森のかけら | 大五木材


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ミズメザクラ』のもっと有名な全国的な別名は『アズサ(梓』。昭和40昭和年代生まれとしては、その名前を初めて聞いたのは、1960年代の日本歌謡界に彗星のごとく現れた歌手・梓みちよ。ではないでしょうか。大ヒット曲「二人でお酒を」は、子どもだった私にはムード溢れるおとなの歌謡曲でした。それで、梓という言葉を覚えましたが、それが木の名前だと私が知るのは材木屋という仕事をしてからしばらく経ってからのことです。その後、結婚してから定期的に我が家に届くある冊子のお蔭でより強く『梓』を意識するようになります。

この文章を書いていて、そういえばこのくだりは書いた気がすると思ってブログを読み返してみたら、以前にも水目桜の材質を紹介するにあたって同様の事を何度か書いていました。という事は、その時にももっと詳しく話を掘り起こして『今日のかけら』に広げれる機会はあったはずなのに、やはりミズノの名前のややこしさや実例の乏しさから諦めたのだと思います。ということで、その際にも持ち出したのが、家内が大学時代に所属していた愛媛大学の弓道部の部誌のタイトルが『梓弓』。それは、弾力としなりのある梓(=ミズメザクラ)が、弓の素材として利用されていたことに由来しています。

では梓(アズサ)とは何ぞやというと、雄花の尾状保穂が重なり合って小枝の端から垂れ下がるさまを厚房(あつふさ)と呼んだことがアズサに転化したのだそうです。歌手の梓みちよさんの芸名の由来は知らないのですが、彼女の本名が林美千代という事なので、もしかしたら「林だから梓」的な連想があったのかも。なおアズサもヤマザクラに似て、材質に艶があって色気がある木なので、そういう部分も命名に作用したと思ったとしたら深読みか?歌謡曲の事を書いていて梓つながりで思い出したのが、兄弟デュオ・狩人が歌った『あずさ2号』。私がまだ小学生だった頃、1977年の大ヒット曲です。

乗ったことはありませんが、改めて調べてみると、新宿駅 ~松本駅間で運転を開始した臨時夜行準急で、名前の由来は松本市の近くを流れる「梓川」(犀川の上流域)にちなんでいるそうです。恐らくその辺りにアズサが生えていたんでしょう。材としてのアズサはヤマザクラと同じような用途に使われてきました。三味線や琵琶の胴などの楽器や器や盆などの漆器木地にも利用されてきましたが、材質が滑らかで堅牢なこともあり版木としても珍重されました。本を出版する事を上梓(じょうし』と言いますが、それはかつて版木にアズサの木を使っていたことの名残でしょうか。明日につづく・・・

 




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