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決算も目処がつき、差し迫っていた店舗の納品も無事に間に合い、重なっていてイベントもどうにかひと段落して、ようやくひと息つく事が出来ました。忙しいうちが華ではあるものの、少し体調を崩していたので負荷も体力に合わせてほどほどにせねばと痛感。ようやく少しだけ時間が取れるようになったので、溜まっていたDVDの映画を見貯め。その中の1本に、疲れた体が共鳴!忙しくて息子との時間も取れていなかったので余計に心に響いたのですが、その映画のタイトルは『リアル・スティール』!
本当は映画館で息子と観ようと思っていたのですが、彼も部活があったりしてなかなか時間の都合がつかず、結局映画館には行けれませんでした。とりあえず深夜に一人で観たのですが・・・ストーリーは、いたってシンプル。人間の代わりに高性能のロボットたちが死闘を繰り広げるロボット格闘技の時代―。夢も希望も失くした元ボクサーのチャーリー(ヒュー・ジャックマン)の前に突然、母を亡くした11歳の息子マックス(ダコタ・ゴヨ)が現れる。険悪な雰囲気の父と子は、マックスが廃品置き場でみつけた旧式ロボット“ATOM”との出会いをきっかけに、少しずつ絆を取り戻していく。熱心なマックスに心を動かされ、チャーリーはATOMに自分の技を教え込む。やがてATOMと共にどん底から這い上がった2人は、史上最強の王者ロボット、ゼウスとの対戦へ・・・!
製作総指揮をあのスピルバーグとロバート・ゼメキスが手がけているだけあって、滑るような展開で127分があっという間。人間の代わりにロボットがリングに上がって戦うという男心をくすぐるシチュエーションだけでも充分おいしいのですが、地下プロレスのようなルール無用の地下格闘界の王者との対決、廃品置き場での運命の出会いなど、きっちりとこの手のドラマのルーティンをそつなくこなし、これもお約束のラストファイトにムードを盛り上げていくのです。
天才子役ダコタ・ゴヨの前に、かの”ウルヴァリン”もたじたじ。そのヒュー・ジャックマンはかつてチャンピオンを苦しめた名ボクサー、落ち目のジムの経営を引き継いだひとり娘、旧式ロボと少年のありえないはずの心の交流、無敵の王者との対決とその結末など、かつてどこかで観たような設定ばかりですが、『男同士が戦う』映画に下手な小細工は必要ないのです。絶対王者の典型的な悪者キャラも分かりやすくて最高。ラストファイトの伏線もバレバレですが、それがどうした~!
疎遠だった父子の葛藤ドラマが絡んで、漫画のような展開に男の子なら血が騒がずにはいられません!最後の最後は男の涙を搾り取るような感動の結末!分かっちゃいるけどたまりません。『ロッキー』とともに負けた者勝ちの定番映画として長く語り継がれていくことでしょう。父子の映画は父子で観るに限る!まあここまでダメ親父になる前にさっさと気づいて立ち直れよって事なのでしょうが、「戦い」は男の通過儀礼。嗚呼、この単純明快な馬鹿馬鹿しさこそが明日への活力!
同じロボット映画でも、変身するスピードとカメラワークが高速すぎて目まぐるしいうえに、金属の摩擦音も耳障りで観ていて不快になった『トランスフォーマー』に比べて、本作は安定感のある引きのアングルが多く、鋼鉄(スティール)という質感の味わいを楽しめました。神代木や古木に独特の味わいがあるように、鉄にも錆びや凹みといった「個性」がある方が風合いが生まれるものかも。要は鉄であろうと木であろうと、素材だけの問題ではなく使い方、見せ方かが重要という事。息子よ、人生は戦いだ~!
実は私もハリーハウゼン風に、コマ撮りで『ブタマジロ』のプロモーション・ビデオを作ろうという企画を考えていました。ブタマジロ親子がある事件に巻き込まれ離れ離れになるのですが、さまざまな困難(エイリアンとの遭遇や天変地異)を乗り越えて感動の再会を果たすという内容まで考えてはいたのですが・・・。偉大なる『特撮の父』に敬意を表して、やっぱりこのリトル・モンスターがカクカクした動きで街を闊歩し破壊を繰り返し、火を吐かねばなるまいか!あれもこれも混ざってるかも・・・。
かつて、ウルトラマンの生みの親・円谷英二氏はこう仰いました。「怪獣はお化けではない。グロテスクなもの、人を不快にするデザインはいけない。」子供への配慮があったようですが、ウルトラマンシリーズではその精神が遵守され、フリークスを連想させる怪獣は登場しませんでした。一方ハリーハウゼンの映画では、小人や双頭の鷲、ひとつ目の巨人サイクロプス、複数の腕を持つモンスターたちが暴れ回ります。洋の東西で『特撮の父』と呼ばれた男のそれぞれの個性、矜持です。
ベースとなる物語の時代性や歴史的背景はんどの影響はあるものの、2人の巨匠に共通しているのは怪獣・モンスターへの愛。以前にも日本の怪獣のヒーロー『ゴジラ』をハリウッドが映画化した事がありますが、そこに登場するのは醜く巨大化したイグアナ・・・。「そもそもキリスト教を信仰する欧米人の感覚の中には、神が創った以外の生物は存在しないため、既存の生物を巨大化させたモンスターしか生み出せないのだ」という説もあるぐらいで、日米モンスターの造形にはかなり差異があります。
ゴジラのプロフィールは、「ジュラ紀から白亜紀にかけて生息していた海棲爬虫類から陸上獣類に進化しようとする中間型の生物の末裔が、度重なる水爆実験の影響で突然変異で巨大化したもの」という、悲しい誕生秘話があります。だからただやっつければいい、殺せばいい悪の対象というものではないのです。ハリーハウゼンに憧れつつも、やっぱり円谷プロの洗礼を受け、ゴジラを観てきた世代としては、映像よりも物語重視の傾向が出てしまいます。この『森のしるし・JUONの星人』も私なりのモンスターへの愛・・・。
ゴールデンウイークや連休など春先は祭日や休日が多いにも関わらず、やらなれらばならない事がそれ以上に多くて、最近は大好きな映画館からもすっかり足が遠ざかってしまっています。観たい映画は沢山あるし、『新・午前十時の映画祭』も1作品2週間上映になったのに、時間が取れず最新映画の情報に悶々としております。なるべく封切作品の詳しい情報には触れないようにしておこうと思いながらも、目に飛び込んでくるのは新作の予告編。観ちゃ駄目だと思いつつ・・・
B級生物パニックの匂いプンプンの『シー・トレマーズ』や『宇宙戦争』の奇跡再来を願うばかりのトム・クルーズ主演によるSF『オブビリオン』、なぜスタローン?という疑念はさて置き久しぶりのウォルター・ヒルのアクション『バレット』、怪獣VS巨大ロボの戦いを大真面目に壮大なスケールで描いた驚異のSF『パシフィック・リム』㊤!人類が放棄した1000年後の地球は、人類を抹消する惑星だった・・・『アフター・アース』㊧(←これ期待値最大)。並べてみればアクションとSF・・・分かりやすい。
アクションと SFこそが活動写真の原点です!血が騒がずに入られません。そのSF(サイエンス・エフェクト)映画がまだ『特撮』と呼ばれていた頃に、『特撮の父』と呼ばれた偉大なひとりの映画人の訃報が飛び込んできました。特殊撮影を単なる技術から、テーマへの不可避なアプローチに高めた、ストップ・アニメーションのパイオニア〔レイ・ハリーハウゼン〕氏が、現地時間の7日、ロンドンでお亡くなりになりました。もはやいける伝説と化した92歳の大往生でした。合掌。
まだCGという言葉も技術もなかった時代、恐竜やモンスターのカクカクした動きに少年の冒険心はときめき、あのジョージ・ルーカスをして「レイ・ハリーハウゼンがいなければ、『スター・ウォーズ』は存在しなかった」と言わしめました。『シンバッド七回目の航海』(1958)、『アルゴ探検隊の大冒険』(1963)、『タイタンの戦い』(1981)など、1コマ1コマに膨大な時間を費やして作られたその映像は、今観ても色褪せません。技術の進歩が必ずしも感動を作るわけではないのです。明日に続く・・・
時間が合えばときどき見ている番組、NKKの『プロフェッショナル 仕事の流儀』。以前に高知県のデザイナー・梅原真さんが取り上げられていた時も偶然観ていて、後日ご本人とお会いする事になったので、その丁寧で熱い番組作りには、かつての同局の『プロジェクトX』のような印象を持っています。先日たまたまチャンネンルを合わせた時が脳神経外科・坂井信幸さんの回でした。何の予備情報もなかったので、漫然と観ていたのですが、途中からグイグイと引き込まれ・・・!
年間で400件をも超える手術をこなす坂井先生は、1日の睡眠時間2、3時間という過酷なスケジュールの中、手術不可能と言われた重症の患者の命を救ってきた、全国でも屈指の脳神経外科だそうです。阪神タイガースをこよなく愛し、いついかなる緊急オペにも対応できるようにと、病院のすぐ近くに住み、病院に宿泊する事もあるという情熱のひと。医療の事については全く無知ですが、ひとりのプロフェッショナルとして、その口から発せられるひと言ひと言に重みがあります。
あなたにとってプロフェッショナルとは?という問いに対して、「レベルを超えたところの知識や技量を持っていて、それをどう発揮したらいいかを模索している人」とさらりと答えられる坂井先生は、30代の頃血管内治療の手術で患者を亡くされた事があると。手術そのものは成功したものの、自分で「いける」と判断したわずかな施術によって、治療後患者の指先にわずかなしびれが残り、精細な手先の仕事の職人であった患者はそれを憂いて自ら命を絶ってしまったという事でした。
そういう話を隠すこともなく話される先生の覚悟、「思いだけで、願いが通じるとは思っていない。結果を出す事がすべてだ。そうでないと、本当の意味で患者さんや家族の願いを考えられる医者じゃないと思う」。実践者の言葉は深く、職種や世代を超えて心に響きます。失敗=死につながる重い責任感のある仕事の中で、「恐れを超えて最善に挑む!」そのチャレンジ精神にただただ敬服、圧倒。翻って我が身のいかに軽薄空疎なことか・・・材木屋のプロフェッショナルの道、まだまだ遥か・・・。
その作品のタイトルは、『俺は、園子温だ!』。園子温(その しおん)とは監督の本名で、作者本人がカメラの前で淡々と喋り暴走する映画ですが、既に当時からその珍しい名前とともに作風の面白さは、私達地方都市の大学生ですら知るところであり、将来が嘱望されていました。近年の活躍は凄まじく、『愛のむきだし』や『冷たい熱帯魚』、『ヒミズ』は国内外で数多くの受賞暦があります。また最新作『希望の国』では、近い未来に起る原発事故という設定で、福島原発事故を語られています。
常に刺激的な作品を作り続けられる園監督、1061年生まれの51歳。前述の小松隆志監督は1962年生まれの50歳。私より3、4歳先輩ですが、お二人がまだ8㎜を撮っていた頃の作品をほぼリアルタイム生きた世代の人間としては、おふたりの今のご活躍がなんだかとっても誇りに、そして励みに感じてしまうのです。当然面識もありませんが、その新作発表などを見るたびに、あの頃完全燃焼できなかった自分の情熱を今こそ燃やすのだと、新作作りに精が出るのです。
残念ながら映画という仕事を職業にすることは叶いませんでしたが、今の私をたきつけるのはその思いです。【森のかけら】は、文字通り森のめぐみから生まれた木材の端材を原材料にした商品ですが、その『かけら』とは情熱のかけらという意味でもあります。誰もが思い描いたステージで、望みどおりの仕事、パフォーマンスが発揮できるわけではありません。いろいろな事情で悔し涙を流したり、唇を噛み締めることもあるでしょう。それでも心折ることなく熱い思いを抱き続ける。
やがてそれは違うものとなって現われ自分を奮い立たせてくれる。私の場合、それが『木』という仕事でした。人生が決して思い通りにはいかないように、木だって、伐られて製品になりたいわけではないでしょう。しかし原料の材木としてではなく、木としてその生を終える事が幸福なのか?家や家具として行き続けることが幸福なのか?そもそも幸福感など木にあるのか?人間に木を伐る資格などあるのか?そんな考え方そのものがナンセンスなのかもしれません。しかし自らの仕事に何の疑問も抱かずに、ただ漫然と業務をこなす機械一生を終えたくはないのです。小さくとも1個の考える脳として、あの頃燃やしきれなかった情熱のかけらを今こそ完全燃焼させたいと思うのです。
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