森のかけら | 大五木材


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091229_1539~0001先日、中国河南省で『曹操の陸墓』が発見されたというニュースが話題になりました。三国志の英雄にして稀代の傑物・曹操の陵墓が今まで発見されていなかった事の方がむしろ不思議でもあります。陵墓からは60歳前後とみられる男性の遺骨が見つかったということですが、洛陽にて66歳で死去したという史実と整合性があり、また「魏武王」と刻まれた銘文があったことなどからも暫定的な鑑定では曹操本人であるとされたようです。これから専門的な鑑定で更に正否が明確になるのでしょうが、かなり信憑性が高いもののようです。一般紙ではあまり大きな扱いではありませんが、三国志ファンにとっては歴史的な大発見でしょう。こういう場合、よく【木簡】が出土する事が多いのですが、いずれいろいろな物も公開されると思います。三国志の時代の木簡、曹操が手にした木簡、もうそれだけでも浪漫があるではないですか!

私は熱狂的な三国志ファンというレベルではありませんが、こういう歴史物は結構好きなのでいろいろ読みました。どこにでも三国志ファンと『必殺!』のファンはいるものです。男が三人集まれば一人ぐらいは三国志に詳しい人間がいるものです。

 

20091229 三国志蜀の劉備か呉の孫権か魏の曹操、誰を支持するかという事だけで常に論争になるのは大人気ないと思いながらも、この種の話は盛り上がります。私はNO.1とかが嫌いなひねくれた性格なので、三国志の中でもっともに気のある劉備は問題外です。三国志の中では、英雄扱いされる劉備の敵役のような扱いを受け、乱世の姦雄(かんゆう)とも呼ばれる曹操ですが、鬼神の如き伝説に彩られたキャラクター像には惹かれます。昔、三国志を描いた漫画といえば横山光輝氏の『三国志』の大長編コミックが定番でした。

当然読みましたが、まだ中国の歴史がよく理解できないうえに登場人物が多すぎてかなり混乱しました。また横山光輝氏のライフワークとも呼ぶべき力のこもった労作なのですが、キャラクターの表情が似ていて正直、登場人物が増えれば増えるほど誰が誰やら分からなくなり、何度も何度も前の巻を読み返さなければなりませんでした。

20091229 蒼天航路その後も、三国志を題材にした小説や漫画は数多く出版されましたが、やはり時代背景が複雑で、馴染みの薄い地名や名前に翻弄されるばかりでした。それが数年前に出版された『蒼天航路』(王欣田太・画 李學仁・原案/講談社)で一掃されました!珍しく曹操の視点で三国志が描かれ、そのスーパースターぶりがドラマティックに活描されていて、全36巻は今でも何度となく読み返しています。壮大なスケールと歴史をまたぐ個性溢れるあまたの登場人物、大胆過ぎる解釈、そして血肉踊る湧き踊る切れ味鋭い筆致と、漢詩や格言名言のごときシンプルで歯切れの良い台詞!そのどれもが衝撃でした!

20091229 蒼天航路・孫権若かりし頃の曹操が北部尉(北門の警備隊長)を命じられた時に、威厳をもって職にあたり、『諸君!蘭心竹性(らんしんちくしょう)の気風で役目せよ!』と激するシーンがあります。そういう台詞の積み重ねから曹操という人間性が見えてきます。一族郎党を根絶やしにするような苛烈な戦を繰り返し、乱世の姦雄のイメージで語られる曹操ですが、『蒼天航路』では政治だけでなく音楽や詩歌にも才気煥発・才色兼備の万能人、皆を惹きつけてやまない破格のキャラクターとして描かれます。しかし、その曹操よりも私が心を惹かれるのは、孫権を含む呉の孫家なのです。

この話、明日に続きます!




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