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日本人はとかく三大OOとか、物事を3つ並べて表現するのが好きで、三大OOというのは巷に溢れております。三大美林(秋田杉、木曽桧、青森ひば)とか三大名園(偕楽園、兼六園、後楽園)とか、マニアックですが三大奇観(埋没林、蜃気楼、ホタルイカの群雄海面)、日本の三鳥居には、この厳島神社、春日大社と氣比神宮等々・・・。そういうのって嫌いではないので、是非いろいろ観ておきたい方です。特に頭に「日本」なんて付くものは、例えミーハーであろうとも、日本人として最低限押さえておきたいという深層心理が、結局うまく商業ペースに乗せられているのでしょうが。残念ながら残りの2景はまだ直接観た事がありません。宮城も京都も何度も行く機会はあったのですが、タイミングやら日程が合わず行く事が叶いませんでしたが、こういうのはご縁がないと言うのでしょう。是非残りの2つも早いうちに拝ませていただきたいと思います。
観光ツアーの一団も結構いますが、時間が早かった事もあって、人波に流される事もなく騒々しくもなくゆっくりと観て回る事が出来ました。まずは廻廊に足を踏み入れます。廻廊は幅4m、長さは約275mもあり、床板は目透しで貼られ、高潮の際の海水の圧力を逃がし、たまった水も流す構造になっています。こういう環境で建てようと思うからこそ、必死にそれに耐えれるような技法を考えつくのでしょう。満たされた環境では虎の目(アイ・オブ・ザ・タイガー)を手に入れる事は出来ないのです。
今更ですが、この海に浮かぶ社殿は1168年頃に平清盛の手によって造営され、そのうちの6棟の建物が世界遺産に指定されています。町や市の指定だけでも、おいそれと補修など出来ないのに、世界遺産ともなればその材料仕様や事細かな決まり事も半端ではないのでしょう、きっと。なにせ国宝、国の宝ですから。廻廊の最後の方に 部分的に新しい床板に張り替えられている箇所があり、真新しい松の床板も見ることが出来ました。きっとこれらのそれはそれは厳しい寺領検査をクリアーしてきた事でしょう。そう考えれば、この場で使われる材は曲がりや反りはもとより、多少の「アテ目」すらも許されぬエリート中のエリートなのかもしれません。しかし、ここって結構台風や高潮の被害を受けた事がニュースになったりするので、かなりの部材をストックしているのでしょうか。急に要るといっても、こういう特殊材はすぐには間に合いません。
広島木青の方に訊いてみるんでした。次の役員会で広島木青の定田さんにその辺の事情を詳しく教えてもらおうと思います。日々海水と海風に晒され、何万人という人に踏まれ、伐採後の生涯をその過酷な運命に委ねるのですから、エリートも大変です。いずれこの新品の松の床材も経年変化でロマンスグレーになっていくのでしょうが、さすがに風格すらある大ベテランの隣に並ぶと、その若さが初々しく何だか痛々しくすらも感じてしまうのです。 頑張れとエールのひとつも贈りたくなります。
更に梁や桁は何を使っているのか気になります。鮮やかな朱色が材の木目を消していてよく分かりませんでしたが、 一部小口が露出している部分がありました。どうやらこちらも松のようです。それほどの目込み材には見えませんでしたが、たっぷりと脂分が乗って、見るからに長持ちしそうな松でした。その奥は塗装工事がまだなのか、塗装が剥げて生地の木目が見えている箇所がありました。当然の事ながら、これだけの部材ですから節や割れも相当にあるのでしょうが、濃い朱色が包み隠しています。丁寧こまめに点検して修繕しているんでしょう。そもそもなぜ建物が朱色に塗られているかというと、諸説あるようですが、建造した平清盛の平家側の旗色が朱色だったというのが説得力があります。また朱には防腐効果もあるので一石二鳥だったのでしょうか。それでは、もう少し続く。


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