森のかけら | 大五木材


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★今日のかけら・♯039【クスノキ/樟】クスノキ科クスノキ属・広葉樹・宮崎産

 

厳島神社のシンボルともいえるこの大鳥居は、国の重要文化財に指定さえています。6時間周期の干潮によって、干潮の際には入り江と地続きになって、この大鳥居まで歩いて行く事が出来るのですが、今回は潮が満ち初めた時間帯で、海上にそびえるお姿を拝ませていただきました。是非次回は干潮の時に訪れてみたいものです。それにしても、そのお姿はまさに威風堂々!周囲の観光ツアーのガイドさんの説明に耳をこらしてお話を伺うと、大鳥居の高さは約16mで、横幅約23m、平安時代に建てられ、今までに8回建て直され、今あるのが約130年前(明治時代)に建った物だということでした。足元は埋め込んでいるのではなく、自重で立っており、屋根には7トンもの石がおもしとして入れられているとの事。干潮だったら、その足元の様子も伺えたのにと思うと残念ですが、この海上にそびえる荘厳な姿も素晴らしいです!

遠くから眺めると分かりにくいかも知れませんが、この大鳥居の柱は天然の丸太がそのまま使われています。ですので根元が太く、丈夫に向かってテーパーになっています。アップで観てみるとかなり異様なお姿でもあります。コンクリートで造られたような人工造の鳥居とは一線を画します。その材のねじれたような木のリアルな質感が朱色のお化粧の上からもはっきりと見て取れ、何だか二本の足をぐいと海中の地面に踏ん張って仁王立ちする生き物のようにすら思えてくるのです。

宮崎駿さんのアニメのように、足をズボンと抜いて7トンのおもしを乗せたまま歩き出すのではなかろうかなどと妄想してしまいます。観れば観るほど霊験あらたかなお姿には、どうしても「生き物」を感じずにはいられません。その素材が、森の精霊の宿る木『樟(くすのき』を使っている事が無関係ではないと思います。聞くところによるとこの大鳥居の樟は、樹齢400年の巨木を使ったという事ですが、約130年前に建てられたという事ですから、その命は実に530有余年も受け継がれている事になります。樟にとってはまさに修験者の荒行の如き心境でありましょうか。本殿の床板にもそれは巨大な樟の1枚板が数多く使われていました。 至る所に名誉の傷跡も見受けられ、補修の姿も痛々しいのですが、まあなんと立派な樟でしょうか!しゃがみ込んで、このアップ画像ばかりを撮っていたので、周囲の方にはさぞ変な人のように映ったかもしれませんが、誰もこの凄さには目を向けてもくれないのは寂しいところです。

さて樟は、「」としても表わされますが、これは九州など南方に多い事に由来しているとされます。成長が早く、日本で最大の樟は、鹿児島県蒲生町の「蒲生の大楠」で、推定樹齢は1500年、幹の周囲で24m、地際でも幹周は約34mもあります。国の特別天然記念物にも指定されています。以前にこの近くを通過して、「蒲生の大楠」の看板まで見たのに立ち寄れなかった事が返す返すも残年です・・・。巨樹の調査によると、幹周のトップ10のうち実に7本が樟という事ですから、いかにこの木が大きく成長する木であるかという事が分かると思います。

 

 




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