森のかけら | 大五木材


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20100305 アメリカ広葉樹協会4あくまでこの辺りでの話ですが、あまり外国産の広葉樹を扱われたことの少ない大工さんに販売するとしばしばトラブルことがあります。国産の広葉樹といえば欅(ケヤキ)に代表されるように、耳付の1枚板など座卓やテーブル、カウンターなどに使われることが多く、アメリカ広葉樹などのように厚みを揃えて耳を断った挽き板になっている事はほとんどありません。そのため国産の広葉樹に対しては、特殊な物で価格もまあまあ高価な物であるという意識があり、節や割れに対してもある程度寛容であるのですが、外国産の広葉樹に対しては妙な厳しさがあります。挽き板という形から来る『まとまった製品』という印象もあるのでしょうが、のような通直な針葉樹のような感覚で見られる方もいらして、その杢や節に対してしばしば相互の「見解の相違」が起こります。実はアメリカ産広葉樹には明確な等級基準が規格化されています。

 

100308_2114~0001それを理解していれば、針葉樹との明確な等級付けの差が分かっていただけるのですが、ほとんどの大工さんはご存じないのではないでしょうか。それだけ広葉樹は住宅そのものからは遠くなっているのだと思います。家造りそのものが「加工を必要としない取り付け物の新建材」が主流となった昨今、ねじれを直して木の素性を考えながら使わなければならない広葉樹が、人の手を渡るうちに「面倒くさい物」、「手間がかかる物」として片隅に追いやられ、更にその特性そのものが理解されなくなり建築の舞台から姿を消しつつある現実があります。

20100308 広葉樹の森結果、大工さんからも「素性が悪くて使えない」とか「節が多すぎる」と言われ、設計士さんからも「木目が揃っていない」とか「別注サイズの対応ができない」などと言われます。その気持ちもよく分かるのですが、広葉樹には広葉樹ならではの特徴があります。事前に説明はさせていただきますが、実際に扱ってみてもらわないと口頭の説明では理解できない部分もあります。「これほどねじれがあるとは思わなかった」、「もっと節は少ないと思っていた」、「梱包によって木味が違いすぎる」等々。新建材に慣れた目では、なかなか外国産広葉樹の規格を理解していただくには簡単ではありません。使い慣れている家具屋さんとか建具屋さんでは、こういう問題は起こりませんが、滅多に使った事がない大工さん、工務店さん、設計士さんに、その特性や規格を理解していただくのは時間が掛かります。当然、こちらの説明不足に起因している部分もたくさんありますが、専門家に対してあまり基本的な事を今更説明するのは失礼ではという遠慮もあったりして、ついつい「語り足りない」部分が出てしまいます。

20100305 アメリカ広葉樹協会 レッドオーク針葉樹以上に個体差にばらつきがあり、価値の解釈幅の広い広葉樹はそれだけ値付が難しい木でもあります。卸や問屋など一定量のボリュームを扱う場合は別ですが、1枚から販売する小売の場合は、特徴に合わせて価格を設定すべきだとは思うのですが(例えばブラック・ウォールナットの黒白込みと全身黒が別値であるように。魚のトロと赤身の値段が違うように。)、ただファックス1枚で見積もりを依頼される場合、そこまで理解していただくのは難しいのが現実です。直接対面で施主さんとお話出来る場合は、現品も見ていただきながらある程度まで説明できるのですが、電話だけだと多分つたわってないだろうなと不安になります。結果、完成品の広葉樹と初対面される方は「えっ!」と思われる方もいる事になります(マイナスの意味で)。極力そういう事が出ないような努力はしているつもりなのですが・・・。

 

しかし、そういう事があってもなお広葉樹は面白くてやめられません!新しいバンドルが入荷した時、梱包をばらして1枚1枚板をめくって立てかけていく時に個性溢れる新顔に出会える楽しみは格別です!これぞ材木屋ならではの醍醐味!それでは各種広葉樹を使って、実際に家具を作ってみましたので明日その一部をご紹介致します。




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