森のかけら | 大五木材


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20110917 1愛媛木青協に入会以来、中四国地区大会には1回も欠かさずに参加してきました。今回が21回目にして最後の大会です。中四国地区には現在12会団あり(以前は14会団)、地区大会は各会団が順番に主催する慣例となっていましたが、会員数の減少などから辞退する会団もあったりして、本来12年に1度のペースがやや短くなっています。そのため21年の間に、松山でも2度開催されており、出雲も前回は11年前の開催でした。今後は更に短期間で順番が回ってくるような状況になりそうです。

 

20110917 2数年前から異業種の方々との交流が深まるようになって思うのは、こういうきっちりした形のセレモニーを主催しているかいないかによってさまざまなイベントでの応用が出来るという事。若かりし頃は堅苦しい形式が嫌でたまらない時期もありましたが、歳を重ねるごとに区切りとしての儀式や形式の大切さが分かってきました。そのあたりは、さすが神の国・出雲の会団、周到に準備されピシッと引き締まった大会となりました。約120名ほどの参加者がある盛大な会です。

 

20110917 3中四国地区以外の地区会に参加したのは数度しかありませんが、結構参加人数も10数人とかの少なさで、ただ冠だけ地区大会という寂しいところもありましたが、中四国地区においては年間最大行事の区切りとして、伝統がしっかりと継承されています。愛媛も昨年、今年入会の若手が多数参加してくれて、会の雰囲気を味わった事と思います。こういう事は、いくら口伝で話してもなかなかそのエッセンスは伝えきれるものではありません。「百聞は一見にしかず」時間を差し出さねば得れない物はたくさんあります。

20110917 4今、出雲は来るべき出雲大社の御遷宮に合わせて工事が急ピッチで行われています。その関係もあって、式典の後の基調講演は、島根県神社庁主事であり万九千社・立虫神社弥宣でもある錦田剛志氏によるご講演が組まれていました。演題は『伊勢神宮と出雲大社の御遷宮 ~永久(とこしえ)の祈りと木の文化~』。平成25年に、奇しくも伊勢神宮の20年に一度の第62回式年遷宮と出雲大社の御遷宮が重なり(昭和28年以来)、しかも来年の日本木青連の全国大会が、その伊勢神宮のある三重県(津市)で開催される事もあって、信仰と壮大な木造建築の関わりなどについて、実に分かりやすく明快にお話いただきました。今まで全国大会はじめたくさんの講演を拝聴しましたが、私にとっては心に響いた素晴らしいご講演でした。

 

 

20110917 5空飛ぶ神主さん』の別名もあるほど、全国各地に赴きご講演をされているのもうなづけます。神とか信仰という目に見えない非常に特異に分野を、我々にもわかりやすい言葉を用いて、ご自分の実体験を交えてお話いただきましたが、「祭事の中で感極まり涙された話」とか「出雲大社が天下無双の建築物であるという話」など、よく信仰の話にありがちな説教臭さは微塵も無くて、随所に笑いも散りばめながら、身振り手振りも交えて聴衆を惹きこむ話術は圧巻。プロフィールを拝見するとほぼ同世代。学ばねば・・・

 

20110917 61本の木、ひとつの石にも神が宿る『依代憑代(よりしろ)』という思想、我々の命はやがて土に還るが、魂や文化は永遠に続くという思想が木の文化であり、遷宮の心であると。個人の家の材を扱っていると、寺社仏閣は別次元のような感覚ですが、木の家に住むという精神性は相通ずるところがあるのだと感じました。住宅の精度や性能などが競われ、床の間さえもただの1スペースと解釈され、随分その品質的な意味合いが薄れてきています。こういう事を契機として改めてよく考えてみなければならない事がたくさんあります。とても意義ある素晴らしい講演でした。




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