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| 本日は『ウォーターガム』という名前とその用途についての話。まずこの名前ですが、種類が1,000を越えるということもありその名前も地域によってさまざま。日本ではほぼ『ウォーターガム』で定着していると思うのですが、その名前で呼んでいるのはパプアニューギニア。分布している東南アジアの諸国では国ごとに名称が異なります。ミャンマーでは、タイではWa、ベトナムではTram、フィリピンではMakaasimなどなど。マラヤではKelatと呼ばれていて、この日本語表記の『ケラット』として掲載している樹木図鑑もあります。 |
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まあこれらとて果たして同一の木を言いあらわしているのかは定かではありませんが。『森のかけら400』にはウォーターガムを加えるにあたり、この木の解説文を書こうと調べ始めたのですが、決定的な出口が定まらない木なので何か特徴的な事が書けるのか不安でしたが思わず繋がりが分かって思わず膝を打ちました!やはり好奇心旺盛にいろいろなところにアンテナを上げておくものだと思いました。この木の果肉は食用にもなるようです食用目的の栽培も多いらしいのですが、それ以上に価値があるのが強い芳香を持つ花(花の蕾)。 |
| それは1,000を越えるウォーターガムの仲間のうち、モルッカ諸島原産のEugenia caryophyllataという木で、その花の蕾を乾燥させると更に刺激的な匂いを放つ香料になり、スパイスカレーなどの香辛料(クローブ)に使われます。そのため『クローブツリー( Clovetree)』とも呼ばれています。最近の本では学名がSyzigium aromaticumと記載されています。研究が進んだ結果学名が変わるということもあるので何かあったのかもしれません。ウォーターガム=クローブツリーではありませんが、「スパイスの木の仲間」と分かっただけで途端にウォーターガムが身近に感じられるようになってきました。 |
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さてご縁を感じたのはここからで、そのクローブは江戸時代に胡椒と共に伝来し、香料として匂い袋などに入れられ人気を博したそうですが、日本では「丁子(ちょうじ)」と呼ばれました。この丁子が仏教では瑞祥的な意味が込められた宝物とされていたため、公家や武士たちが競って家紋に取り入れました。家紋のマグネット『森のしるし』を作った際にこの「丁子紋」が出てきたのですが、大根のデザインだとばかり思っていて丁子と知ってもピンときませんでした。それが今回ウォーターガムとつながり、ここでも繋がるか~!(無知だっただけですが)と独り興奮を隠しきれません。 |
| 『ウォーターガム』の話の続き・・・今から5,6年ぐらい前に瀬村製材さんの土場でたまたまウォーターガムの材を見つけました。樹種の指定をしたわけではなかったけれど、重硬な材を頼んだらたまたまM.L.Hの中に混ざっていたそうで、丸太は挽かれた後でしたがその一部が残っていたので分けてもらいました。既に『森のかけら』の240種の解説書は完成した後でしたが、いずれ樹種を増やすときのため、あるいはリストのレギュラー選手たちに不測の事態があった際のスーパーサブになればと考えたのでした。 |
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それでしばらくは40㎜の角材にして乾燥させておいたのですが、実物のウォーターガムを手にしたのはその時が初めてだったので、どうしても完全に乾燥するのが待ちきれなくて、いつもより早めの乾燥期間で35㎜角のキューブに加工してしまいました。初めて掌の上で眺めた『ウォーターガムのかけら』は眩しく輝いて見えたものでした。チークやブラックウォールナットなどのように高価だから輝いて見えるのではなく、その人にとってどれだけその木が大切であるかによって木は輝きを放つのだと実感。 |
| 世間一般では、「その他大勢」などと十把一絡げにされ固有の名前ですら呼んでもらえない木だって、それを必要としている人のところへ導ければ宝物になるのだと強く感じた瞬間でした。ところがそんな私の甘い感傷を引き裂くような現実が起こります。早く完成品を見たい、触りたいと、急いたため乾燥が甘かったため、その後しばらく経って並べてみると他のかけらよりもひと回り小さくなっているではないですか!乾燥しきっていなかったので加工後に収縮してしまったのです。手に入った材をすべて一気に加工してしまったためウォーターガムは全て『夢のかけら』行きに・・・。 |
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これはウォーターガムに限ったことではなくて、ほとんど情報も無い樹種を加工する場合はトライ&エラーの繰り返し。今までもさまざまな失敗をしてきました。しかしそのお陰で普通の樹木図鑑には載っていないようなマニアックな材の性質や特徴を得ることが出来ました。文字通り肌感覚で得た実用的な情報です。かけらの1ピースとしては非常に重要な木でしたが、材としてはキクイムシによる虫害が多いのと木が小さなため割れが出やすいので用途は限定されるかもしれません。現地での利用も主に造船や車両、橋梁などの重構造材、農機具などが多いようです。続く・・・ |

