゆえに世の男の憧れのスターたりえたのでしょうが。

 

20150103 5原作は山口瞳の小説で舞台は北海道の函館でした。ストーリーだけ文字で追うとかなり暗い話ですが、映像で見るとドライな印象を受けます。もう1本の『駅STATION』も舞台は北海道の札幌周辺ですが、こちらは脚本が倉本聰という事もあって兆治よりももっと抒情的な話です。それでも健さんとは『網走番外地』の頃からの古い付き合いの降旗康男監督が、抑制の効いた演出で、劇中テレビの紅白歌合戦で流れる矢代亜紀の『舟唄』のような大人の色気漂うしっとりとした印象を受けるのです。

 

20150103 4実は兆治も降旗監督なのですが、同じ健さん主演でも雰囲気が随分違って感じられます。『駅』は、元妻にいしだあゆみ、飲み屋の女将に倍賞千恵子という配役もあり、他人との接触に控えめでドライな人間関係の『兆治』に対して、ひとの温もりに渇望するような『駅』の健さんに惹かれるのです。『駅』は、他にも永島敏行、古手川祐子、田中邦衛、小松政夫 、烏丸せつこ、根津甚八、宇崎竜童、室田日出男、池部良、佐藤慶、平田昭彦、大滝秀治など名優たちが総出演の大好きな作品です。続く・・・




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