森のかけら | 大五木材


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【森のかけら】になれなかった木

categories 「森のかけら」舞台裏 | datetime 2009/10/08 PM11:28

最近、家具のお問い合わせを多くいただいています。座卓用の耳付板やストレートのカウンター、テーブルや椅子などの他にも玄関の踏み台や框、棚など、家の中に本物の木を使いたいという要望があります。これも妙なもので、そういう話がひとつ出れば次々に問い合わせがあるのですが、ない時には一切ありません。家を建てるにも時期やバイオリズムのようなものがあるのでしょうが、仕事が仕事を呼ぶという事もあるのかもしれません。

森のかけら　入荷【森のかけら】はお陰様で順調に販売が進んでいますが、【森のかけら】を製作するためには、少し大きめの板が必要です。基本的には、テーブルや座卓、棚などを木取りした端材を使っているので、そういう物が出ないと製造が出来ません。中にはそういう大きな材の在庫がない樹種もありますので、その場合は【森のかけら】サイズが取れる角材を頼んで分けていただいています。製造できないとはいっても、それぞれの樹種ごとにかなりのストックはあるのですが、どうしても人気のある木は早くなくなります。理想は、そういう樹種の家具の注文が入る事なのですが、世の中そうはうまくいきません。家具として使える樹種は、たくさんあるようでもサイズや乾燥、在庫などの条件を絞り込んでいくと実際にはある程度に限定されてきます。その用途に使える使えないという素材の適性よりも、必要サイズが必要量あるかどうかという事と、使える価格かどうかという事が最大の問題です。

 

CA343436家具に使ったとしても、【森のかけら】に関して言うと、もう２４０種で解説書も作っているので、今のところこれ以上樹種を増やす予定はありません（あくまで今のところは）。それに仲間に加えるためには、私自身がその樹種の事を知っておかねばなりませんし、材の特徴説明できるものでなければならないと思っています。なので、使える素材があっても【森のかけら】には加工できないものもあります。まあ、それは別シリーズの商品にするので無駄にはしませんが。今日は、【森のかけら】には載っていないものの、大きなテーブルなどに使える樹種を紹介します。ミャンマー産の【チャイニーズ・ヘムロック】です。

右上の画像でいうと、両端の2枚です。ちょうどこの日は、こういう材を見に来られるお客さんが相次いだので、たまたま立て掛けてあります。右端から２番目の、こげ茶色のが【ヨーロピアン・ウォールナット】、上部は植物性油を塗って塗装後の色合を確認しています。その隣が【西南ニレ/エルム】、かなりの大きさです。その隣がパプアニューギニア産の【ダオ】、個性的な杢目が魅力です。一口に無垢の板と言っても、これぐらい色合や形がさまざまですので、実際に来て、見ていただかないと実感が湧かないのではないでしょうか。是非、実際に見て触っていただきたい物です。

＃400-32　チャイニーズ・ヘムロック６漢字で書くと『鉄杉』ということですが、正直現地での詳しい情報が得られにくかったので、材自体に特別問題があったわけではないのですが【森のかけら240解説書】への掲載は断念しました。そもそも学術書のような物を目指しているわけではありませんが、分類とか解説とかはっきり書けない物も載せたくなかったので諦めたのですが、自分の努力不足でそういう事になってしまい、それらの木々には後ろめたいう気持ちです。中国産の木は特に情報を得るのが難しいですね。漢字は分かるのですが、その漢字そのものが日本とは別の意味を持っている事が多いですから・・・。例えば【桂】も日本では『カツラ科のカツラ』の事ですが、中国では『キンモクセイ』の事ですし。

 

 

＃400-45　チャイニーズ・ヘムロック８そういう事で少し悲しい【チャイニーズ・ヘムロック】なのですが、材としては目が詰まっていて幅広い用途に使えます。【ウエスタン・ヘムロック／米栂】に比べると、こちらの方がやや白っぽい印象です。経年変化でやや褐色にはなりますが、全体的には癖は少ないです。肌触りは針葉樹特有の滑らかさがありますが、栂同様に柔らかく傷に対する耐候性は低いです。牛乳瓶の底ぐらいの節が数個ありますが、あえてその節も埋めたりせずに柄として取り込んでいます。一応加工して、【契り/ちぎり】も入れてはいますが、実際にテーブルなどにして使うためにはもう一度仕上げる必要があります。価格はこの状態でのお渡しとなります。契りと節が交錯した１枚は画的にもかなり面白いと思うのですが、こういう物はそれぞれ好みです。今回、この２枚を特別価格で販売させていただきます。ご自分で加工される方向きです。詳しい画像は、『商品紹介』コーナーの『耳付板ほか』にアップしていますのでご覧下さい。




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