森のかけら | 大五木材


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今日のかけら番外篇・E052【オリオモ】Oriomo   ツバキ科・広葉樹

魅惑のパプアニューギニア産材第3弾。本日ご紹介するのは、ツバキ科の広葉樹『オリオモ(Oriomo)』。初顔です。いろいろな文献を調べてみましたがほとんど資料がありません・・・。これもいわゆるM.L.Hの木として日本に輸入されて、「樹種は問わない」という事で名前も明記されずに流通されている木の1つです。自らの手でこの木の特性や可能性を切り拓いていかねばなりません。30余年の材木屋としての経験と自分の感性が頼り。とりあえず板には挽いてもらったので、乾燥工場に送って乾かしてもらうことにしました。

乾燥についても手探りで、どれぐらいの温度でどれぐらいの期間乾かせばいいのか試行錯誤の繰り返し。乾燥についてはいつも愛媛ドライウッド(株)さんに持ち込んでいるのですが、石井和典工場長がほぼデータの無い新顔の木材でも厭わずにトライしてくれるので非常に助かっています。強制乾燥によってどれぐらい収縮や反り、ねじれ、割れが発生するのかまったく分からず、リスクも高いのでそれぞれの樹種を少しずつ抜き出して試しています。持ち込んでからおよそ半月ほど経って、オリオモが大五木材に帰還しました。

わずかな手がかりとして、ある文献に気乾比重0.64というデータがありましたので、それほどたくはないだろうとの見当はつけていましたが怖いのは割れや反り、ねじれ。乾燥する際には最上部に重しを乗せる圧締乾燥をしていますが果たして!?わずか1本の丸太のしかもその一部をもってして、その木のすべてが分かったような事を言うつもりはありませんが、とにかく机上のデータではなく、実体験、体感した生の記録を残していくことこそが、生きた教材、触れる教材『森のかけら』の作り手としての使命だと考えています。

乾燥による表面割れ、反り、ねじれはほとんど見受けられませんでした。生材の時の見た目では、かなり割れて戻ってくるだろうと覚悟していたので拍子抜けするほど。削ってみると本来の色がハッキリ確認できましが、私の印象ではアカテツ科のモアビに近い見た目。一部柾目に挽いた中に面白い虎杢が全身に現れていますが、これもたまたまなのかこれが特徴的なものなのかは不明。Oriomo redwoodと記してある文献もありましたが、その名の通り心材は灰赤褐色で辺材はやや淡い色調モザイクボードにしろ色味の濃い木は大歓迎なのでこういう木はありがたい。これからは塗装もしてみて実際に使ってみながらデータを収取していこうと思っています。




昨日のクリのダイニングテーブルの写真に見切って映っていましたが、テーブル、ベンチと合わせて『モザイクスツール』も3脚ご購入いただきました。もともとモザイクスツールは、モザイクボードでテーブルやカウンター、キャビネットなどのオーダーメイド家具の注文をもらった際に発生する切り落としの端材や製造工程において発生する短尺サイズのボードの有効的な活用を考えて作り始めたものです。当初はモザイクボードの活用方法の一例になればいいという程度の気持ちで作り始めたのですが息の長い人気者に!

高さに合わせてS、M、Lの3種類があって、基本スペックは、Sサイズが座面直径が300㎜、高さが250㎜、Mサイズが座面直径300㎜、高さが420㎜、Lサイスが座面直径300㎜、高さが650㎜となっています。座面がモザイクボードで、脚材には当初はブラック・ウォールナットやホワイトオークを使用していましたが、最近はブラック・ウォールナットを多用しています。座面のモザイク柄が賑やかなので、色合いを引き締める意味でもブラック・ウォールナットの黒茶色がいいバランスになっているのではないかと考えています。

Sサイズは子ども用とかインテリア向き、Lサイズはキッチンのハイカウンター向き、Mサイズがもっとも汎用性の高い実用性のある仕様として考えましたが、想定通りMサイズがもっとも人気が高くてよく売れます。当初はシンプルなデザインでもと思っていましたが、どうせ作るならきちんとデザイナーさんに考えてもらった方がいいと思いJune studio佐伯勇樹さんにデザインしてもらったのが正解でした。安価なモノを大量に作って売るというのは弊社には出来ません。素材を余すとこなく生かすコツコツしたものづくりで勝負です。

今回ご購入いただいたのもSサイズでしたが、お客様のキッチンカウンターにピッタリと収まりました。モザイクボードの出口としては定着してきたモザイクスツールですが、それが人気になってくるとそれにあやかろうとスピンオフ商品も考案。といっても座面をモザイクから無垢の一枚板に変えただけなのですが。現在鋭意製作中でまだお見せできませんが、試しに何種類かの木で作ってみたら段々面白くなって、いつもの悪い病気が発症。『森のかけら』みたいにこれを200種類ぐらいの木で作ってみたら面白いのでは・・・。もうそう考え始めたら止まりません。とりあえず座面に使えそうな樹種を少しずつ集めています。まだ本気度20%ぐらい(笑)




先日、宇和島市内の新居に北海道は函館産のクリの木で作ったダイニングテーブルとベンチなどを納品させていただきました。製作はもちろんZEN FURNITUREZEN善家雅智君ですが、その丁寧な仕事ぶりにお客様もとても喜んでいただけました。家具を納品させていただいて嬉しいのは、お客様が完成した家具と初対面する瞬間に立ち会えること。お届けするまでは、その家具のことをもっとも愛しているのは私なのです。使われた素材に初めて出会った日のこと、その材が弊社の倉庫で過ごした歳月のことなど走馬灯のように蘇ってきます。

その家具を愛でるのにもっとも相応しいのは私なのです・・・お客様にお届けするまでは。いつもことですが、新居に運び込み養生していビニールを剥がした瞬間から、その木をもっとも愛でるのに相応しい人は私ではなくなります。歓声と共に迎い入れられたその時が、私と家具たちの別離の時。無事にお届けできた(納期等も含めて)という安堵感とともに一抹の寂しさも感じます。それはただ単に家具が手元から無くなるということだけではなく、お客様ともとりあえず一旦これでご縁が切れるということも含めて。

しかし今回はお客様との繋がりが、家内のやっているインスタグラムを介して知人のご紹介から始まったご縁なので、今後もSNSなどを通じてご縁が続きそうでありがたいです。以前は、新築の家を建てる際についでに家具も一緒に作ろうかというパターンが多かったというか、ほとんどがそれでした。それが最近は施主さんが自らSNSで家具をリサーチして、それだけを単体でご注文されるケースが増えてきました。おそらく数年後には、家具についてはそういうお客様ばかりになりそうです。むしろそのお陰でご注文が入るはんい商圏も飛躍的に広がりました。

ところでクリの木ですが、以前に仕入れていて函館産のクリで木柄が面白いものがあったので取っておいたのですが、それがちょうど天板分にピッタリ仕えました!クリの木は線路の枕木などに使われるので、硬い印象がありますが、表面硬度が高いというわけではありません。タンニンを含んでいて耐湿性、耐久性が優れているという点が評価されての事。年輪幅があまり密ではなくて緩やかで柔和な杢が朴訥として印象を与え、まさに日本人好みの木だと思います。クリの家具を見ていると、緊張感からの解放されリラックスした気分になるのです。




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