森のかけら | 大五木材


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20140202 1この時期になると新聞や雑誌などのメディアで、その年に公開された映画の年間ベストテンが発表されます。自分でも8mm映画を撮っていた大学時代、そのベストテンの発表にドキドキしていたものです。今からおよそ四半世紀前の頃といえば、スピルバーグ王国の全盛時代で完全な洋高邦低。圧倒的資本力で作り上げた、スピーディでめまぐるしい展開のど派手なジェットコースター・ムービーが大手を振るって、各種ランキングの上位に名前を連ねておりました。

 

 

20140202 2それが映画批評家なるご職業の方々が選ぶ雑誌になると、途端にランキングは芸術性の香り立ち込める小作、佳作に変わるのです。当時の私は、年間に映画館だけで300本ぐらい映画を観ていてました(2本立て、3本立ても珍しくなかった)が、芸術映画と呼ばれる作品に対する受け止め方が分からず、著名な批評家の文章を読んで分かった風な気分になっていたものでした。それはそれでそういう映画を観る判断基準にはなったもののどこか座りの悪さを感じていました。

 

20140202 3その後、仕事に就いてからはさすがにそれほど映画館に通う事も少なくなって、ベストテンの作品にも未見の方が増えてくるように。そうなるとランキングへの興味も次第に薄れ、更に結婚もして子供も出来ると映画館がますます遠い存在になりました。そうなると限られた時間の中で本当に観たいものだけを観ようという気持ちになり、その頃に出会い私の琴線を揺さぶった1冊の雑誌が『映画秘宝』!こんな振り切った雑誌があってもいいんだと感動すら覚えました。

 

20140202 4その有無を言わさぬ自己主張。分かり合える者だけで共感できればいいという潔さ。その方向性にすっかり同調。書斎の棚を見渡せば雑誌の特集に登場するタイトルが肩を並べています。これだ〜、もう格好つけてわけの分からない映画を知った風で観るのもやめよう!とりあえず観ておこうなんて思うぐらいなら観るな!これからはただただ己の感性を信じて、正直に、心のおもむくままに映画を観よう!その思った時、あれほど長い間感じていた居心地の悪さが消えました。

 

20140202 5.bmpその思いはただ映画を観るの視座が大きく変わっただけでなく、仕事の上でも大きな変化をもたらしました。好きでもないもの、自分が惚れてもないものを売ったり勧めたりするのはもういいんじゃないかと。それで仕事が少なくなったりしたって、もういいじゃないか。無理に無理を重ね、我慢して我慢して仕事をするんじゃなくて、自分の好きな事を貫こう、それなら辛くはないし、どこまででもやり抜ける。そうだ、自分が好きな事だけをする偏屈な材木屋になろう

 

20140202 6これを書いていて、そういえばその頃が自分にとって価値観が激しく変わった大きな分水嶺であったなと感じています。その後しばらくしてから、このブログも書き始めるようになるのですが、それまでにほぼ背骨が鋼鉄化していましたので、もはや批判や意見も耳に入らず、ひと時もぶれることなくわが道を突き進んでいくことが出来たのです。そんな私にとっての原点にしてバイブル『映画秘宝』の映画野獣たちが選ぶ2013年度ベスト1は、当然『パシフィック・リム』!




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