森のかけら | 大五木材


当ブログに記載の商品の料金、デザインは掲載当時のものであり、
予告無く変更になる場合がございます。
現在の商品に関しまして、お電話、又はオンラインショップをご覧ください。

新年明けましておめでとうございます。昨年の5月に父が逝去して喪中のため、年賀状でのご挨拶ができませんでしたのでこの場で改めて年始のご挨拶に代えさえていただきます。実家に帰省していて、通信環境が十分ではないので遅れ遅れのブログとなっておりますが・・・。1月5日からの営業という事でしばしの休息をいただいております。私がこの会社に入社した20数年前と比べると、普段でも3連休が珍しくなくなり、休日のありがたみも薄れたような気がします。大学生の頃、宮本輝さんの小説『青が散る』が好きでよく読んでいましたが、主人公である大学生達が青臭く苦悩する姿に共感を覚えながらも、「大学時代は長い長い夏休みだ」という台詞に、社会人になれば夏休みのような長期休暇はなくなるのだなという寂寥感の中、最後のモラトリアムな夏休みを過ごしたのが懐かしく思い出されます。入社当時から思えば、最近は随分休日や長期の休みが増えたように思います。

今回の長期休暇を利用して、帰省する前に自宅の家具のメンテナンスをしました。といっても植物性油の再塗装だけなのですが、工業系の塗料に比べて内部に浸透して固まっていく性質の塗料なので、塗装後数日放置する必要があり、こういうタイミングがベストです。5,6年前に作ってもらった【山桜のダイニングテーブル】。幅は900㎜ぐらいあり、耳付板を使った3枚幅剥ぎ仕様。元々大きな割れがありそのままでは使い勝手の悪いサイズでしたが、赤身の強い厚みのあった板を2枚に割ってブックマッチにしました。

こういう少し割れのある材や節の大きな材は、荒材の状態で見るのと削って塗装した場合ではかなり印象が変わってきます。荒材を直接お施主さんに選んでいただく場合に、こういうタイプの板はなかなか選んでいただけません。ですが仕上がりを見られると、こういうのが欲しいと言われる、いわゆる『仕上がりが受ける板』です。『通好み』という言い方が合うかもしれません。年1回ぐらいは塗装をしていますので、毎日使っていながらも植物油がしっかり浸透して、飴色の光沢が生まれています。表面は槍鉋(やりがんな)で仕上げてもらったので軽く凹凸のある独特の触感があります。 山桜そのものが濃淡の赤褐色をしていて、塗装前後の差が画像では分かりにくいかもしれませんが、このまま放置しているので、松山に戻ったときには更に美しい光沢が生まれていることだと思います。

こういう家具を収めさせていただいた時に、よくどれぐらいがメンテナンスの目安ですかと訊かれます。家具の使用頻度はケースバイケースですので、一概には言えませんが、品質を維持する塗装の目安は半年に1回も塗れば十分でしょうが、家具との絆を深めるための塗装は、家族が長期の休暇が取れる時でいいのではないかと思います。皆で協力して塗装することで、家具にも愛着が一層深まります。長く大切にしようと思えば、なるべく長く家具にも関心や興味を持っていただくことだと思います。今年もどんな新しい家具と出会えるか楽しみ!

 




オンラインショップ お問い合わせ

Archive

Calendar

2024年4月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930  
Scroll Up