森のかけら | 大五木材


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20110927 1一昨日からの続きですが、『飛び出せ!科学くん』の話。このスペシャル版、たくさんの方が観られたことと思いますが、結論から言うと煽りに煽って最後まで引っ張った挙句、二度目の探索ではディアナ号を見つけることは出来ませんでした。ちょうどこの撮影の少し前に「東日本大震災」が起こり、その影響で海底でもかなり地盤が動いて、ディアナ号とおぼしき沈没船も以前のポイントから結構動いて、更にその上に砂や土が被ってしまったとの事でした。ソナーでは大きな物体を捉えていたのですが、海流が激しく捜索は断念せざるをえなかったのです・・・。残念、という思いと「最後はやっぱりこうでなくっちゃ」という妙な安心感がありました。

20110927 2そうです、この手の捜索番組で本当にお宝が見つかったためしはないのです!もし見つかってたとしたら、先にTVや新聞で報道されてしまい、番組としての価値が無くなってしまうのです。ですから決してお宝は見つからない、これがこの手の番組のルール、不文律なのです。ですから、それに対しては何の不満も怒りもありません。なんだ、これだけ煽って結局見つからないじゃないか!そんな野暮な事を言ってはいけません。見つかりそうで見つからない事を指して『浪漫』と呼ぶのです。

 

20110927 3むしろ私はそんな事よりも、出演者の柳原可奈子がはからずも言った「こんな小汚い木材で心が躍るなんて」という言葉の方に反応!「小汚い木材」という言い方がどうこうじゃないんですよ、実際に小汚いんですから。そうではなくて、その後の「心が躍る」の方です。150年前に沈んだ船の一部と思われる小汚い木片のお陰でこんな騒動になって、誰もが心を躍らせている!凄い事ですよね~!ただの小汚い木片であればただのゴミで、それで誰かが心をときめかせたでしょうか。この沈没事故では幸いにも1人の死者も出なかったそうです。その後船を失ったプチャーチン提督たちをロシアに返すために、地元・戸田(へだ)の船大工達が協力して木造船を作り上げるのです。プチャーチンは感謝の気持ちを込めて、その船を「ヘダ号」と名付け、無事にロシアに帰還します。

 

20110927 4この来日で、プチャーチンは日露通商条約の締結を果たします。二度の悲運にも負けず礼節ある態度でこの大役を果たした彼に、日本からも勲一等旭日章が贈られましたが、ロシア政府も伯爵の称号を与えその功績を讃えました。その際作られたプチャーチンの紋章には、帯刀した武士の姿が描かれているのです。日本人に対する感謝の気持ちがここにも現われています。後日談として、彼の死後、娘が戸田の町を訪れ、お世話になった人々に謝意を述べたとか。今でこそ美談ですが、国家間の利権争いよりも、困った人がいれば助け合うという人間らしさの方が普通であった時代のごく当たり前の話だったんでしょう。互いを思いやる心があれば大抵の事は解決するという事ですね、教訓です。 

 

20110927 5ひとつの小汚い木片から2国間の条約締結というスケールの大きな話にまで広がり、私の心も躍りました!もしもあの時、鑑定を受けていれば、150年前にプチャーチンが指揮したディアナ号の木片が私の手元に届いていた事でしょう。歴史の浪漫の大魚を釣り逃がしてしまいました・・・。ああ、次からは恥をかいてもいいからお断りするのは止めよう、そう固く心に誓うのでした。それにしても小さなかけらの壮大な物語を満喫させていただきました。それだけに番組終了は残念。復活を待つ!




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