森のかけら | 大五木材


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★今日のかけら番外篇・E040ジンダイクス/神代樟】 クスノキ科・ニッケイ属・広葉樹

不惑の歳を過ぎても迷ってばかりですが、今日で更に1年歳を取り44歳になりました。誕生日のプレゼントという訳ではないのですが、抜群のタイミングで同志からお届け物が!まさに私にとってこれ以上ない嬉しいプレゼントになりました。この異様ないでたち、『2001年宇宙の旅』に出てくるモノリスか!と見まがうほどの物体X!これは紀州の有田川の川底深くに埋まっていて、悠久の眠りから目覚めた『神代樟(ジンダイクス』です。神代木というのは、火山や地震などにより地中深くに埋没してしまい、長い時間の中で地質の成分の影響を受け半分化石化した状態の物で、『神の代(みよ)の木』という意味合いです。一般的には土に埋まった木という事で『土埋木(どまいぼく』と呼ばれます。その土埋木の中でも、特に数百年から数千年もの間埋まっていたものを尊敬の念を込めて『神代』という形容詞を付けて呼びます。

この神代樟、数年前に掘り出され発掘当時はかなり話題になったようです。直径が3m超、長さ12m、重さはなんと60t!160キロの剛速球で300勝を上げ惜しまれつつ引退した身長2mを超える大リーガーのランディ・ジョンソン投手が、愛情と尊敬を込めて『ビッグユニット』呼ばれていましたが、まさしくこの巨体・ビッグユニット!ある程度素性が分かっているようで、樹齢は驚きの1000、平安中期の洪水か地震の影響で地中に埋没した物だそうです。木そのものの樹齢と埋没期間を足すと、実に2000年!掘り出されて木材市場に並べられた時の写真がこれです。

よくぞこの巨躯をこの状態のまま掘り出したものです。その労力たるや・・・。この神代樟、ご購入者がいらしてこの状態で数年間木材市場に置いておかれ、最近木挽きさんの手によって製材されたようです。幾つかの板にされて販売され、全国各地に散っていって、そのうちの1つが冒頭の画像です。実はこれ、『越後之国の赤マムシ』からのプレゼントです。そして『浪花のブラックパイソン』からは、その神代樟を木挽きさんが挽いた時の削り粉が届きました。封を開ける前から強烈な匂いが・・・す、凄過ぎる!2000年も前の物とは思えない瑞々しい匂いと肌触り。

アップで撮ると、動物の皮膚のような生々しさがあります。複雑に絡み合った木の繊維が毛皮のようですらあります。土中で永く眠っていたた神代木は、木であって木でないものに変化していて、数千年ぶりの大気に晒されて、急激に変形します。バキバキに大割れが起きたり、台形に変形、収縮も激しく、用材に使おうにも乾燥だけでも数年を要します。当然大きな物は取れず、奇跡的に取れたものは高額で取引される事になります。いつどこから出てくるとも分からない、まさに浪漫の塊です。2000年経って、なおこの生命力!

私はく『木は決して建築材になるために生まれてきたわけではない』という言葉を使わせていただきますが、この2000年の神代樟を前にしてまさにリアル体感!これだけの歴史に対して、使い方を持て余しては、送って貰った『越後之国の赤マムシ』にも失礼な話。また、この神代樟の事は『江戸のコダマ』もブログでアップされています(2010・2・26)。全国各地に散っていったこの木の一部が、福井と大阪から時同じく愛媛に届いたのは本当に偶然なのですが、この木を前にしてとても偶然とは思えません。歴史と男達の浪漫の融合!これぞ悠久の時空を超えた時代の要請!あなたならこれを何とかするのではと託された木材馬鹿野郎達の思いを受け、2000年を44歳が、敬意と愛情を持ってじっくり料理させていただきます。『森のかけら・神代樟』も気を永くしてお待ち下さい。2000年もは待たせませんから!




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