アメリカ広葉樹の世界・・・③

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アメリカ広葉樹の世界・・・③

2. 木のはなし・森のはなし | 2010/03/09 PM10:55

木材だけに限ったことではありませんが、商品には売り手と買い手がお互いに認識できる共通の一定基準が必要です。それは英語圏の木材を日本で売るに際しての大切な「拠り所」でもあります。100年以上の歴史を誇る全米広葉樹製材協会（ＮＨＬＡ）が認定したＮＨＬＡの格付け基準があり、それが輸出や商取引の判断材料となっています。もともと広葉樹製品の格付けは家具材の部材を想定していて、３ｍとか４ｍで全く節や割れ、反りがない物が取れるのは稀な事なのです。最もグレードの高い『ＦＡＳ』でも、右のように1枚の板の中に占めるクリアー材の歩留まりが最低８３％以上あればＯＫなのです。

実際にはもっと細やかな条件が幾つもあるのですが、アメリカサイズなのでインチ、フィートで計算されます。あまり細かな事を羅列しても難しいので割愛しますが、具体的な例を挙げると長さ2.4ｍ（8フィート）、幅150ｍｍ程度の板から、最低でも長さ1.5ｍの幅80ｍｍの材が何枚か取れたとして、最低83％をクリアー出来た物が『ＦＡＳ』となるのですが、こう聞いてもまだ分かりにくいと覆います。要は、無節の長尺材が取れるかどうかという事ではなく、ある程度の長さの無節材が何枚か取れれば、『ＦＡＳ』という最高品質の基準を満たしているという事になるのです。針葉樹の感覚だと、３ｍの無節材というのは、３ｍ通して節がない物という風に解釈されていますが、それとはかなりの感覚差があるのです。なのでしばしば、３ｍの最高グレード（『ＦＡＳ）と言ったのに、真ん中に節があるじゃないか！という大工さんからのクレームが発生するということになるのです。

『ＦＡＳ』を頂点に、歩留まり率が下がるごとに『ＮＯ．１コモン』、『ＮＯ．２Ａコモン』とランクがあるわけですが、根本的には材をなるべく無駄なく有効に使おうという理念がベースになってると思います。またその成長過程から宿命ともいえるさまざまな表情（ブラックチェリーなどのガムポケットやホワイトアッシュに見られるグラスウォームなど）も、ＮＨＬＡの格付け基準では欠点とは見なされていないのです。そういう意味でも一般的な建築材として使われる針葉樹とは一線を画しているのです。もっと具体的に家具の画像を元に説明させてもらうつもりだったのですが、突然寒くなり温度が下がったため、予定通りに塗装が出来なかったので、アメリカ広葉樹を使った家具は次回改めて詳しくアップさせていただきます。アメリカ産に限らず広葉樹というのは、端材になっても用途は十分にあるので骨までしゃぶって使うぐらいの心構えで扱っていただきたいと思うのです。なにせほとんど捨てるとところはありませんから。

このように奥の深いアメリカ広葉樹ですが、奇しくも明日はそのアメリカをはじめとする「世界」に向かって『森のかけら』が飛び出す記念すべき日です。以前から取り組んでいた【Ｌｏｏｐｔｏ】のプレスリリースが愛媛銀行・感性価値創造推進室で行われます。既に数週間前にアップはさせていただいていたのですが、まだ販売が出来る状態にはなっていませんでした。まだ微調整必要なのですが・・・。明日のプレスリリースを機に販売も可能になります。一応バイリンガルなサイトなので、英語＆日本語の二本立てなのですが、弊社はあくまで海外向けの販売を主眼に置いています。『愛媛のいいものを世界へ』という目的のもと、６つの企業が切磋琢磨して取り組んできた成果がいよいよ始動します。さあ、世界の窓が開きます。トム、メンバーの皆さん、世界は無謀なる者を待っていますぞ！行きましょう～！

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