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昨日の続きですが、木で出来たモノを作品賞の記念にお渡ししたいという事で私に声が掛かったのですが、それで蘇ったのが20数年前の愛媛でのロケの記憶。まさかあの大監督と再びこういう形でご縁が出来るとは感慨ひとしおであります。当然の事ながら山田洋次監督にとっては名もなきエキストラの事など記憶にもありませんが、私にとっては忘れがたい青春時代の一場面。これは何としてもよいものをセレクトせねばといろいろ考えました。とはいえ時間も予算も限られておりいろいろ案じた結果たどり着いた結論は・・・
以前にクリエーターズクラブ愛媛(以下CCE)さんのAWARD 2014で作らせていただいたモザイクボードを使った表彰楯。初めての試みでしたが結構評判がよかったことから、またいずれ作ってみたいと思っていました。いろいろな樹種が集まって形になっているというのも、様々な専門職が集って作り上げられる映画作り、そして作品タイトルとなる家づくりにも共通していてメッセージ性もあるという事で、提案が採択されました。なるべく色鮮やかな部分を選んで丸く加工、そこにレーザー加工を施しました。
多様な広葉樹を集めて作った『モザイクボード』ですが、お陰様で少しずつ県内外でテーブルやカウンターなどに利用されています。当初は厚み27㎜という規格で製作始めましたが、現在は30㎜に仕様を変更しています。また丸く切り出して加工したモザイクスツールも好評を得ています。今回の表彰楯のように、家具とは違う用途で使いたいという声も寄せられており、新たな分野での商品開発も考えているところですが、まずはこの表彰楯も位階内に規格化して各種表彰式やイベント等でご利用いただければと考えています。
映画『ダウンタウンヒーローズ』の撮影の話の続きです。エキストラとして参加した我々映画研究部の学生は、暗闇の中で煌々と燃えさかるキャンファイヤーの炎を囲み、肩を組み当時の学歌を大声で歌い踊る、いや叫び踊るという役どころでした。県内各地から集められたエキストラは数百人もいたかと思いますが、何度も何度も練習が繰り返され、アングルを代えて撮っているのでどれが本番なのやら、何が正解なのやら見当もつかないまま、まるで当時の学生たちのように魂が解放されていくかのように歌い踊り続けました・・・。
最初遠くの方で回っていたカメラが、歌い踊る学生たちの近くにまで寄って来て、監督が無造作に何人かの学生に「君、歌ってみて」と声をかけて校歌を歌わせるのですが、たまたま私にも声が掛かりました。ド緊張して声も震え、あっさりスルー・・・。完成した映画を観てみると、スクリーンに映ったのはほんの数分程度で、当然私たちの姿はそこにありませんでした。物語の本筋とも絡まないシーンで、ロケに参加した者以外はそんな場面があったことすら記憶にも残ってないと思われますが、それでも私にとっては懐かしい青春の一場面。
木とは何の関係も無いと思われる昔の映画の話をなぜ延々綴っているのかというと、実はこの映画のメガホンを撮ったのが、国民映画『男はつらいよ』シリーズで知られている山田洋次監督だったのです。そしてそれから20数年後に監督されたのが、松たか子主演の『小さいおうち』。出演した黒木華さんがべルリン国際映画祭最優秀女優賞を受賞するなど話題となりました。残念ながら私は未見なのですが、その作品が2014年度の全国映連(映画鑑賞団体全国連絡会議)の日本映画作品賞に選出されました。
更に山田監督が監督賞の一人に選ばれたのですが、その全国映連というのは全国各地で自主上映や鑑賞・普及活動を進めている33団体が加盟していて、年に1度加盟団体から集めたアンケートに基づいて各賞が決められているそうです。贈呈式では、各地域の団体が受賞者へのプレゼンターを務められるのだそうですが、今年は松山の団体(マネキネマ)が担当する事になりました。その団体のメンバーが、弊社のスタッフのご主人。受賞作品名が『小さいおうち』ということもあり木で何か作れないかとご相談を受けたのです。続・・・
能年玲奈を一躍全国的なヒロインにしたNHK朝の連ドラ『あまちゃん』。私もずっと観ていましたが、私と同世代の方にとっては、小泉今日子がすっぴんのようなメイクで母親役(春子)を演じたことや薬師丸ひろ子が天然系の大女優・鈴鹿ひろ美を演じたことの方が何とも感慨深いものがありました。彼女たちの栄光を知らない息子や娘たちにとっては、ただのおばさんにしか見えなかったことでしょうが。その薬師丸ひろ子がアイドルとして輝いていた全盛時代・・・今から20数年も前の話になります。
私が大学生だった頃、当時人気絶頂だった薬師丸ひろ子主演で1本の映画の制作発表が行われました。愛媛の北条出身で『夢千代日記』などを書かれた小説家・脚本家の早坂暁さんの小説を原作として、1988年に松竹が製作した映画が『ダウンタウンヒーローズ』。戦後すぐの愛媛県松山の旧制高校を舞台に、バンカラ学生たちが恋に友情に心を熱く燃やす青春群像劇。薬師丸ひろ子が主演のマドンナ的存在で、中村橋之助、柳葉敏郎、尾美としのり、杉本哲太、坂上忍などが出演していて当時も結構話題になりました。
旧制高校が舞台となるわけですが、撮影は私の生まれ故郷の隣町である宇和町で行われました。築100年以上も経っていた宇和町小学校の校舎がロケ地に選ばれました。当時はまだ学校として使われていたと思います。物語のバンカラな雰囲気と似ているという事で選ばれたのだと思うのですが、現在では新校舎が建ち、古い校舎は移転されて『米博物館』に姿を変えて、100m以上もある長い廊下では『Z-1グランプリ』と銘打って毎年雑巾がけレースが開催され人気となっています。
県内の各地でいろいろな場面が撮影されたのですが、宇和の小学校ではグラウンドで学生たちがキャンプファイヤーを囲んで歌い踊るという場面が撮影される事になり、そのために多数の学生役のエキストラが必要という事になり、当時松山大学の映画研究部にもお声がかかり、部員であった私も参加する事になりました。バンカラな雰囲気を醸し出すために全員数日前より無精髭を生やしたむさくるしい男たちが集合。その頃の学生服を着させてもらい、陽が落ちた頃から燃え盛るキャンプファイヤーの周りを囲んで撮影開始!明日に続く・・・
『
トネリコ』は日本原産種であり、本州中部以北の分布しているということで、愛媛ではほとんど知名度の無い木です。【森のかけら】を作り始める前から、いろいろな木に興味があったため、材を北海道や東北から取り寄せていたので弊社の倉庫には随分前からトネリコの板材がありました。テーブルになるような大きな木ではありませんでしたが、もの珍しさから木の愛好家の方には人気がありよく使っていただいたものです。
愛媛では見かける事の無いトネリコですが、トネリコ属には60を越える種があり(代表的なものとしてはシマトネリコ、セイヨウトネリコ、コバノトネリコなど)、トネリコの古語である『タモ』が転訛した『タゴ』を名に持つ「一つ葉のトネリコ」こと『ヒトツバタゴ』(別名ナンジャモンジャの木)は市内の街路樹や公園などにも植えられているのをよく見かけます。ちなみに他のトネリコ属はいずれも複葉。
トネリコの名前については、いくつか説があるのですが代表的なものとしては、枝を何回もねじって結束用に使う事から『十練リコ』の意味がその由来であるとされています。または、この木の枝に寄生しているイボタカイガラムシが白蝋を分泌して、この蝋を敷居などに塗ると滑りがよくなって戸の開け閉めがスムーズになる事から『トニヌルキ(戸に塗る木)』が転訛したとか戸に塗る粉(戸練り粉)から転訛したなど。
他にも、樹皮から膠(ニカワ)状のものを煮て採る事から『共練濃(ともねりこ)』から来たなど、『練る』ことに由来したものが多くあります。漢字についての由来は不明です。今までトネリコとして仕入れたものについてもかなり色合いや質感に差異が感じられましたので、ひと口に『トネリコ』と言ってもいろいろな種類のものが混在して市場に出回っているように感じます。この木については不勉強でスミマセン・・・。
トロイと『トネリコ』の話の続きです。古代戦争では武器として利用されたトネリコですが、平和な時代になるとトネリコはその特性を活かして暮らしの中に溶け込みます。粘り強さと強靭な事から、スキーの板、杖、平行棒、農具の柄などに使われました。野球のバットにも使われたともいわれていますが、それは同類のアオダモと混同しているのかもしれません。いずれにせよ握って強く振り回すような道具にはもってこいの材と言えます。
北欧では、トネリコは湿った立地を好むことから、水の壊滅的な力からひとを守ってくれる魔力を秘めていると信じられてきたようです。またトネリコは海神ポセイドンの神木とされていたことから、当時の船乗りや漁師たちは、船が転覆しないように護符としてその木切れを船に持ち込んだり、船の細部の仕上げ材に使いました。また雨との関連付けからこの木を雨乞いの儀式にもトネリコは霊力がある樹として使われました。
また俗信では『傷の木』とも呼ばれ、その樹皮はよき傷薬として、蛇に噛まれた傷を治す特効薬として使われてきました。『医学の父』と呼ばれた古代ギリシャのヒポクラテスもトネリコは、痛風やリューマチの治療薬や利尿作用のある良薬として用いたと記しています。19世紀のイギリスとフランスでは、熱が出たり歯痛がある時には、手足の爪を切ってトネリコの樹の下に埋めれば治ると信じられていました。
それは人間にだけ有効なのではなく家畜にも効く特効薬とされていたことから、アルプス地方以北では家畜の飼い葉としてニレの葉についで昔から農場の近くに植えられていて、今でも古い農場や城砦には残っています。北欧の神話の中には、「この世で最初の男はトネリコの木から作られ、最初の女はニレから作られた」との記述があるように、北西ヨーロッパにおいてトネリコはもっとも権威のある落葉樹であるとされています。更に明日に続く・・・
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