森のかけら | 大五木材


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ウォーターガムの仲間のクローブツリーですが、もともとマレー諸島の限られた地域にしか分布しておらず、莫大な富をもたらすクローブを求めてイギリスやオランダ、ポルトガルなどで血なまぐさい争いが起きたといわれています。クローブは珍味な香料としてだけではなく病気治療にも使われてきました。クローブの飾り物を身に着けるとペストに効果があるなどの迷信もあり、獲得競争がより過熱しました。現代でも鎮痛剤や抗炎症作用があることから医療にも使われています。

クローブのエッセンシャルオイルには殺菌作用があるため歯科のマウスウオッシャーにも使われています。その樹皮にもタンニンが含まれていて皮なめしに用いられたり薬用に使われるなど、材としてよりも花や樹皮の方が有用な木のようです。ということでここから話をウォーターガムに戻します。同じフトモモ科のユーカリ属の一部の木はゴムが採れることか「Gum tree」とも呼ばれているので、もしかしたらこの木からも天然ゴムの原料となる樹液が採取できるのか、それとも「ガム(Gum)」には木の樹皮からしみ出る樹脂あるいは樹液の意味があるので、総称として名づけられているのかも。

頭の「ウォーター」については、普通に考えれば水辺に生える木という意味ですが、資料によれば分布域は砂質粘土壌や海岸に沿った砂岩大地が最も多く一般には低地から1,500m以上の丘陵高地帯とあるので、もしかしたら気乾比重が1に近いものもあることから水に沈む木(沈木を意味しているのかもしれません。材を触った感覚としては後者の沈木由来の方がしっくりきますが果たしてどうか。材としての特徴としては、比重に重硬なために乾燥には時間がかかりますが、乾燥に伴う小口割れが多く見受けられました。人工乾燥は難しそう。

海外では大きな原木から化粧ベニヤの突板なども採られていうようですが、日本に輸入されるのは基本L.M.Hなので、そこまで装飾的な価値のある出口に導くのは難しそうです。耐久性はあると思われるのですがキクイムシによる食害が多く、強度を求められるパレットやダネンージ材(荷物を固定する荷敷材)などに利用されてきたのも頷けます。この木ならではの出口を見つけるのは簡単ではなさそうですが、一族の仲間がクローブ(丁子)だったなど知らなかった関係性が分かっただけでも大きな収穫。私にとってM.L.Hは心楽しき未開の世界!




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