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| 弊社のような零細材木屋ではおよそ考えられない単位のボリュームある仕事をさせていただいていて、日々その加工に追われています。その内容についてはまだ明かせませんが、量こそ多いものの小さなもので加工自体も単純作業。それがうちには似合っていて、うまく端材が活かせることから実にありがたい仕事なのです。ただし量が半端なくてゴールがかなり遠いところに設定してあるので、毎日作っても作ってもゴールは霧の中。この数か月ほぼ毎晩のように独りで8時頃まで残業しているのですが、その時支えになっている言葉があります。 |
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最終的なゴール(年間の)はあまりに遠すぎるので、自分の中で短期的な目標を立てていて、月産いくら、週産いくらとそれぞれの「見える目標」を心の拠り所としています。とりあえずそれをクリアすべく頑張っているのですが、動きをすっかり体が覚えてしまっていて、スピーディになり生産性は飛躍的に向上した半面、時間が長くなり、作業が単調なため眠くなったり、筋肉疲労でもう今日は止めてしまうおうかと思った時に、頭の中で繰り返すのが「その目標は自分が決めたことではないか!」という己への叱咤激励。 |
| 車で木材を配達する際にラジオを聴くことが多いです。朝早い時間だと楽しみにしていたのが、文化放送が制作して全国のAMラジオ局で平日の朝に放送している10分番組『武田鉄矢 今朝の三枚おろし』(愛媛は南海放送の『モーニングディライト』内で放送)。鉄矢氏が、毎週何かのテーマを決めて、それを自己流に分析して解説するという内容ですが、最近は自分で読まれた本を扱う事が多く、その軽妙な語り口と独特の切り込み方が面白くて毎回楽しみにしています。それが最近はその時間帯の配達が少なく聴けていませんでした。 |
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1つのテーマが1週間続くので、月曜、火曜とかだけ聴いて後が聴けないと、結論どうなったのか分からないままで消化不良状態となりモヤモヤとした気分になることも(その逆もあって導入部分を聞き逃すと話が見えない)。それが数か月前からポッドキャストなるものの存在を知り、今では好きな時間に何度も繰り返し番組を聴いています。その中で、特に私のお気に入りなのが、元キリンビールの代表取締役副社長だった田村潤さんがお書きになられた『キリンビール高知支店の奇跡』という本を取り上げられた回。明日に続く・・・ |
| 日本の広葉樹に魅せられたビーバー隊長こと武田誠さんは、変わった木を見つけたら挽かずにはいられなくなる『ビーバー症候群』に患われていて、まるで挽くことが目的になってしまったかのように次々と珍しい木々を鋸にかけています。挽かれた薄板は所狭しと工場の内外に積み上げられています。そんな光景を見て、私の心はドキドキ!こんな場所に長居していたら、すべて欲しくなってこの材がそのまま松山に移動してしまうそうになりそうで怖い・・・当然ながら私も長年ビーバー症候群を患っている者です。 |
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恐らくここを訪れた多くの方が隊長に以下の言葉を投げかけられることでしょう、「こんなに挽いてどうするんですか?」どうかお願いですからもうその質問は止めてあげてください。本能的に木を集めてしまう(隊長の場合は集めて挽いてしまう症状)ビーバー症候群を発症しているのです、病気なんです!どう評価されようとも気にしないので、どうかわたしたちの事はそっとしておいて下さい。そして静かに見守っていて下さい。どこまで本気なの?いやいやどこまでも本気なんです。それが分かる人は軽いビーバー病?! |
| 何事も極めれば芸というか、それなりの評価を受けることになります。周囲から何と言われようともわき目もふらずに日々鬼神のごとく木を挽き続けた隊長のそれは、もはや地域の「観光事業」に指定されてもいいのではないかと思うほど。それほどにこの地には多くのビーバー症候群の潜在的感染者が全国各地からやって来るのです。それは「お客さん」というよりも信者による「巡礼」に近い感覚なのかもしれません。まさにここは聖地!何事もやるからには突き抜けなければ意味がないということをここは示唆してくれるのです。 |
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私も【森のかけら】を作り始めた時に、当初は周囲から相当に白い目で見られましたが、その種類が200を超えるようになって、全国から注文が舞い込むようになり、その販売数が500セットを超える頃から周囲の反応はガラリと変わりました。その志は当初から何も変わっていないのに、変わったのは周囲の反応。隊長もきっと同じような体験をされているはず。最新機械の大型工場で大量に挽くことを目指す住宅資材向けの製材業とは別次元の、ある種の人々から求められる製材業の「あるカタチ」がここにはあります。 |
| 三重県は「松阪牛」だけでなく、「伊勢海老」に「志摩の真珠」、「桑名のハマグリ」など全国に名だたるブランドの宝庫。その名前を言うだけで誰でも理解できるブランドが定着しているって凄いなあと思う反面、偏屈な材木屋としてはブランドイメージに縛られてしまうリスクや、ブランドの冠に埋没してその中での差別化が難しいのではなかろうかなんてつまらない詮索をしてしまうのです。長いものに巻かれることをよしとしない我々ビーバー一派の進む道は、光の当たらぬ広葉樹を巡るノーブランドの世界。 |
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決してひがみやねたみで言っているつもりではないのですが、どうしても性格的に巨大なるものへの反発心が強いのと、自分の手で新たなモノを作り出したい、新たに光を当てたいという思いがあって、世間の潮流とは逆へ逆へと舵をきってしまうのが悲しきビーバーの性・・・。まあそれが損だとか回り道だとか思ってもなくて、好きだからやってるというだけのもの。多くの方がビーバーハウスに足を踏み入れられて思うことは、「なんでこんな無謀な事をやっているんだろう?!」という疑問ではないでしょうか。 |
| いろいろなメディアの取材なども受けられていて、その書き手がそれぞれに、この人はこれこれこういう理由でこういう無謀な事をしているのだと、理由付けをしようとされているようです。不遇な状況にあった日本の広葉樹にスポットライトを当てたいとか、日本の林業の新しいビジネススタイルを模索する高邁な理念がここあるとか。そうやって何かの動機づけをしなければ自分の中でこの行為が説明できなくなって不安に感じるのかもしれませんが、動機はもっとシンプルで単純なもの。「好きだからやっている!」それだけ。 |

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ビーバーハウスに足を踏み入れた最初の私の印象。うず高く積み上げられた様々な広葉樹の板を見あげて、「嗚呼、もうこの人はたまらなく木を挽くことが好きなんだろうなあ・・・。」世間では「なぜ?」と思われるビーバー活動ですが、もうこれは本能なんだから仕方がないのです。ただただ好きでやっているだけで、ゴールがあるわけではなくて、珍しい木があれば挽いてしまうという条件反射のようなもの。そこに理由などないのです。同じビーバーの血が流れる私には分かる・・・嗚呼、哀しくも愛すべきビーバー魂! |
| 久しぶりの松阪駅に到着。そこにお迎えに来ていただいたのは、ビーバー隊員である『熊鷹』こと柳田国男さん。実際にお会いするのは今回がはじめてだったのですが、日々フェイスブック等でやりとりしていると何度も会ってお話しているような錯覚をしてしまいます。ビーバーハウスに行くためには松阪駅から車で40分ほどかかります。それで、津市にお住いの柳田さんにビーバーハウスまで送っていただくことになりました。フェイスブックの情報をよく見ていなかったのですが、柳田さんは1966年生まれでほぼ同世代。 |
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| 熊鷹というのは柳田さんの屋号(ビーバーネーム)なのですが、日頃からビーバー隊長こと武田さん(以下隊長)と共に活動(主に伐採されて放置された木材の救出など)されていて、どんな小さな情報も聞き逃さない鋭い情報収集能力や、どこへでもすぐに飛んでいくフットワークの軽やかさは、まさしく本物の熊鷹のようでもあります。立木の樹種鑑定にお詳しいので、てっきりもっと年上の方だとばかり思いこんでいたのです。木についてお詳しいのは、松阪農林商工環境事務所 林業普及指導員をされていたからで、その道の専門家。 |
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いや~そういう方が身近にいらっしゃると本当に心強い!材木屋だって木のプロなんだから、そういう方がいなくても木の事は分かるでしょう、と思われるかもしれませんが、ごく一般的な材木屋が扱う木の多くは建築用材・土木用材・家具用材で、国産材に限ればその樹種は多くても20樹種程度といったところだと思います。それらの判別は問題ありませんが、これが野山や庭、公園などに生育する立木となると話は別。しかもその多くは板や角材に製材されたもので、元の姿(立木)を目にする機会は極めて少ないのです。 |
| なので柳田さんのように立木の樹種の識別ができる方が身近にいると非常にありがたい。いくら珍しい木があってもその名が分からなければ価値を高めることが出来ません。そんな話も含めて、車中で柳田さんとあれこれ木の話をしてたら、隊長との合流ポイントに到着。柳田さん同様、いやそれ以上に日々(ほぼ毎日)フェイスブックでやり取りし、頻繁に電話でも話しているので、これが直接会うのが初めてとは思えぬ親近感!!遂にリアルビーバー(?!)との邂逅です。ここから3人で向かう最初の目的地は・・・?! |
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| 設計士さん自らが本気でその木に惚れて使っていただく場合、ほとんどトラブルはありません。だって好きになったんだから仕方がない。人間だってなにもかもすべてが好きというわけではないでしょうが、話が合わない部分や気になる点がいくらかあったとしても、はるかに合う接点が多いとか好印象の方が沢山あるから好きってもので、木材だって完璧な素材ではないのです。品質、価格、施工性、意匠性、供給体制等々、すべてが完璧な木材があったとしたら、その産地は禿山になってしまっていることでしょう。 |
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だからどの部分の長所を生かして、どの部分の短所に目をつぶるかということをトータルで考えていかねばならないと思うのです。まだまだ実績の少ないサーモアッシュですが、ジューサンケンチクセッケイの石村隆司君は、そんな木だからこそ面白いじゃないかと積極的に挑まれます!200℃ほどの超高温で乾燥させるため、端の方が焦げているものもあったりします。パネリングとして壁板などに加工する場合は、そういう部分はカットして使うのですが、アグレッシブな設計士は「そこがたまらない!」ということでカットはご法度。 |
| しっかりと並べる順番も確認していただいた後、指定のサイズにカットして裏から横板を渡してビス止め。あえてプレーナー加工などは致しません。とはいえ、サーモ処理したことでささくれがポキンと折れやすくなっていたりするので、周辺はトリマーで軽く面取り。サーモ処理したことでセルロースが茶褐色に変色しているので、どこまで削っても内部まで同じ色合いというのもサーモウッドの魅力のひとつです。裏板のバランスがおかしく思われるかもしれませんが、理由は次の写真を見ていただければ分かります。 |
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裏板のサイズがずれていたのは施主さん自らが探されてきたドラム缶の上に乗せるためでした。石村君の代名詞ともなりつつあるアメリカンガレージハウスの中に鎮座ますサーモウッドのバーベキューテーブル。その上方には、これまた以前に弊社の倉庫の奥の方から探し出してきた、いい感じに歳を重ねたロマンスグレー・ホワイトセラヤの雄姿が!実際に木を見て使っていただける、木に惚れて使っていただけることの安心感、安堵感。なにより価値を共有できる楽しみや達成感、同世代の男の冒険はエンドレスなのであります。 |