森のかけら | 大五木材


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毎年この時期にブログを書く際に気にしていることがあって、それは日頃からあまり積極的に活用したり出口開拓をしていない『マツ』について。その誕生月である1月の『松の内』ぐらいは、マツの木の話に特化しようと思ってはいるのですが、なかなか続かない・・・というか早々に諦めてしまっています。ちなみに最近あまりその言葉も使わなくなりましたが『松の内』とは、元旦から7日、あるいは15日までの松飾を飾っておく期間の事です。まあそもそも門松すら飾っていない者が何を言わんやという話なのですが、そんな後ろめたさもあって少しだけマツの話。

マツはマツでも日本のマツではなく、北アメリカ産の『サザンイエローパイン』。今までブログにもほとんど登場していないのは、この木ががどうこうというよりも、弊社ではあまりマツの出口自体が定まっていないので縁が薄いのです。多少は在庫しているのですが、「何の木でもいいけどマツ以外で」と注釈が入るぐらい「ヤニの出る木」はどうしても敬遠されてしまいます。ただサザンイエローパインなどは、現地でしっかり乾燥機で乾燥処理されているので、この後からヤニが発生することはほとんど無いとは思うのですが、マツ=ヤニの印象が刷り込まれています。

しっかり乾燥させるとヤニっ気もすっかり失せてしまうのですが、表面にザラメ状のヤニが吹き出ることはあるし、触るとネチャットしてマツ独特の触感はあります。しかしこれはマツの個性ですので、それをどうこう言っても仕方ない。それまで否定するとマツの存在そのものを否定するのに等しい。それでも若い頃はマツが苦手で、朝から梁丸太など触らないといけない時は疎ましく感じたりしてました。今は製材品はほぼKD化されて丸太のような生材に触る機会は少なくなり、掌がヤニでネチャネチャ真っ黒なんてことはほとんどありません。

そうなったら妙なもので疎ましく思えたヤニすら懐かしく思えたりします。先日もサザンイエローパインを見ていたら、すっかりヤニが抜けきったヤニ壺がありましたが、こちらも年を重ねたせいか、その姿に若い頃とは違う感情を抱きました。乾燥機で強制的に脱脂されたのでしょうが、なんだかご苦労様とねぎらいの言葉でもかけたいような気分。木に対する見方も、木目が整っているか光沢がどうか色合いがどうかといった品質的な評価よりも、趣きや味わい、存在感といった情緒的なものを重視するようになってきました。

そういう観点から見るとマツは実に趣き深い木です。外国のマツは日本のマツとはひと味違った印象があります。その木理も通直で力強くダイナミック。サザンイエローパインは全体的に色味が均一で、板目部分には炎が立ちあがるような豪快な杢が現れます。その部分にクラックが入りやすいため装飾的に使う事が難しい木でもありますが強度は抜群。摩耗にも強いことからヨットやボートなど船舶の部品やウッドデッキ、公園の遊具などにも使われます。若い頃とは違う視点でマツの出口を探していきたいと思っています。




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