森のかけら | 大五木材


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平成18年の秋に正式にはつばい販売を始めた【森のかけら】ですが、それから10数間細々と販売を続けて来て、気が付けば販売累計で『70,000かけら』を突破しました。あくまでも『70,000かけら』で70000セットではありません(笑)。わずか35×35㎜のキューブですから70,000と言ったところで、材としてみればたいした量ではありません。材木屋だけにしか理解できない魔法の単位(?)㎥〔立方メートル〕に換算すればたかだか3㎥に過ぎません。3mの105角の柱でいえば90本程度。

量を売るという点では微々たる話ですが、付加価値をつけて売るという点では弊社に中ではもっとも優等生。今までにいろいろな木のモノを作ってきましたが、生来の飽きっぽい性格が災いして途中で投げ出したり、短期間で生産を止めてしまったものが多いのですが、その中で発売以来ほとんど形も変えることなく、(超せっかちな私の気持ちの中では)シーラカンスのように(!?)作り続け、売れ続けてくれたのが【森のかけら】です。シンプルな商品だったことが幸いしました。

下手に手を入れれたりする要素があると、手間をかけすぎて作るのが面倒になったり、手を入れすぎて自己満足の世界に入ってしまってここまで原型をとどめていなかったかもしれません。70,000個という数字は、「森のかけら36、100、プレミア36、森の5かけら、夢のかけら」すべての販売個数を足したものです。もっとも多いのは【森のかけら100】で、それだけで累積販売数500セットを超えました。全国から、少しだけ海外から、木を愛する沢山の方からお声をかけていただいた結果です。

100,000個あたりがキリのいい数字なんでしょうが、そんな事を言ったいたらいつの事になるやら分かりませんので、70,000個を超えたという事で、その気持ちを形をすべく、『特別感謝セール』を開催させていただきます。期間は10月10日(水)~12月28日(金)までのロングセールです!耳付きの一枚板やカウンター材、国内外の挽板、モザイクボード、木工クラフト品などいろいろなモノが対象です。20~30%OFFの特別価格にて販売させていただきます。商品が多岐にわたるため、一律〇%というのは難しいので個別に単価をつけていくつもりです。中にはあっと驚く特別価格の商品もご用意します!なお一般的な羽柄材の野縁や下地板、根太などは対象外となりますのでご了承ください。ぜひ期間中にご来店いただき、掘り出し物を探してみて下さい!(オンラインショップ商品は個別対応で検討中です)※追って詳しい譲歩をアップしていきます。




昨日に続いて『森のたまご』の話です。『プレミアな端材』(あくまでも私の独断と偏見ですが)の出口として『森のりんご・プレミアム』を作りましたが、あんまりに幾つもあちこちにプレミアムの出口を作りすぎると折角のプレミアム感が薄くなってしまうので、ここではあまりプレミアさにはこだわっていません。スギヒノなどの汎用性の高い針葉樹とは差を明確にするため一応、ベーシックとスペシャルとプレミアの分類はしています。

今後も『プレミアのたまご』はあまり増やしていく予定はありません。現在プレミアとして在庫があるのは、『ウェンジ』、『ゼブラウッド』のみ。最初は『チューリップウッド』や『キングウッド』、『リグナムバイタ』なども作ったりしましたが、人気・販売の両面でも『森のりんご』とは大きく差がついたので、プレミナな木材の出口は今後は『森のりんご』に集中していく方向です。それ以外の新しい出口が見つかれば方向転換の可能性はありですが・・・。

『森のかけら』や『森のりんご』に比べると商品としての立ち位置が弱いこともあって、作ってはみたものの販売的には苦戦しているのですが、それでも直角が多い弊社の商品の中では貴重な曲線を持つ商品なので、普段見ることの少ない曲面が見れるというだけで自分的には満足しているのです。まあそれでは商売にはなりませんので、少しでも多くの方にその存在を知っていただこうということで、オンラインショップでも販売させていただくことにしました。

スギクスノキオニグルミなどの身近な木でも作っているので、『森のりんご』よりはリーズナブルな価格でいろいろな種類の木の曲面と触り心地を楽しみたいという方は是非どうぞ!自立できるので、集めてただただひたすらに眺めていたいというコレクターにはうってつけの商品かもしれません。たまごの裏面には3ケタの数字がレーザーで彫ってありますが、『森のかけら240リスト』の番号です。なおプレミアの木は『プレミア36』のリストに準じています。




長々と『クロガキ(黒柿』について書いてきましたが、【森のかけら】においては、プレミアム36の中の「日本代表」として送り込んでしまったので、このブログでも滅多に登場することがありません。材としてもかなりレアなのと、高級銘木にはあまり縁のない弊社としては、わずかしか在庫していないため、よっぽど倉庫の奥にまで侵入しようとするチャレンジャーでなければ、クロガキの板を目にすることもありません。端材までキッチリ使い切るので、『ちょこっと端材』コーナーに並ぶことすらもありません。

大きめの板が数枚あれば、その端っこで『かけら』ぐらいは十分カバーできるので、左の写真ぐらいのサイズがあれば5~6年は心配いりません。これは先日から書いているブログに登場する板の、三枚に割る前の姿で8年ぐらい前に撮ったものです。クロガキの大きさが分かるように、板の横に座って写真に写ってくれないと頼んだら、喜んで手伝いしてくれた娘(次女)ももう高校二年生。今ではモデルなんてとんでもない話。三人の子供たちの誰がモデルになる~ともめていた頃が懐かしい・・・そんな頃からこのクロガキも弊社にあったということか。

『カキのかけら』の場合は、かけらサイズに加工して、植物性オイルを塗って完全に仕上げてから黒味がよく表れているものを『クロガキ』として分類しています。右の写真はまだ塗装前なので、黒味をぼんやりととぼけた色合いですが塗ると下の写真のように黒味がグッと濃くなって見た目も引き締まって見えるようになります。最近は近所からもカキの木を分けていただく機会も増えてはきたのですが、なにせ虫に喰われやすく、加工してみても『かけら』としてすら使える部分もわずかという事になってしまいます。

さすがに虫もタンニンは美味しくないのか、黒味が喰われている事は少ないのですが、折角カキの丸太をいただいても、伐り時が悪いとあっという間に虫の餌食。今回は寒伐りしていたのと、保管状況が良かったようで、かなりの数のカキが揃いました。この中から一部は『クロガキ』としてプレミアムチームに選抜。ちなみに隣に写っているのは『スモモ(李)』です。どちらともこの周辺の農家の方の庭に生えていたものを分けていただきました。狙ったわけではないものの、柿と李のフルーツウッド並びでした!(※ビーバー雑木隊解釈ではカキもフルーツウッドです)




ご来店されたお客さんに木材を明るいところで見ていただくため、倉庫の奥からあれもこれもと材を引っ張り出すのですが、出す時は「これを売るぞ~!」と気持ちも高ぶっていて、少々重いものでも平気なのですが、喉もかれよと懸命な営業トークを繰り広げた後は電池切れ。気にならなかった材の重さも肩に食い込みます。それでついついそのままにして、また次の板がその上に重なる続けること数年・・・

なんて事もあったりして、倉庫の入り口付近に材が重なってしまっていたので本日はその辺りを重点的に片づけ。するとその思いに「かけらの神様」がほだされたのか、板の裏側に積み重なっていた諸々の端材の下から思いがけない木が現れたのです!確かその昔に倉庫のどこかで見たはずだった『屋久桧』の端材です。文字通り、鹿児島は屋久島の生育するヒノキです。九州の材木屋からたまたま仕入れたモノの名残ですが、最後にその姿を見たのは確か3年ぐらい前の事。

現在屋久島にどれぐらい分布していた、そのうちどれぐらいが流通しているのか分かりませんが、少なくとも弊社にルートでは今のところ新たな仕入れは望めません。その存在そのものすらほとんど知られていませんので、『屋久桧』をご指名してくるお客さんもいらっしゃいませんが、【森のかけら】のそれを加えた身としては今後の『ヤクヒノキのかけら』の供給に一抹の不安も抱いております。確かいつかどこかでかけらに使えるサイズのヤクヒノキの端材を見たはずなのだが・・・

まるで幻となった二ホンカワウソを探すかのごとく目を皿のようにして探していた相手が思いがけないところから現れたのです!そうこれこそ、昔見たヤクヒノキの端材です。しかし嬉しかった半面、本当にこれが最後の端材なので、数年先を見越したかけら用の端材を仕入れる準備をしておかねばなりません。まあしかしこれで、【森のかけら】としては数年は大丈夫。ついでに『ラオス桧』まで出てきたのは僥倖。気を付けていないと、ダイヤモンドも塵の中に埋もれてしまう・・・。




森のかけら】は、樹種名および産地を明記したシールを貼りつけていますが、それについては賛否両論あります。そもそも地域によって呼び名が異なったり、別の木を指し示すこともある商業名ではなく学名をつけてほしいという要望もありますが、材木屋としての立ち位置からすればやはり日頃から使い親しんでいる商業名で通したいし、学名を限定できるほど出自が明快ではないという事情もあります。私にてとっては学問として木を扱っているわけではなく、生きる糧としての木材であります。

その中で自分なりに木の見識を深めていきたいという気持ちはあるものの、それは学術的な分野というよりも民間伝承や逸話といった、いわゆる『民俗学的な木材』という分野。ひとが暮らしの中でどういう形で木と付き合ってきたかとか、どういうモノに加工されて利用されてきたか、その地域ではどういう名前で呼ばれてきたかといった事の方がとっても気になるのです。なのであえて商業名で通していますし、それを貫くことが自分の立ち位置を明確にすることだとも考えています

ただ今後は外国の方や教育関係者の方向けに、出来る範囲で情報として分かりうる学名なども付記していきたいと考えているところです。以前の紙媒体であれば、過去のものについて修正が出来なかったのですが、そこが上書きの出来るネットの利点。過去に遡りながら『今日のかけら』の中で情報を追加していきたいと思っています。さて、シールの事に話を戻しますと、シールではなくレーザーで名前を彫ってほしいとか、通し番号にしてほしい、無塗装にしてほしい等の要望も沢山いただいております。

木の標本として、室内のインテリアとして、あるいはプレゼントや高級な知育玩具として、【森のかけら】を購入してくださる方の目的はさまざまで、それに合わせてこうあればいいという要望もあるのは理解できますし、ありがたい事だと感謝しています。ただし【森のかけら】の最大のファンである私にとっては今の形がベストだと思っていますので、今のところはこの仕様でお付き合いいただくしかございません。オリジナルで作っていただいたこのフォントも大好きで、眺めているだけでワクワクするのです。

そんな名前シールも数樹種が欠品してしまし、先日頼んでおいたシールがようやく手元に届きました。人気のある樹種はもう何度も何度もネームシールが増刷されていますが、マニアックな樹種についてはなかなか数が減りません。圧倒的に日本の木の方が売れるので、日本の木のネームシールの方が無くなりやすいのですが、今回は外国のマニアックな木もそこそこ減っていたようで、「おお~、お前もようやく増刷してもらったか」とシールを見ながらひとり感慨に浸っているのです。




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