森のかけら | 大五木材


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六甲山のアセビからは『森の毒りんご』が生み出されましたが、黒田慶子先生は神戸大学の構内で伐採された『エノキ(榎』を自分たちで乾燥させて、オーダーキッチンの突板にされました。その経緯については黒田先生のブログに詳しいのですが、樹木が材木になるまでの過程でかなりのご苦労がおありになったようです。木材の場合、伐採、製材、運搬、保管、加工などその工程において様々な専門業者が関わらねばなりませんが、それがうまく繋がっていないと信じられないくらい流れが停滞して物事が進んでいきません

我々業界ではその流れが仕組みとして確立されているので、SNSなどでアップされた丸太(ビフォー)と板(アフター)が並んでアップされたりすると、丸太がいとも簡単に板材になるかのように思い込まれるかもしれません。昔は製材所や材木屋だけでなく木材産業に携わる会社も人も多くいたので、一般の方が所有する山の木を伐って家を建てようと思っても、その流れに乗ることも難しくはありませんでしたが、ひとたびその流れが断ち切れてしまうと、丸太を板にすることがとんでもなく難しいことになります。

ここで言う板は、ただ丸太を挽いたという意味ではなく、乾燥などの工程を経て「住宅や家具などに使えるような資材としての板」の意味です。そういう現実を嘆いたり、新しいシステムの構築を叫ばれる人は沢山いますが、実際に経験してみなければ本当の問題は見えてこないと思います。黒田先生のえらいところは、それを実際に実践されているところ。そして幾多の葛藤がありながらも、もともと癖が強いエノキを突板にしてオーダーキッチンにまで仕上げられて結果を出されたとろこ、素晴らしいです。

そういう経験をされたからこそ、各地で整備の進まない里山実情が本当に歯がゆく思われていることとお察しします。植林や伐採、加工、商品化などという各工程がぶつ切りでの里山整備ではなく、それがひとつの流れになれば、利用価値が無いと思われている里山の木の利用も進んでいくのではないかとの思いで、黒田先生と考え出したのが、『黒田慶子教授監修・日本の里山の木36(仮称)』です!森のかけら240種の中から、代表的な里山の木を36選んでいただき、里山の整備などに関する先生の手引書をセットにした新シリーズ

私にとって【森のかけら】は、端材から生まれた『出口』の1つですが、買っていただく方にとっては森や木の事を知るための『入口』だと考えています。同様に『里山の36』も、里山の事を考える『入口』や、里山整備に関われる方にとっての道しるべ(里山の多様性や材としての利用まで含めた)の1つになればと考えています。そんな話があまりに盛り上がりすぎて、帰りの電車の時間がギリギリになるほどでした。早速樹種の選定をしていただいていますが、新しい『かけら』の仲間が登場することになるかも?!これにて神戸大学かけら探検隊の話終了~、皆さんありがとうございました!




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