森のかけら | 大五木材


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やり方はいろいろあるんでしょうが、私は曲がりのある小枝は片手で強く固定してスライド丸鋸で送り出しながらカットしています。そうすると当山大量のが屑(う~ん、やはり屑という言葉にはもの凄く抵抗あるので、この後は〔おが〕にします)が発生します。普通であれば集めて捨てるのでしょうが、折角のオリーブなのでおがとて無駄にはしたくない。オリーブの実は食用(塩漬け、大好物!)やオリーブオイルの原料にもなるし、葉は工作などにも利用できますが、おがを使うという話はあまり聞いたことがありません。

以前に、オリーブの葉と枝を煮出して草木染に使ったことがあるという話を聞いていたのですが、おがはどうなのかしら?どういう形で利用できるか分かりませんが、『森の砂』という出口も作ったことださし、ちょっと黄色味を帯びた触り心地のいいおがを捨てるなんて出来ない。という事でしっかり採集しました。しかし生材から発生したおがなので、これをこのまま瓶などに入れて密閉しておくとカビてしまうので、段ボールの上に薄く広げて天日で干して乾燥させることにしました。1週間も乾かせるとかなりサラサラした状態になってきました。

以前に採集したホルトノキのおがにまだ水分が残っていて、折角採集したおががカビてしまい台無しにしてしまった経験があるので、今回は念には念を入れてしっかり乾かせます。完全に水気が抜けたら瓶に詰めて『森の砂・オリーブ』として販売するつもりです。匂いはほとんど感じません。これが草木染に使えるのかどうかは分かりませんが、『森の砂』としてサンドアートならぬ、ソウダストアート(SawdustArt)という使い道だってあるはず。出口は常に自分の身近なところにあるとは限らない。それは、世界の裏側にあるかもしれないのです!!

まあそういう事で、幹、小枝に続いておがも捨てるとこなく『出口』の末席のほうに並ぶこととなりました。小枝をカットしていくのですが、最後の方は弾けて危ないので、どうしてもこれぐらいの身近なとこが残ってしまいます。怪我をしてしまっては元も子もないので無理はしませんが、残ったからといってこれを捨ててしまうのも忍びない。まだ彼らにも相応の出口はあります。何に使うの?と思われるでしょうが、家内がやっている子供たちの木工では、こういう個性のかたまりこそが人気で、子どもたちは上手に作品に仕上げてくれるのです。

という事で、ほとんど余すとことなくオリーブは活用させていただく目途が立ったのですが、まだ細い枝と葉が大量に残っています。これこそ煮出して草木染に使いたいのですが、さすがにそこまで時間がありません。利用できる方がいれば使っていただきたい。『森の砂』の方は、まだまだ安定していませんが、少しずつ草木染に使いたいという話を伺うようになりました。熱しやすく冷めやすい私としては、『森の砂』で染めた数10種のTシャツを日ごと着分けしてみたいと思ったりもするのですが、道はまだまだ遠い・・・。輪切りのオリーブも少しずつ乾いてきました。

 




丸鋸などで長さを切断する際に出る切断屑がもったいなくてたまらないという事で、そのいろいろな木の鋸屑(う~ん、やっぱり屑という言い方には抵抗があるなあ・・・ま、仕方ない)を瓶を入れて商品化した『森の砂 morinosuna』ですが、もっと小さな瓶にいれて多樹種が欲しいという、思っていた以上の嬉しい反響がありました。いつもならばそんな声を神の啓示と勝手に解釈して本格的な商品化に突き進むところなのですが・・・。こういう商品って端材がベースなので、供給がものすごく不安定なのです。

あくまでもOOという樹木の注文が入った際に、仕方なくカットしたり余った材を有効活用するとおう前提があるものですから、この木の大鋸屑が欲しいと思っても、その木を挽くという必要性がなければ材が集まらないのです。いやそれは建前で、本当にやる気があれば、このために大鋸屑をつってもいいのでしょうが、やはりそれは『モッタイナイ精神』に反する『やらせ』になってしまうので、赤い色が欲しくてもサッチーネに注文が入るまでは待つしかないのです。大鋸屑のために木を削るのは本末転倒な事になってしまうのです!

という事でなかなか進まなかったのですが、それでも10数種類のストックは出来ています。ただし、まだまだ色のバリエーションが少ないので本格的な販売までにはもう少し時間がかかりそうです。とりあえあず3種類はオンラインショップで販売しているものの、いいサイズの小さな瓶が少しだけ手に入ったので試験的に色合いのはっきりした4種をセットにして販売してみようと思います。粗挽き胡椒などが入っている75gサイズの小瓶に入れて試験的に販売をしてみようと思います。反応がいいようなら数を作ろうかなと。

紫色のパープルハート色のハゼノキ(黄櫨)、灰褐色のゴールドクレスト、赤色のサッチーネと、結構色合いのはっきりした木でまとめてみました。削るときの状況や機械などによって大鋸屑の粒子の大きさや状態は異なりますので、あまりに微細なものや、品質の整ったものをと考えられている方向きの商品ではありません。どうにかモッタイナイをモッタイナクナイようにしたいという思いで、美しい天然素材・木を骨までしゃぶり尽くすつもりで作った大雑把な商品ですので、心の寛容な方向きの商品ですのでご理解ください




マツの話ついでに本日はトドマツではなくアカマツの話。先月大量に入荷したアカマツとヤニの話をアップしましたが、そのアカマツについて。とりあえず小口をカットして乾燥の促進と、整理番号を付けて桟積みも終わり、これからはしばらくの間、倉庫でお眠りいただくことになるわけです。昔であればその工程で発生する端材と鋸屑は焼却炉に消えていく運命であったわけですが、今は『商品生産』の場面でもあります。今回は生(未乾燥材)のアカマツでしたので、当然鋸屑も生です。

アカマツの板に丸鋸の刃を入れるとジュルジュルというぐらい勢いよく黄色い鋸屑が飛び出します。同時にそのあたり一帯にマツ独特の香ばしい匂いが立ち込めます。偶然その作業中に会社に来られた一般の方が、「あらいい匂い!」と仰っていましたが、日本人なら落ち着く香ばしい匂いかもしれません。板の数も半端なく多かったので、出てくる鋸屑の量も半端ではありません。生材の鋸屑なので、匂いも激しいものの水っぽいので、瓶詰しておくとカビの心配もあるので、『森の砂』に加えるかは検討中。

たっぷりと集材できたのですが、途中あたりからは綺麗にカットできるかどうかというより、うまく鋸屑を取れるかどうかということに注意が向いてしまい、あわや本末転倒。しかしこれ、『森の砂』の出口がなければいくら匂いがよくても、いかに目に鮮やかでもただのゴミ。苦労して集めたからという事もあるのですが、『森の砂』のライナンップに加えられなかったとしても、こうなったら決して捨てたりはしません。ならば更に「生の鋸屑」のための別の出口を用意しなければならないのか?!

一般の方が「いい匂い」と言われたて思い出したのですが、そういえば以前にも木のおもちゃを買いに来られた年配の女性の方が、倉庫を通られた時に「うわ~、木のいい匂いがする~!こんなところで暮らしたい~!」と本心の歓喜の声をあげられていたことを思い出しました。長年毎日木に囲まれて過ごしていると、それが当たり前になって特別な感情を抱かなくなってしまっていますが、よくよく考えれば街の中でかなり贅沢でエコロジカルな職場なのだと再認識。




ある研究によると、およそ全ての色について女性は男性よりも色を識別する能力に優れており、より細かな色の違いを見分けることが出来るそうなのですが、高校生の娘たちと話しているとそれはよく分かります。男が識別能力に欠けるという事もあるかもしれませんが、それよりも細かく識別する事自体に興味がないということもあると思います。娘たちが話している服の色の微妙な差にどれほどの意味があるのか、それが分からない・・・。これは男性が、というよりも私個人的な見解です。

視力とかいう話ではなくて感受性の問題なのかもしれませんが、服とかだけでなくて仕事である木の色についても言えることで、そもそも持っている語彙が少ないという事もありますが、木の色合いの微妙な違いを言葉で表現するのがとっても苦手。木の場合、伐採直後こそ水分が多くて瑞々しいものの、しっかり乾燥してしまえば全般的に色が淡くなるので、その違いも本当に微妙になるため、違いを伝えること自体容易ではありません。このブログを書いていても的確な表現が出来ず臍を噛むことしきり。

分かりづらい色の区別の中でも特に黄色が苦手なのですが、『カーキ色』なんて未だにどれがそれ何だかよく識別出来ません。薄くて淡い黄色ぐらいの表現で別に困ることのありませんが、先日加工した木材の利用用途に「カーキ色」の名前が!その木とは、中南米産のクワ科の広葉樹『タタジュバ(Tatayuba)』。国によっては『モラル(Moral』とも呼ばれる木で、高いものでは40m近くにまで成長する大木ですが、私も出会ったのは数年前の事で、未だにその明快な用途は定まっていません。

とりあえあず仕入れてみたので、これから探り探り適性を見つけていこうと考えているところです。気乾比重0.77で、非常に重硬でシロアリにも強く耐久性も高いため、海外では船材としても有力だそうです。他にも橋や桟橋など水に浸かる重構造物やボート、水槽にも利用されるのですが、材質以上にこの木を有名にさせているのはその色合い。仕入れた時は、表面がすっかり日焼けしていて濃い赤茶に退色していて本来の色合いが分からなかったのですが、削ると鮮やかなオレンジ色が現れました。




件(くだん)のモミジバフウと同時期に大量に入荷したもうひとつにの木、『ノキ』について。単純にボリュームだけでいうと、ユリノキの方が多いぐらいのバランスだったのですが、モミジバフウの製材が後手に回ってしまった分、その一部が腐食したりカビさせたりしてしまったので、ついついモミジバフウに肩入れしてしまい、ユリノキの事をすっかりほったらかしにしてしまいました。実はユリノキの方が木も大きくて、そのままカウンターとして使えるような3mの材も取れていたのです。

ユリノキは辺材はやや緑を帯びたクリームですが、心材はホオ(朴)のようなモスグリーンです。それが樹形によっては、犬や猫などの『ブチ』のようなまだら模様となって現れることがあります。流通量も少ないのですが、街路樹や公園、学校などには多く植栽されているので、今後『街の木』としてもっと名前の知れ渡る木のひとつではなかろうかと思っています。建築材で使う場合は、このまだら模様が敬遠されることが多く、提案しても以前はほとんど相手にしてもらえませんでした。

それが最近は、そのまだら具合が面白い!と言って喜んで使っていただける人が増えてきて、ようやくユリノキにもスポットライトが当たりつつあります。先日アップした『森の砂』でユリノキのそれについて「この緑色は何の木?」という問い合わせを数人の方からいただきましたが、あれはユリノキの心材の緑色の部分だけを集めたものです。辺材も心材も気にせずに集めると、辺材のバランスの方が圧倒的に多いので、混ざり合って緑が消されてしまいます。なので意識して心材部分だけを集めてみました

建築材としては、まだら模様の原因として敬遠された『緑色』ですが、染料(あるいは画材)としてなら思いのほか歓迎され、やはり『出口』は沢山持っておくものだと痛感。材質はやや軽軟で、仕上がり面もサラサラというよりは、どちらかというとカツラのような「木綿の肌触り」に近い気がします。弊社ではその形を活かして耳付きのカウンターや棚板などに使われるケースが多いのですが、今のユリノキは節が少ないものもあるので、小割してクラフト細工などにも利用しています。

節の周辺付近に現れる丸い緑のブチとかに出会うと、そのまま何かに使ってやりたいと思ってしまうのですが、なかなか出口が定まらず割れてしまう事もあってモッタイナイ。そんなユリノキの一部をオンラインショップの『ちょこっと端材』コーナーにアップしました。伐採する際に斜めに鋸が入った部分で、角に少し丸みがありますが、まあまあ広めの板です。反応がよければまた数点アップしようと思っていますので、ご興味のある方は是非。ユリノキの詳しい説明はこちら→『今日のかけら/ユリノキ』。




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