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先日、気の置けない木材関係の仲間たちと街で飲むことになったのですが、折角なのでいつも行っていない店に行こうという事になり、その内の一人が知っている『炙(あぶ)り』が売りの店に行くことに。私は初めてだったのですが、それが市内三番町にある『黒船』。事前に話を聞いていたら、何でもかんでも炙ってしまうかなりマニアックな炙り専門店かと思っていましたが、そういうわけではなくて炙り以外にも蕎麦やその他の料理もありますのでご安心。
まずは、地元のお酒(松山三井)で喉を潤して炙り料理を待ちます。以前は、全国クラスの有名日本酒を追いかけた時期もありましたが、歳を重ねると地元の酒の方が妙に落ち着くというか、収まりがいいというか、口に合うような感じになってきました。食べ物・飲み物と一緒にするのはどうかとは思いますが、木についても地元の木に愛着を抱くようになるのは、特性や合理的であるという理由よりも、郷愁や抒情的、感情的な部分が強くなるのかもしれないなあと・・・。
さて、メインの料理の方もほどよい炙り加減でとても美味でした。こちらはトロにも引けを取らないともいわれる脂がたっぷりのった『ノドグロ』の炙り、最近、こういう炙り料理を謳ったお店も増えているそうですが、材木屋として「炙り」と聞いて連想するのは、燻製に使う木の事。炙りと燻製は根本的に違いますが、どちらも火や煙を使って料理を美味しくするつながりで、スモークウッドについて。知識としては知っていてもインドア人間である私は実演したこともないのですが・・・。
一般的に燻製に使うのは広葉樹で、煤が多くて黒ずんだり、ヤニっ気のある針葉樹はその匂いが敬遠され使われることはありません。普段は「木に貴賤なし!」と公言しながらも、ヒノキ・スギ・マツのビッグ3に代表される針葉樹スター軍団に比べると、圧倒的に知名度の低い広葉樹の方をついつい贔屓してしまうのが偏屈材木屋の本懐。なので、こういう風に広葉樹でなければならない、という「出口」とかを取りあげる際にはつい必要以上に感情移入してしまうのです。続く・・・
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