森のかけら | 大五木材


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昨日の続きですが、積雪そのものは20センチ足らずだったのですが、道路の一部が凍結していて、何度かタイヤが取られそうになりながらも交通量も少なかったのでノロノロ運転でどうにか新居に無事到着。最後に少し角度のある登り坂があるのですが、さすがにはそこはタイヤが滑って上り切れず車は断念。そこからテーブルとベンチを手運びで納品することに。結構大きなサイズではあったものの、素材がよく乾燥したイチョウヒノキであったのでふたりでどうにか搬入出来てほっとひと安心。

今回は施主さんが、自分の山で伐採されたイチョウとヒノキをずっと保管されていて、新居の建築の機会にぜひ家具に使いたいという事で、それらを使って製作させていただきました。弊社は材木屋なので、自社の木を売ってなんぼですので、通常は材の持ち込みによる家具製作はお受けしておりませんが、今回は新居の建築材、内装材等も納めさせていただきましたので、お引き受けさせていただきました。最近、材はあるので加工だけして欲しいという話も多いのですが基本的には材・工込みでお受けしております

イチョウには少しアオ(青い染み)が入っていたものの、立派な耳付きの板で、2枚幅剥ぎで天板に。脚はヒノキですが、なるべく素材を有効に生かすために箱脚にさせていただきました。大きな節はあるものの、赤身の張った生き節です。仕上げはいつもの植物性オイル蜜蝋ワックス拭き。雪で何度か納品のタイミングがずれたにも関わらず、寛容にお待ちいただき感謝!こういう風に自分のとこの山の木を使って家具を作りたいという方は多いものの、実際にこうして最後まで辿り着ける方はごくわずか

そのためのハードルは意外と高いのですが、今回のようにすぐに加工にかかれるほどいいコンディションでうまく乾燥させた材を持っている例は稀有で、その多くが保存状態が劣悪でカビが発生していたり腐食していたり、あるいは暴れたりねじれたり虫害を受けていたりと、材そのものに問題があるケース。また、賃加工のみで引き受けてくれる家具屋とつながるかどうか、甘く考えている加工賃等の問題もあって、いくら材があってもそう簡単には家具製作のスタートラインに着けないことも多々あります。

そんなにもったいぶらずに材の持ち込みでも何でも受ければいいのにと思われるかもしれませんが、そこはそれぞれの店の考え方。中には持ち込みOKのところもあるのでそういうところを探しいただくしかありません。私の場合は、自分が目利きした材を使って、信頼できる職人と一緒に家具を作るというのが基本的な考え方です。持ち込み材って、こちらのリスクが無い反面、材の対する愛着や思いが湧きおこらない。雪の轍を見ながら、いつもわざわざぬかるみに足を突っ込むような偏屈な人生だと思うものの、後悔は無い。




今冬の大寒波はさまざまなところに影響を与えています。松山市内は雪が舞うことはあっても積もるようなことはないのですが、南予は豪雪地帯を思わせる大雪。今年は南予や久万高原町など雪の多い場所への納品が多いので、天気予報とにらめっこしながら配達の段取りをしています。降雪そのものよりも道路の凍結が怖いので、なるべく早朝の配達は避けていますが、遠方だとそれなりに時間もかかるので計画が組みにくい・・・。それでもいつまでも引っ張れるわけもなにので、月末に雪の久万高原町へ。

久万高原町で新居を建築されたお客様からダイニングテーブルとベンチのご注文をいただいていて、1月中頃には完成していたものの、あいにく雪が続いていてなかなか納品に行けませんでした。どうやらその日は降雪は無いという事だったので、3t車に積み込んで納品へ向かいました。松山市内は快晴だったのですが、三坂道路を登っていくと少しずつ周辺の景色が変わってきます。山々の頂が白く染まっていく中、風雪に耐えかねてなぎ倒されてしまった木々の姿があちこちに・・・

たとえ倒れなくとも激しい風で木同士が激しくぶつかりこすれ合うと、「もめ」といって内部で圧縮破壊が起きているため、材質が劣化し丸太の価値は極端に低下します。どこでポキンと折れてしまうかも分からないため、建築用材としては利用する事もできないのです。大切に育てた木が伐採時期間近になってなぎ倒されている光景は無残で胸が締めつけられます。大雪が降ると全国各地で麻痺した交通網のことばかりが話題になって、山のことなどほとんど顧みられませんが山にも深い傷跡を残します。

そんな事を考えながら走っていると久万高原町に到着。道路の端にわずかに雪が残ってはいるものの、走行にはなんら問題はなくて、杞憂に終わったかと思い、更に奥に進んでいくと、突然雪が舞い始め道路も徐々に白くなっていきます。チェーン規制も出ていませんでしたが、大きな道路と脇にそれた道では状況は大違い。次第に雪も横殴りに降ってきて道路は真っ白に!あれほど頼もしく見えたお日様はすっかり姿をお隠しあそばれ、あたりの風景は豪雪地帯へと一変。無事に辿り着けるのか!?続く・・・




完成したモザイクボードのカウンターテーブルとパソコンデスクをお届けに宇和島へ。一昨年、昨年は不思議なぐらい宇和島とご縁が多くて、しょっちゅう宇和島まで走っていましたが、今年はご縁が少なく久しぶりの宇和島でした。オールモザイクボード仕様なので、2000✕500✕30㎜と3000✕600✕30㎜の2種類のモザイクボードを贅沢に使っております。その分、目方も結構なものになって、大の男二人がかりでも、室内に取り込むのにひと苦労するほどでした。設置しするとこんな感じです!


オフィスで使うカウンター&テーブルですが、仕上がりは質感重視で植物性オイル塗装+蜜蝋ワックス拭きです。テーブルの角は、(もともとのボードの長さの関係で片方だけですが)よく見ないと分かりにくいですが留め加工したピースがつながっています。こういうこだわりがどれぐらい施主に通じるのかと疑問に思う時があります。作り手が側の勝手な自己満足なのではなかろうかと。それが今回みたいに施主が木の事を分かっていただいている方の場合はこちらもやり甲斐があるというもの。

そしてこちらがデスクテーブル。キッチリ採寸していただいておりましたので綺麗に収まりました。早速電話やらパソコンを並べていただき臨場感ある感じで撮影させていただきました。こういう風にモザイクボードの家具を作らせて納品させていただくパターンとボード状態のそのままでご購入されるパターンがあって、家具の場合は納品先が遠方であっても(結構東京などの関東方面が多い)出荷前に写真を撮れるのですが、先方で加工される場合はどう風に仕上がったか気になります。

少し前にも東京からのご注文で、モザイクボードでオフィステーブルを10数枚製作させていただいたのですが、脚の取り付けは先方でされたので完成した姿は見れませんでした。生みの親としては、どういう姿に生まれ変わったのはとても気になるところで、完成写真も送っていただけませんかとお願いしています。さてアカマツハウジングさんの話に戻ります。納品当日は赤松社長は残念ながら不在でしたが、スタッフの藤本洋さんにモデルになっていただきましたが、オフィスをほぼモザイクボードが占有することに!続く・・




自宅の床に何を貼ろうかなあと悩んでいるその人に、「苗字が赤松なんだからアカマツに決まっているでしょうが!」と長野産のアカマツの幅広フローリングをごり押し、いや強く薦めて貼ることになってからもう幾年月。住宅メーカーで働かれていたその人はその後紆余曲折あって、数年前に独立し宇和島で不動産屋さんを開業されました。まあいずれは住宅の分野にも進出されるだろうと思っていたら、案の定「家づくりの虫」が騒ぎ出したようです。そのお方というのはは、㈱アカマツハウジング赤松丈弘社長。

その赤松さんから事務所のカウンター&テーブルのご依頼が舞い込んだのは数か月前のこと。すっかりご紹介が遅くなってしまいましたが満を持してのご紹介です。「樹種は?」「当然モザイクボードに決まっているじゃないですか」まるで数年前のお返しとばかりに迷いのない言葉が返ってきました。まだまだ私の洗脳は解けていないようです。それでお客さんと対面で打ち合わせをする際のカウンターテーブルとパソコンデスクの2台をフルモザイク仕様で作らせていただくことになったのです。

ここで改めてモザイクボードの説明をしますと、いろいろな種類の広葉樹が混在するフリーボードの事で、一般的にはメルクシパインやタモなどの単一樹種で作られています。さまざまな樹種を扱い、多量の端材が発生する弊社にてっては、生まれるべくして生まれた商品だとも言えます。どの樹種がどれぐらいのボリュームで入るのかはその時の端材の状況に拠りますので、同じものは一枚とて出来ません。まあ同時期に作ったロットだと似たような雰囲気になることはありますがそれも運次第。

むしろバラバラな方が面白いと思っているので、意識して調子を合わそうなんて考えて作ってはいません。たまたま結果的に似たような仕上がりになることはありますが、O枚買うから雰囲気を合わせてくれなんてのはお受けできません。今までは、バラバラだからこそ面白いという点に共感を覚える方々(あるいはこのブログなどをよく御覧いただいているフェチな方々)からの注文ばかりでしたので、そういうトラブルは起きてはいませんが、商品がひとり歩きするようになるとそんな事も心配せねばなるまいと杞憂が尽きません。続く・・・

なので、このように商品づくりのコンセプトまでバッチリご理解いただいたうえでのご注文は本当にありがたいです。製作は当然ながらいつもの善家雅智君(ZEN FURNITURE)。それで完成したのがこちら。多品種を使っているため、比重の大きい樹種も多数含まれ、フリーボード一枚となるとタモのそれよりも重たいぐらい。それで側板から中仕切りまですべてモザイクボードで作るのですから奥のカウンターテーブルになるとかなりの重量になります。これぞモザイクボードって実感がたまらない瞬間!




 

昨日に続いて松山市内のイタリアンレストラン&ワインショップ『UGGLA(ウグーラ) 』さんにテーブルを納めさせていただいた話。ご希望に合わせて、丈夫でかつシンプルに、木の表情が楽しめる『ホワイトオーク』材を使わせていただきました。『キング・オブ・フォレスト(森の王様)』の異名を持つホワイトオークは、力強く雄々しい木目が魅力で、この木なら北欧風なお店の雰囲気にもうまく溶け込んでくれそうです。ちょうどホワイトオークの板材が入荷したところでしたので、木目のしっかりした板で幅剥ぎ加工。

機能性を重視したシンプルなデザインですが、木そのものに力のある木の場合は、下手な小細工をするよりも木の力を信じてシンプルに仕上げるほうが絶対にいいと思っています。今回は製作から納品まで時間的な余裕があったので、油を使われる飲食店でのご使用ということもあり、丹念に植物性オイルを3回塗り。植物性オイルは、ウレタン塗装に比べるとどうしても耐水性で劣るものの、そこは事前に重ね塗り(塗装後に時間をかけてしっかり乾燥させて、研磨してまた塗装の繰り返し)することと、定期的にオイルを塗るという日頃のメンテナンスで補えると考えています。そこで大切なのがオーナーやスタッフの方々のご理解ということになりますが、そもそも弊社に直接お越しになられるよう方は、木大好き人間ばかりなのでその心配もご無用。

いくら「森の王様」であろうと、オイルを重ね塗りしようとも、触れば温もりを感じる自然素材『木』ですから、傷にも汚れにも無縁の存在ではありません。そこに、これからこのテーブルの「育ての親」となられるオーナーの「子育て感」ならぬ『木育て感』が反映されていくのです。どんな育て方をされるのか、どんな風に育ったのかを見させていただくのも『生みの親』の隠れた楽しみ!『育ての親』たる岡田オーナー㊨、シェフ、スタッフの皆さんに座っていただき記念写真。


最近このように直接お店のオーナーからお問い合わせをいただき、お仕事をさせていただく機会が増えてきました。私の怠慢でほとんど営業らしい営業もしていないのですが、過去に納めさせていただいた家具や内装材たちなどが、代わりに無言の営業をしてくれているのではないかと勝手に解釈・・・。素敵なご縁をいただきましたので、美味との評判のイタリア料理とワインを堪能させていただくべく今度は改めて客としてお邪魔させていただこうと思っています。カウンターも、クスノキで作られた席も十分に魅力的なのですが、やはりそこはホワイトオークのテーブルで。

UGGLA(ウグーラ)

〒790-0003 松山市三番町4 丁目1-9 城南ビル1F Tel/Fax 089-993-6331
営業時間 ワインショップ/ 立ち飲みワインバー 12:00~24:00  レストラン/ ワイン酒場 18:00~24:00(23:30 L.O.)




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