森のかけら | 大五木材


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ビワモドキ科の広葉樹・ディレニアはインドやインドシナ半島からパプアニューギニア、フィジーなどの東南アジアの島々に広く分布しています。淡水や泥炭湿地林、低地林などにおよそ60種の仲間が分布しています。日本に入って来ているのがその中のどの種にあたるのか詳しい事は分らないのですが、入手できたディレニアを見ると色合いなどにかなり差があるように感じます。日本で総称してディレニアと呼ばれている木にも幅があるので、ここから先はあくまでも私が手にしたディレニアについての印象です。

先日紹介したように私の周辺では造船の盤木土木の杭などに利用されていて、ディレニアの名前で呼ばれていますが、ディレニア(Dillenia)というのは学名のビワモドキ科Dilleniaceaeから来ています。PMGではディレニアの名前で通っているようですが、インドネシアやマラヤ、サワラクで、サバ、ブルネイなどではシンポ―(Simpoh)フィリピンではカトモン(Katmon)と呼ばれています。調べると赤い蕾と鮮やかな黄色い花が特徴的ですが、軟らかくて大きな葉は包み紙としても利用されるそうです。

さて肝心の材の方ですが、造船の盤木や土木資材に使うぐらいですからかなり重硬なのですが、60種ほどが含まれるグループなので気乾比重にもバラつきが見えて、0.56~0.93とデータの振り幅が大きいようです。私が入手しているのは総じて重硬なのですが、重さよりも違いが大きいのがその色合い!紫色を帯びた赤褐色のものから、赤茶系のものまでさまざま。35㎜角のキューブにして並べると、これは同じ木じゃないでしょう~と言われるのは必至。そもそも60種ほどの仲間を含んでいるので違う木なんですがね・・・。

ディレニアに限らず、東南アジア系の木は多くの仲間を含むグループが多いので、かけらにすると特徴が際立ち、総称名でくくることに疑問を感じる事が多いのですが、もうこれは仕方ない。「私の知ってる木とは違う、樹種名間違ってます」というコメントはしばしばいただきますが、そこがまさに木の分類の難しさ!数ある中のどれを、その木としてイメージするかでその木の印象は大きく変わってきます。私の中のディレニアは、生木の時には毒々しいまでの赤紫の妖しい木。水っ気が抜けると茶褐色になるのが残念すぎる・・・




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