森のかけら | 大五木材


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 ★今日のかけら・#104 【無患子/ムクロジ】 ムクロジ科ムクロジ属・広葉樹・宮崎産

mukuroji no kakera

 

 

 

 

 

 

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季節モノの木』というものがあって、特定の季節になるとこぞってメディアが取り上げて脚光を浴びるものの、その季節が過ぎると悲しいほどに見向きもされなくなってしまう木、いわば旬ものの木というものがあって、そのうちの1つを毎年毎年この季節に紹介しようと思いながらいつもいつもタイミングを逃してきました。今年も既に1月も後半に差し掛かり旬ではなくなったものの、滑り込みで今年はご紹介させていただきます。

 

20150121 2それが、ムクロジ科ムクロジ属の『無患子(ムクロジ) 』。この少し変わった名前は、「患わ無い子」とも読み取れ、何だか縁起のよい名前のようにも思われますが、古来に中国大陸から渡来して、漢名の音読みが変化してこの名前になったとされています。その由来はいくつかの説があって、無患子(ムカンジ)がムクロジに変じたとか、同科のモクゲンジの漢名『木槵子』が誤って使われた説などありますがいずれにせよ字音に由来します。

 

20150121 3高さ20m程度の落葉高木で、寺社の境内などに植栽されていますが、山中ではほとんど見られることがないようです。果皮にサポニンを含んでいて、泡立つことから物資の少ない時代には石鹸の代用品として選択や洗髪にも利用されてきました。英語名は『ソープナッツツリー』で、海外でもエコロジカルな天然素材の石鹸として親しまれています。果実にはサポニンが多量に含まれているため、鳥や虫に食べられることもありません。

 

20150121 4そのため農薬などを使わないで収穫出来る事からナチュラルな石鹸として人気もあるようです。ではなぜこの木が1月の季節モノの木なのかというと、秋に熟した20〜30㎜の球形の果実がつくのですが、それが正月の風物詩・羽根突の羽根の玉に使われてきたからです。まあ正月に羽根突というのも今やすっかり過去のもので、テレビの中で演じられる昔の正月遊びになってしまいましたが、そこには先人たちのある思いがあったのです・・・




立派な神代木を山ほど在庫して全国へ流通されている大きな銘木屋さんならいざ知らず、基本的に愛媛を商圏としている弊社のような零細材木屋にとっては、高価な神代木の大物は高嶺(高値)の花。『神代』というのは、タイムカプセル形容詞なので、いろいろな樹に対してその冠はつくわけで、神代欅とか神代楢とか神代栗とかいろいろあるわけですが、同じ神代の中でも広葉樹に比べると針葉樹は比較的出土後の暴れっぷりは少ないです。

スギヒノキの場合、ケヤキなどのように大暴れしたりねじれまくる事は少ないものの、収縮、割れ、腐食は多く見受けられます。そんな神代杉の板材を幾らか在庫しています。木であって木でなくなっているため、強度や精度の安定性は望むべくもなく、あくまでも装飾的な用途に使わせていただくのですが、その一部は【森のかけら】として再生させてもらいます。そんな場合は、ザックリ割れとか入っていた方が諦めもつきます。

もう【かけら】意外に用途が考えらないようなコンディション(割れたり反っていたり)であれば、私のモッタイナイレーダーにも反応が薄いのです。神代木に関して言えば、弱い部分は土の中で既に腐食してしまっているので、耳の辺りは大体ボロボロ。その付近について言えば【森のかけらこそが無駄なく骨までしゃぶって使い切れる商品サイズなのです。そういう時は、「小さなサイズの商品」を作っておいて良かったとつくづく思います。

どこにどれぐらいの期間お眠りになっていらいたかという事で、地下変化の仕上がり具合も千差万別ですが、神代木を名指しで来店される方は稀で、中でも『鳥海山ブランド』で辿り着かれるケースは余程のマニア!本当に来られたとしても、ご希望のサイズを作り出すことは出来ませんし、探せば足元を見られて高くなる世界。『今ここにある現物』に要望を合わせていただく寛容さを持つことが神の木と対峙できる前提条件なのです。




今日のかけら・#059 【神代杉/ジンダイスギ】 スギ科スギ属・針葉樹・秋田産

少し前にこのブログで、映画『八甲田山』の事を書いた時に『秋田富士』あるいは出羽富士とも呼ばれる名山・鳥海山に少しだけ触れました。本来はそのタイミングでご紹介しようとも思ったのですが、主題の高倉健さんから更に話が逸れそうでしたので敢えてその時にはスルーしました。改めまして本日はその鳥海山のめぐみである「神代杉」についての話。多くの動植物にめぐみをもたらす鳥海山ですが、そのめぐみの一片が弊社の倉庫にも・・・

本家の富士山にも劣らぬ美しい姿を誇る鳥海山は標高2236mで、東北を代表する名山ですが、富士山同様に活火山であり、過去に幾度も激しい噴火を繰り返してきました。太古の昔、轟音とともに空を噴煙が覆い太陽の光をさえぎる。火砕流や溶岩流れが田畑を押し流し、大小の岩石が飛乱。獣は恐れおののき鳥は狂ったように啼き叫び、火山灰が降り注ぎ、いつ終わるとも知れぬこの世の地獄のような光景は神の怒りに思えたことでしょう。

その一方で神のご乱心は、数百年後の時代に思いもよらぬ「めぐみ」をもたらしてくれます。それが火山の噴火で地下深くに閉じ込められた木、いわゆる『土埋木(どまいぼく』です。後世の時代に道路工事などで掘り返され、数百年の眠りから覚めたタイムカプセルの木。地下水の影響などで、もはや木であって木でないモノに変化した『生ける化石』は、数百年ぶりに大気に触れる事で、急激に変形したり収縮、暴れ、割れます

もはや人間のコントロールできる範疇を越え、神の領域に達したそれら土埋木の中でも特に色合いが美しかったり趣きのあるものは、『神代(じんだい)』と呼ばれます。誰が名づけたのか、まさに神の世界からやってきた不死なる木。有史以来幾度となく噴火を繰り返し、多くの神代木を生み出してきた鳥海山は、神代木産出の山としても知られており、市場などにもわざわざ鳥海山の名前が冠して出材されるほどの一大ブランドなのです。明日に続く・・・

 




本日は『シラカバ』の用途について。その樹皮に油分が多いことは先に書きましたが、着火材としても使われるほどよく燃える事から、日本に留まらず世界各国でも同様に松明(たいまつ)にも使われます。シラカバの仲間は世界に40種ほどあるとされ、北半球の温帯から亜寒帯に分布しています。ヨーロッパの各地でもシラカバの林は叙情的な光景を見せてくれているのでしょう。着火材としてだけでなく、油分が多いことから非透水性がある樹皮を屋根に葺くという習慣もあるとの事。

古い言い回しですが、結婚式の事を「華燭(かしょく)の典」といい、このブログでも何度か使ってきました。昔の挙式や披露宴は自宅で日が落ちて暗くなってから行われる事が多かったため、祝宴を開く演出のひとつとして絵蝋燭(ハゼの実など植物性の原料で作った蝋燭)を燃やしりしたそうですが、その華やかなともしびの名残として「婚礼の儀式の席上のともしび」の美称として使われます。華はカバノキ(樺)をさしていますから、もっと昔は文字通りカバの皮を松明として燃やし明るくして祝ったのかも。

シラカバの木は典型的な陽樹で、明るく開けた場所を好む木です。山火事など直射日光が降り注ぐ裸地では、他の樹種に先駆けて定着するパイオニア的な木ですが、遅れて定着してきた陰樹に追い越され大木になる事はほとんどありません。シラカバはせいぜい20~30年の短命な木で、直径300〜400㎜、500㎜にもなれば大木の部類に入ります。それもあって住宅資材、家具資材としてはあまり重要視されていません。稀に長寿のシラカバもあるそうですが、そうなる持ち味の白い肌が失せるとか。

四国ではほとんど自生していないためその被害についても聞いたことがありませんでしたが、東北などの自生地ではシラカバの花粉飛散による花粉症も大きな問題となっているそうで、春先になると大量の花粉が飛散し、その凄まじさはスギ花粉を凌ぐとも・・・。その一方で、シラカバの幹を傷つけると滴り落ちる樹液からはシロップや、それを煮詰めた白樺糖、白樺樹液を使った銘菓、白樺樹液100%のお酒なども造られています。天然のミネラルをたっぷり含んだ白樺酒、是非取り寄せて飲んでみようと思います。2014年の『今日のかけら』、これにて完。




昨日に続いてシラカバの木の話です。四国においては、その名前に比べて実物を見たことがないという『知名度だけは高い木』ですが、それは学生時代に習った『白樺派』などの影響も強いと思います。白樺派というのは、明治時代に創刊された同人事『白樺』を中心として起こった文学思想のひとつで、主な作家としては武者小路実篤、志賀直哉、有島武郎、里見弴などが知られています。小・中学生の頃はよく本を読んでいて、「小説の神様」とまで言われた志賀直哉の作品はよく読みました。当時は、白樺派がどういうもののかなんて気にもしませんでしたが今気になるのは名前の由来。

同人誌「白樺」の名前の調べてみると、志賀直哉説と武者小路実篤説の2つがあるようで、志賀直哉はよく日光や赤城などの山に登っていて、白樺の木の雰囲気が好きだったのでそうしたと主張していますが、実篤はシラカバの木の白と黒の色の配色が面白いから名づけたのだと主張しています。創刊のメンバーからして主張が違うので、恐らく先に「白樺」という名前が出て来て、それぞれが違うイメージでよいと捉えて納得したのかもしれませんね。確かに名前の響きも色のコントラストも印象深い木です。

そのシラカバは、35㎜角のキューブになっても「個性」が際立ちます。それはあまり歓迎すべき個性ではないのですが、シラカバには『ピスフレック』と呼ばれるカバノモグリバエ(樺の潜り蝿)という虫の幼虫が、木を食害した穿孔跡が、木の年輪に沿って褐色の帯、斑点となって現われるのです。これは決してシラカバだけに起こることではないのですが、特にシラカバには多く見られる特徴で、【森のかけら】が他樹種と混じってしまった時にシラカバを見つける時のてがかりのひとつにもなります。

店舗のディスプレイなどにも使われるシラカバですが、せいぜい【森のかけら】に使うぐらいでシラカバの大きな材や板を購入した事はありません。用材としては軟らかく、せいぜい割り箸や氷菓の匙(さじ)や棒、パルプ材などあまり用途が確定していません。むしろ板としてよりも丸太(そのまま山小屋風の内装に使ったり、輪切りとして花台や飾り台などに使う)や樹皮細工、あるいは観賞用としての方が有用視される珍しい木です。本日は名前や文学の話が中心でしたが、その用途については明日・・・




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